殺意を抱き手にかけるに誰かの意志など介在しない
・・・そうしてアニスはハヤテから話を聞いていくのだが、すぐに信じがたいと言ったリアクションを見せていった。やはり何だかんだといってもローレライ教団の信者の一人として信じられないといった気持ちもそうだが、更にヴァンが裏で動いていてイオンについての事を進めていたなどという事実は簡単には信じられないのだろう。
しかしハヤテがそもそも何でアニスがスパイになることをいきなり命じられることになったのかについてを冷静になって考えてみれば、むしろ納得出来るという根拠を話していくとアニスも次第に顔色を悪くしながらもその中身を受け入れていくしかなかった・・・何故今になってスパイをわざわざ導師につける必要があったのかもそうだが、言葉遣いなどは辿々しく態度も年齢不相応に幼くとも今まで導師の護衛の筆頭であり信任も厚かったアリエッタを外す意味などイオン側からすれば無いはずどころか、むしろ変えるという話になれば導師に対する越権行為だとモースを詰める理由になり得る・・・なのにそうならないどころかアリエッタを解雇してアニスをスパイとして付けるなんて事をするのは、モースからしたなら本物のイオンではないのだから行動の把握をしておく為からなのだという中身に加えて、借金を背負わせること自体がダアトの暗部では常套手段として用いられていたのだということを。
「・・・今の話に関しては僕の推測もいくらかは入っているけれど、それでも実際に調べてみて事実だったことは多かったし何よりアニスがスパイとしてでも導師守護役として異例の抜擢をされることに関しては、スパイの為以外にも導師と接点が無かった人物じゃないといけなかったんだと思うよ。下手に新たに入る代わりの導師と何かギクシャクするような事があったら、フォミクリー技術の事までとはいかなくても今の導師は偽物なんじゃないかって疑われる可能性を考えてね」
「・・・確かに、そう言われてみると納得出来るっていうかもうそうだとしか思えないよ・・・アリエッタの事は私も少しは知ってるけど、あの娘がイオン様の事を知ったら演技なんて出来るとは思えないし、かといって変に事情を知ってる誰かに任せるなんてしてボロが出たらって思うと色々と怖いし・・・」
「そう・・・だからモースはそういった裏事情を知らない上で、決して裏切る事のない人物を就けるようにお膳立てしたんだ。謡将の口車に乗ってフォミクリー技術を使ってしまったことに関しては置いておいて、教団が以前から使っていた鉄板の手段を用いて逆らえない人材であるアニスを置こうという形でね」
「っ・・・」
・・・そうして一通り話をし終えたハヤテだが、年の割に親のせいで聡い子どもであるアニスはそんなことは有り得ないと否定出来ずに辛さを滲ませる形で表情を歪めていた。ハヤテの話した話の中身は信じがたい物が多いという以上に、本当の可能性の方が高いのだとその中身からアニスも感じざるを得なかった為に。
「ま、そういった事を調べた上で借金を理由に人に言うことを強制で聞かせようとしている話についてを聞いたから、たまらずもう殺そうかなって考えて行動したんだけどね。僕としても両親のせいで散々苦労してきたから、不愉快極まりないって思ってね」
「え・・・両親のせいで苦労してきたって、どういうこと・・・?」
「周りには僕は預言に詠まれたからダアトに来たって言ってるけど、実際は両親に借金取りに借金返済の為に売られそうになったのを皆殺しにしてきた上でここに来たんだ」
「!?」
ただ更にハヤテが何でもない事のように続けた親達の殺害の件に関してに、最大限の驚愕にアニスは目を見開いた。そんなことがあったのかというのもそうだが、その事をあっさり話すハヤテの様子に驚き。
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しかしハヤテがそもそも何でアニスがスパイになることをいきなり命じられることになったのかについてを冷静になって考えてみれば、むしろ納得出来るという根拠を話していくとアニスも次第に顔色を悪くしながらもその中身を受け入れていくしかなかった・・・何故今になってスパイをわざわざ導師につける必要があったのかもそうだが、言葉遣いなどは辿々しく態度も年齢不相応に幼くとも今まで導師の護衛の筆頭であり信任も厚かったアリエッタを外す意味などイオン側からすれば無いはずどころか、むしろ変えるという話になれば導師に対する越権行為だとモースを詰める理由になり得る・・・なのにそうならないどころかアリエッタを解雇してアニスをスパイとして付けるなんて事をするのは、モースからしたなら本物のイオンではないのだから行動の把握をしておく為からなのだという中身に加えて、借金を背負わせること自体がダアトの暗部では常套手段として用いられていたのだということを。
「・・・今の話に関しては僕の推測もいくらかは入っているけれど、それでも実際に調べてみて事実だったことは多かったし何よりアニスがスパイとしてでも導師守護役として異例の抜擢をされることに関しては、スパイの為以外にも導師と接点が無かった人物じゃないといけなかったんだと思うよ。下手に新たに入る代わりの導師と何かギクシャクするような事があったら、フォミクリー技術の事までとはいかなくても今の導師は偽物なんじゃないかって疑われる可能性を考えてね」
「・・・確かに、そう言われてみると納得出来るっていうかもうそうだとしか思えないよ・・・アリエッタの事は私も少しは知ってるけど、あの娘がイオン様の事を知ったら演技なんて出来るとは思えないし、かといって変に事情を知ってる誰かに任せるなんてしてボロが出たらって思うと色々と怖いし・・・」
「そう・・・だからモースはそういった裏事情を知らない上で、決して裏切る事のない人物を就けるようにお膳立てしたんだ。謡将の口車に乗ってフォミクリー技術を使ってしまったことに関しては置いておいて、教団が以前から使っていた鉄板の手段を用いて逆らえない人材であるアニスを置こうという形でね」
「っ・・・」
・・・そうして一通り話をし終えたハヤテだが、年の割に親のせいで聡い子どもであるアニスはそんなことは有り得ないと否定出来ずに辛さを滲ませる形で表情を歪めていた。ハヤテの話した話の中身は信じがたい物が多いという以上に、本当の可能性の方が高いのだとその中身からアニスも感じざるを得なかった為に。
「ま、そういった事を調べた上で借金を理由に人に言うことを強制で聞かせようとしている話についてを聞いたから、たまらずもう殺そうかなって考えて行動したんだけどね。僕としても両親のせいで散々苦労してきたから、不愉快極まりないって思ってね」
「え・・・両親のせいで苦労してきたって、どういうこと・・・?」
「周りには僕は預言に詠まれたからダアトに来たって言ってるけど、実際は両親に借金取りに借金返済の為に売られそうになったのを皆殺しにしてきた上でここに来たんだ」
「!?」
ただ更にハヤテが何でもない事のように続けた親達の殺害の件に関してに、最大限の驚愕にアニスは目を見開いた。そんなことがあったのかというのもそうだが、その事をあっさり話すハヤテの様子に驚き。
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