兄弟の分かたれた道の選択 後編

「・・・言葉が荒くなったことは謝罪しよう。ただ今のお主の態度はこの状況・・・ひいてはわしから見てそちらに対して抱く印象に関してを全く考えてないとしか思えぬ物だったからこそ、こう言わせてもらったのだ」
「っ・・・お、俺はそんなに嫌われているんですか・・・」
「嫌われているというのも間違ってはいない・・・だがカイ坊やを見てきたわしから言わせてもらえば、お主が復讐をするか否かを迷い選択をしない状況に浸かりすぎたと見えるからこそこう言っておるのだ」
「え・・・浸かりすぎた・・・?」
マクガヴァンはすぐにその怒りを納め怒りについては頭を下げる・・・しかしまだ言い足りないと言葉を続けていくその中身に、ガイはショックを受けた後に思わず眉を寄せた。嫌われてるのもそうだが、意味深な表現を用いられた事に。
「・・・お主達がホドが滅び二年ほど後にファブレに入り込み、それから機を伺いつつも過ごしていき謡将と会い、ある程度の思考の操作はされていたとは聞いておる。迂闊に復讐をされてはたまった物ではないからと・・・だが謡将がそうしたということを差し引いても、慎重に事を進めねばならないというように考えていたと言っても・・・十数年という時間の中で決断出来る時はいくらでもあったはずだ。復讐をするか止めるかどちらかを選び、どちらを選ぶにしてもそれを何時にするとか何時までにそうするといった期限を設けるであるといった時をだ」
「っ、それは決めるのは簡単ではなかったから、こそ決めれなかったんです・・・」
「成程、悩むのは仕方無いだろう。だがカイ坊やはホドが滅びて必要だという事もあってだろうが、一年程度の時間も経たずに今のようにすると自身の歩む道を決めたのだぞ?」
「「っ!!」」
そうしてマクガヴァンから向けられる言葉に何とか言い訳を口にしたガイだが、そこで出されたカイの名前と行動と・・・その期間に、たまらずペール共々大きく息を呑んだ。
「カイ坊やとお主らの状況に違いがあることは承知はしておる。しかし時間をかけるばかけるほどに後の為にかける時間が少なくなっていくのは考えねばならぬことだったのを、お主らが考えていたようには思えんからこそこう言っておる。その上で例えばで聞くが、カイ坊やがいなくて預言もなく何事もなく世界が進んでいったとしよう・・・それで時が進みそちらのペールという老人が亡くなるであったり、公爵が余命幾ばくもない状態になったとしたとしてその時に復讐をするかしないかの選択の際・・・三十か四十かそれ以上かの歳になった時にそうなったとしたなら、その後の人生が全部うまくいくとでも思っていたのか?どちらを選んだにしてもだ」
「っ・・・そ、それは・・・」
「考えておらんかったであろう、その後の事なんか・・・今の年齢であっても後の事を考えれば遅いと言わざるを得ないのが実状だが、その後という自分達の未来についてを見据えることなくタイムリミットもなくファブレに居続けた・・・そんな自分達がどう決断するかに関して、選択しない状況に浸かりすぎたと言ったのだ。そしてそんな状況に慣れすぎたとも・・・」
マクガヴァンはそのカイが自身の決意を固めた期間についてを承知させた上で例え話を交えてガイにどうかと問い掛けるが、当然のように戸惑いしか返ってこない様子に呆れを滲ませ頭を抱えながら漏らす。









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