大空に包まれたものと拒否したもの
・・・ローレライ教団の所有する兵力である神託の盾のトップに位置するヴァン=グランツには二つ歳が下の弟がいて、その弟はヴァンの補佐という形で神託の盾のNo.2という地位にいた。その名はツナヨシであるのだが、そのツナヨシのことを知る者はそうはいなかった・・・何故ならその理由としてその立場に就いているのは、ヴァンの尻拭いの為に奔走していると見られているからである・・・
「・・・なぁ、ディスト。お前、兄ちゃんからいつ戻ってくるかとか連絡受けたか?」
「受けてませんが・・・もしかしてまた予定の日取りに帰ってきていないんですか?」
「そうだよ!用があるから帰ってこれないとかズレこむなら手紙を出せっていつも言ってるのに、今日で三日も予定より帰ってくるの遅れてるんだよ!あぁぁっ、もう!」
「気持ちは分かりますが、落ち着いてください。ヴァンが予定通りに帰ってこないことなど然程珍しくないでしょう」
「珍しくないからこそ嫌なんだよ!あぁもう!これでまたいつ帰ってくるか分かんなくなったから俺が色々やんなきゃならなくなったぞ!」
・・・ダアトにある神託の盾本部の一角の研究スペースにて。
そこに入ってきた神託の盾の服に身を包んだツナヨシは疲れたような顔で椅子に座り紙の束を見ていたディストに話し掛けるが、慣れたことだろうと返されたことに怒りにたまらず頭をガリガリとかいていく。
・・・ツナヨシの兄であるヴァンはダアトの神託の盾の兵をまとめる謡将という地位についていて、キムラスカに顔がきいている事もあって忙しなく動くことが多かった。その為に神託の盾の本拠地であるダアトから出て活動することが多く、ダアトにいないことは然程珍しくない事だった。
だが神託の盾というダアトの兵力をまとめる立場にいるヴァンは、外に出て活動していればそれでいいというわけではなくダアト内でやる仕事も当然あるのだが・・・それらを弟であるツナヨシを筆頭にして処理を言葉にはせずとも頼むばかりか、ダアトに帰るとなっても元々の予定より大幅に帰る時間などを遅らせてくることが多かった。むしろ時間通りに帰ってくることが稀なくらいなのである。
「貴方の怒りはもっともではありますが、同時に貴方にとっては好都合だと思った方がいいと前にも言ったではありませんか。それに彼にとっては謡将という立場など自分にとって都合のいい物だから入り込んだというだけであって、目的を果たせれば後の事などどうでもいいからと要所要所で力を抜いていけばいいだけ・・・という考えから彼は謡将としての業務など表向き立派にやっていると思ってしかやってないだろうとは貴方も言ったではありませんか」
「それにしたって限度があるんだよ!確かに俺にとっては動きやすいっていう部分があるのは否定できないけど、いくらなんでも外に行き過ぎてるから俺がもうダアトでの謡将の仕事をほとんど担当してるってことで、俺に直接仕事の話をしに来るんだからたまらないんだよ!なのにそれを言っても計画を進めるためだからで暖簾に腕だから余計にさぁっ・・・!」
「・・・本当にこれは参っているようですね、ツナヨシ・・・」
それでもディストは何とかなだめようと声をかけていくが、ツナヨシが全く収まりを見せずに怒りをぶちまけていく様子に頭を横に振った。本当にヴァンに対して溜まりに溜まっているのだと。
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「・・・なぁ、ディスト。お前、兄ちゃんからいつ戻ってくるかとか連絡受けたか?」
「受けてませんが・・・もしかしてまた予定の日取りに帰ってきていないんですか?」
「そうだよ!用があるから帰ってこれないとかズレこむなら手紙を出せっていつも言ってるのに、今日で三日も予定より帰ってくるの遅れてるんだよ!あぁぁっ、もう!」
「気持ちは分かりますが、落ち着いてください。ヴァンが予定通りに帰ってこないことなど然程珍しくないでしょう」
「珍しくないからこそ嫌なんだよ!あぁもう!これでまたいつ帰ってくるか分かんなくなったから俺が色々やんなきゃならなくなったぞ!」
・・・ダアトにある神託の盾本部の一角の研究スペースにて。
そこに入ってきた神託の盾の服に身を包んだツナヨシは疲れたような顔で椅子に座り紙の束を見ていたディストに話し掛けるが、慣れたことだろうと返されたことに怒りにたまらず頭をガリガリとかいていく。
・・・ツナヨシの兄であるヴァンはダアトの神託の盾の兵をまとめる謡将という地位についていて、キムラスカに顔がきいている事もあって忙しなく動くことが多かった。その為に神託の盾の本拠地であるダアトから出て活動することが多く、ダアトにいないことは然程珍しくない事だった。
だが神託の盾というダアトの兵力をまとめる立場にいるヴァンは、外に出て活動していればそれでいいというわけではなくダアト内でやる仕事も当然あるのだが・・・それらを弟であるツナヨシを筆頭にして処理を言葉にはせずとも頼むばかりか、ダアトに帰るとなっても元々の予定より大幅に帰る時間などを遅らせてくることが多かった。むしろ時間通りに帰ってくることが稀なくらいなのである。
「貴方の怒りはもっともではありますが、同時に貴方にとっては好都合だと思った方がいいと前にも言ったではありませんか。それに彼にとっては謡将という立場など自分にとって都合のいい物だから入り込んだというだけであって、目的を果たせれば後の事などどうでもいいからと要所要所で力を抜いていけばいいだけ・・・という考えから彼は謡将としての業務など表向き立派にやっていると思ってしかやってないだろうとは貴方も言ったではありませんか」
「それにしたって限度があるんだよ!確かに俺にとっては動きやすいっていう部分があるのは否定できないけど、いくらなんでも外に行き過ぎてるから俺がもうダアトでの謡将の仕事をほとんど担当してるってことで、俺に直接仕事の話をしに来るんだからたまらないんだよ!なのにそれを言っても計画を進めるためだからで暖簾に腕だから余計にさぁっ・・・!」
「・・・本当にこれは参っているようですね、ツナヨシ・・・」
それでもディストは何とかなだめようと声をかけていくが、ツナヨシが全く収まりを見せずに怒りをぶちまけていく様子に頭を横に振った。本当にヴァンに対して溜まりに溜まっているのだと。
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