兄弟の分かたれた道の選択 後編
「・・・今だから言えることとしてはあの謡将の妹のやったことはそちらとしては幸運となる形で働いた。何せバチカルにいてそんな選択肢を突き付けられた場合、ファブレから離れる事を渋るなどしたなら・・・即刻でそうなっていたであろうことは想像に難くはなかったからな」
「そ、そんなことは・・・」
「カイツールというバチカルから遠く離れたマルクトの地にて、手も足もでない拘束状態であったからお主は頷いたというか頷かざるを得なかった部分がある・・・と言うのがお主の正直な所だろう。カイ坊やの言うことに反発してしまえば死ぬことになるだとか、そういった危機を考えてな。違うか?」
「そ、それは・・・その・・・」
マクガヴァンはその流れを汲みつつ幸運と評した上で打算もあっただろうと問い掛けると、ガイは答えにくそうに視線をさ迷わせる。
「即座に否定出来ぬ時点でそうだと明かしておるような物であろう・・・そしてバチカルという場で選択肢を突き付けられた場合も同じような事になるどころか、より状況が悪くなるのは予想がつく。何せマルクトに戻るなどと頷けばもうバチカルに戻るであったりファブレに対して復讐など出来なくなるのは明らかであり、そんなことを即決出来なかったであろうことは確かであるどころかむしろそこで追い詰められて出すであろう結論の中には・・・何とかカイ坊やに関しては誤魔化しをして、さっさとファブレに戻って復讐は今やってやると破れかぶれになって行動するという可能性もあったことだろう」
「なっ・・・!?」
「可能性の一つだ。しかしその可能性を絶対有り得ないと否定するにはお主達がファブレから離れておらず復讐を諦めきれていなかった事から大丈夫と言うことなど到底出来ず、むしろ事実を知られていたという事実を前にしてそちらが追い詰められたと思い、そういった考えに至る可能性は一気に高まったであろう・・・そんな事になる可能性を潰すためにも今言ったような選択肢を突き付けるような予定であったのだが、だからこそ謡将の妹が行動したことはそちらには幸運であったと言ったのだ。何せ復讐や今の状況について不満を抱きながらでも・・・こうして生きていられておるのだからな」
「っ・・・!」
そんなガイの内心を見透かしたようにマクガヴァンは話をつづかせていくのだが・・・もしもの可能性についてと今のこの幸運についてを告げ終わると、ガイはハッキリと苦さを滲ませるように歯を噛み締めた。ガイ自身今のもしもの可能性についてを否定出来ないという気持ちもありながら、同時に言われたようにまだ今の状況が断然マシなのだとも理解して。
「・・・ハッキリと言おう。わしもそうだがピオニー陛下もお主を信用が出来るなどとは思ってはおらぬし、わしもお主らがセントビナーから逃げ出すようなことをするなら言い訳など聞くこともせずに処断するつもりでおる・・・勿論お主らがファブレに対して抱く気持ちに関してはよく知っておるが、それでもわしからすれば大事なのはカイ坊やの方だ・・・しかしお主ら、特にお主は自分の立場や考えがいかなものかを理解して無さすぎる!いかにカイ坊やが苦心したのかも知らぬままにだ!」
「っ!」
だがまだ話を続けていく内に次第に熱を帯びていったマクガヴァンは目を大きく見開いて怒声を大きく放ち、ガイの体を縮こまらせるように萎縮させた。
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「そ、そんなことは・・・」
「カイツールというバチカルから遠く離れたマルクトの地にて、手も足もでない拘束状態であったからお主は頷いたというか頷かざるを得なかった部分がある・・・と言うのがお主の正直な所だろう。カイ坊やの言うことに反発してしまえば死ぬことになるだとか、そういった危機を考えてな。違うか?」
「そ、それは・・・その・・・」
マクガヴァンはその流れを汲みつつ幸運と評した上で打算もあっただろうと問い掛けると、ガイは答えにくそうに視線をさ迷わせる。
「即座に否定出来ぬ時点でそうだと明かしておるような物であろう・・・そしてバチカルという場で選択肢を突き付けられた場合も同じような事になるどころか、より状況が悪くなるのは予想がつく。何せマルクトに戻るなどと頷けばもうバチカルに戻るであったりファブレに対して復讐など出来なくなるのは明らかであり、そんなことを即決出来なかったであろうことは確かであるどころかむしろそこで追い詰められて出すであろう結論の中には・・・何とかカイ坊やに関しては誤魔化しをして、さっさとファブレに戻って復讐は今やってやると破れかぶれになって行動するという可能性もあったことだろう」
「なっ・・・!?」
「可能性の一つだ。しかしその可能性を絶対有り得ないと否定するにはお主達がファブレから離れておらず復讐を諦めきれていなかった事から大丈夫と言うことなど到底出来ず、むしろ事実を知られていたという事実を前にしてそちらが追い詰められたと思い、そういった考えに至る可能性は一気に高まったであろう・・・そんな事になる可能性を潰すためにも今言ったような選択肢を突き付けるような予定であったのだが、だからこそ謡将の妹が行動したことはそちらには幸運であったと言ったのだ。何せ復讐や今の状況について不満を抱きながらでも・・・こうして生きていられておるのだからな」
「っ・・・!」
そんなガイの内心を見透かしたようにマクガヴァンは話をつづかせていくのだが・・・もしもの可能性についてと今のこの幸運についてを告げ終わると、ガイはハッキリと苦さを滲ませるように歯を噛み締めた。ガイ自身今のもしもの可能性についてを否定出来ないという気持ちもありながら、同時に言われたようにまだ今の状況が断然マシなのだとも理解して。
「・・・ハッキリと言おう。わしもそうだがピオニー陛下もお主を信用が出来るなどとは思ってはおらぬし、わしもお主らがセントビナーから逃げ出すようなことをするなら言い訳など聞くこともせずに処断するつもりでおる・・・勿論お主らがファブレに対して抱く気持ちに関してはよく知っておるが、それでもわしからすれば大事なのはカイ坊やの方だ・・・しかしお主ら、特にお主は自分の立場や考えがいかなものかを理解して無さすぎる!いかにカイ坊やが苦心したのかも知らぬままにだ!」
「っ!」
だがまだ話を続けていく内に次第に熱を帯びていったマクガヴァンは目を大きく見開いて怒声を大きく放ち、ガイの体を縮こまらせるように萎縮させた。
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