・・・ヴァンは自身の目的の為、とある秘密を抱く形で行動している。その目的を達成させる為に弟であるツナヨシを始めとして行動を始めたのだが、その目的に関してツナヨシは元々からヴァンに協力するつもりで行動していない。その目的を隠れ蓑にしつつ動くためであり、真の目的を持ちながら動いているのだ。

現にディストと仲良くぶっちゃけたような話をしているのがその証拠である・・・ディストはヴァンの目的から表向きは上司と部下という形で協力関係になったが、そこに関してはヴァンがディストの目的を達成させる目論見がないこと及び様々に話し合いをしたことから、晴れてツナヨシの側にディストはつくことにしたのだ。その上でヴァンに対しては表向きは前と変わってないように振る舞っているが、ツナヨシのおかげで精神的に落ち着いた為にかなり前より落ち着いた態度を取れるようになったのである。

そしてこれはディストだけではなく他にも何人も同じような人物がいるが、外に出る機会が他の面子に比べて役割的な意味から少ないディストがツナヨシと関わる事が多いのである。ただだからこそとも言えるが・・・ツナヨシが面倒になる場面を見る機会が多いのもまた、ディストなのである。

・・・ヴァンはツナヨシの目的についてを察知していない上で、自分のことを支えてくれていると思い込んでいる。故にこそツナヨシは自分の目的を達成する為に動いてくれていると思い、特にダアトから出ている時は後始末はやってくれるだろうと外でやれることをやるためにと、帰還すると予定されていた時間を大幅に上回ることが多々あった。それこそ連絡など一切なく、ツナヨシがちゃんとした中身のある抗議を向けてきても大したことではないといったようにしか思わずに来たのである。

そしてそんなヴァンはツナヨシのいない世界線よりもダアトにいない時間が増え、ダアトの上層部の人間達はヴァンよりもツナヨシの方に仕事の話を持ってくることも珍しくなかったりするのである。それこそダアトにいないことの多いヴァンに頼むより、ツナヨシに頼む方が確実と見られてだ。






「・・・分かりました。取り敢えず貴方がやらなければらならない仕事についてを言ってください。こちらでやれる分はこちらで処理しますから」
「えっ・・・いや、いいよ。そんなことを頼むわけには・・・」
「あれだけ怒る姿を見せられてはこちらも同情の気持ちくらい湧きますよ。それに貴方の働きぶりを考えれば少しくらい休んだ方がいいですし、ヴァンも流石に遅れているとは言え後二、三日くらいで帰ってくるでしょうから少しの間ゆっくり休んでください。それくらいはやりますから気にせず、ね」
「・・・ありがとう、ディスト・・・少しお言葉に甘えるよ・・・」
そんなツナヨシを見かねてディストが仕方無いというように休むように言うと、ツナヨシはありがたいと頭を力なく下げた。色々振り回されてきたツナヨシにとってディストの申し出は本当にありがたい物であった為に。


















・・・そうしてツナヨシはディストと部下達に引き継ぎをした上でユリアシティに行って休むことにすると言い、ダアトから出ていった。

それでダアトから出てアラミス湧水洞の奥にまで来たツナヨシは譜陣に乗り言葉を発すると、次の瞬間には光と共にその場から消え去り・・・別の場所、ユリアシティへと降り立った為に目的の場所へと向かった。









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