殺意を抱き手にかけるに誰かの意志など介在しない
「それで最後に三つ目の理由に関してだけれど・・・これに関してはちょっとアニスに言いにくい事になるけど、ここまで来たらもう言っておかなきゃいけないと思うから言うって言いたいけど・・・聞くかい?」
「・・・それって私に関係することなの?」
「まぁね・・・ついでに言うならさっきあそこで君と出会ったのもその三つ目の理由からだけど、君がいたからそれを中断してこうして話をしようって思ったんだ。ただそれで一つ言わせてもらうなら、三つ目の理由を聞くにしろ聞かないにしろ僕はこの後にその為にまた行動を起こした上ですぐにダアトから逃げ出すつもりだ・・・そしてそうなったら君は僕に負の感情を抱く事になると思う。そうなるって分かってて話を聞くか、後でこういうことなのかって理解する形で話を聞かずに済ませるかどっちにする?」
「・・・それ、は・・・」
そうして三つ目の理由について話す・・・前に辛くなるという前提で聞くか聞かないかを選択肢に挙げるハヤテの問い掛けに、アニスは迷うような様子を見せた上で一つ力なく頷く。
「・・・聞く・・・多分聞かないままにしたならこれからダアトを出るハヤテにもう会えなくなる可能性の方が高いと思うから、そうなるくらいなら何をこれからするのかくらいは聞いときたいって思ったから・・・」
「・・・分かった。なら言うよ」
アニスの声と目には不安に満ちていて力はないが、それでも確かに聞くという意志を確認してハヤテも頷き了承をした。
「・・・単刀直入に言うが三つ目の理由は君をあの部屋の前からどかした上で、君の両親を殺しに行くためだよ」
「っ!?」
・・・だがそこで言葉通り簡単に告げたハヤテの言葉に、アニスは信じられないとばかりに驚愕に表情を揺るがした。両親の殺害をするとあっさり告げたことに。
「・・・君が両親の事を何だかんだ言いつつもそこまで嫌っていないというより、好きだって言うことはこの数年でよく知っている。けどそれと同時にあの二人がどれだけ君を悪意なく苦しめてきた上で、今度は君がスパイにならざるを得ないことを選択させるほどに追い詰めた・・・僕としてはモース達も気に入らないと思っていたが、そんな風に子どもを自分の都合で苦しませる親って言うのを放っておくのはもっと気に入らないって思ったんだよ」
「だ、だから・・・パパにママを殺すって言うの・・・!?」
「そうだけど、僕が気に入らないという点だけでそうしようっていう訳じゃない・・・二人がいなくならなければ、君は以降もこれまでと同じかそれ以上の苦しみを背負うことになると思ったのもあってそうしたんだ」
「・・・え・・・?」
ハヤテはその様子にどうして自分がそう考えたのかを明かしていくのだが、アニスが愕然としながらもどうしてかと問い掛ける中で返した答えの中身に戸惑いを浮かべた。アニスの事も含まれてるとの言葉に。
「・・・さっき話した話の中にダアトの暗部の事を予想した話があっただろう?昔から弱味を握った相手を密かに利用してきた可能性があるってことは・・・これに関してはモースが死んだんだからもうそんなことは起こらないんじゃないかって思うかもしれないけど、そのやり方を受け継がせるなら一人だけしかそのやり方を伝えられないとかって言うのは、何か不測の事態が起きた時にそのやり方が途切れる事になる・・・だから予防線の為にモース程じゃなくてもそのやり方だったり知識を持ってる人物達がいる可能性ってヤツを僕は考えてるんだよ。そしてもしそうなら利用出来そうな誰かをリストアップした資料なんかがあってもおかしくないともね」
「っ!?・・・も、もしそうだったらまたその人達がパパ達の事を利用してきて、私がスパイにされる可能性があるってこと・・・!?」
「少なくとも僕は絶対にそんなこと有り得ないとは言い切れないと見てる」
「っ・・・!」
その理由はモースと同じような存在が意志を引き継ぎ行動する可能性があること・・・そういったように話をしていくハヤテに、アニスは盛大に冷や汗を滲ませながら息を呑んでしまった。ハヤテの行動でモース達の支配下から逃れたかと思いきや、まだそうならない可能性が存在しているということに。
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「・・・それって私に関係することなの?」
「まぁね・・・ついでに言うならさっきあそこで君と出会ったのもその三つ目の理由からだけど、君がいたからそれを中断してこうして話をしようって思ったんだ。ただそれで一つ言わせてもらうなら、三つ目の理由を聞くにしろ聞かないにしろ僕はこの後にその為にまた行動を起こした上ですぐにダアトから逃げ出すつもりだ・・・そしてそうなったら君は僕に負の感情を抱く事になると思う。そうなるって分かってて話を聞くか、後でこういうことなのかって理解する形で話を聞かずに済ませるかどっちにする?」
「・・・それ、は・・・」
そうして三つ目の理由について話す・・・前に辛くなるという前提で聞くか聞かないかを選択肢に挙げるハヤテの問い掛けに、アニスは迷うような様子を見せた上で一つ力なく頷く。
「・・・聞く・・・多分聞かないままにしたならこれからダアトを出るハヤテにもう会えなくなる可能性の方が高いと思うから、そうなるくらいなら何をこれからするのかくらいは聞いときたいって思ったから・・・」
「・・・分かった。なら言うよ」
アニスの声と目には不安に満ちていて力はないが、それでも確かに聞くという意志を確認してハヤテも頷き了承をした。
「・・・単刀直入に言うが三つ目の理由は君をあの部屋の前からどかした上で、君の両親を殺しに行くためだよ」
「っ!?」
・・・だがそこで言葉通り簡単に告げたハヤテの言葉に、アニスは信じられないとばかりに驚愕に表情を揺るがした。両親の殺害をするとあっさり告げたことに。
「・・・君が両親の事を何だかんだ言いつつもそこまで嫌っていないというより、好きだって言うことはこの数年でよく知っている。けどそれと同時にあの二人がどれだけ君を悪意なく苦しめてきた上で、今度は君がスパイにならざるを得ないことを選択させるほどに追い詰めた・・・僕としてはモース達も気に入らないと思っていたが、そんな風に子どもを自分の都合で苦しませる親って言うのを放っておくのはもっと気に入らないって思ったんだよ」
「だ、だから・・・パパにママを殺すって言うの・・・!?」
「そうだけど、僕が気に入らないという点だけでそうしようっていう訳じゃない・・・二人がいなくならなければ、君は以降もこれまでと同じかそれ以上の苦しみを背負うことになると思ったのもあってそうしたんだ」
「・・・え・・・?」
ハヤテはその様子にどうして自分がそう考えたのかを明かしていくのだが、アニスが愕然としながらもどうしてかと問い掛ける中で返した答えの中身に戸惑いを浮かべた。アニスの事も含まれてるとの言葉に。
「・・・さっき話した話の中にダアトの暗部の事を予想した話があっただろう?昔から弱味を握った相手を密かに利用してきた可能性があるってことは・・・これに関してはモースが死んだんだからもうそんなことは起こらないんじゃないかって思うかもしれないけど、そのやり方を受け継がせるなら一人だけしかそのやり方を伝えられないとかって言うのは、何か不測の事態が起きた時にそのやり方が途切れる事になる・・・だから予防線の為にモース程じゃなくてもそのやり方だったり知識を持ってる人物達がいる可能性ってヤツを僕は考えてるんだよ。そしてもしそうなら利用出来そうな誰かをリストアップした資料なんかがあってもおかしくないともね」
「っ!?・・・も、もしそうだったらまたその人達がパパ達の事を利用してきて、私がスパイにされる可能性があるってこと・・・!?」
「少なくとも僕は絶対にそんなこと有り得ないとは言い切れないと見てる」
「っ・・・!」
その理由はモースと同じような存在が意志を引き継ぎ行動する可能性があること・・・そういったように話をしていくハヤテに、アニスは盛大に冷や汗を滲ませながら息を呑んでしまった。ハヤテの行動でモース達の支配下から逃れたかと思いきや、まだそうならない可能性が存在しているということに。
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