兄弟の分かたれた道の選択 後編

そうしてモースについて決まった後、様々に話は進み・・・話せば長くなるので結果だけを話せば、キムラスカとマルクトはしばらくした後に和平を結ぶという流れにすることになった。これはやはりヴァンが知った第七譜石の中身もあるが、外殻大地の現状についてが大きいだろう。アクゼリュスを預言通りに消滅させればまず他の大地を支えているパッセージリングもその消滅の影響を受け、連鎖的にリングが壊れていく流れが続いていくと見られているということが。

故にそれらの問題を解決するには戦争をしないで和平を結んだ上で、カイ達のやることに協力した方がいいとなったのだ。そうでなければオールドラントが滅びるような事態になりかねないからと。

そしてその上でルークとアッシュの二人に関してだが、こちらに関してはアッシュが一方的にがなりたてる言葉ばかりを吐いていった。自分の主張を通そうとして、端から聞けば矛盾と思える物をだ・・・そしてその結果としてアッシュは『ルーク=フォン=ファブレ』としてキムラスカに戻ることになり、ルークはマルクトで引き受けるということになった。

何故こうなったのかと言えば、アッシュの主張がキムラスカにマルクトにダアトの三者にとって取り上げても何のメリットもない・・・特にルークに死んでほしいと言うだけ言って後は知るか、自分は勝手に気ままに生きるといったようにまとめるとこういったことを言ったからだ。後半部分もそうだが、前半のルークに関してはそれを認める事は今後のキムラスカのことを考えれば出来るはずがないと。

その上でナタリアが必死にアッシュにキムラスカに戻ってきてくださいましと、この七年の間のルークに対する気持ちなど本物の『ルーク』が出てきたことで霧散してしまったというような態度を見せられたこと・・・更にはその時にアッシュがかなり揺らいだ様子を見せたことから、カイがルークが良ければという前提でマルクトの私の元で引き受けるから、アッシュには身の安全であったり様々な保証や条件を付けた上でキムラスカに戻したらどうかと切り出したことからである。

その言葉に戸惑いを見せた場の面々だったが、その言葉に一番最初に反応したのはルークで・・・それを了承するという物だった。話を聞いてから色々考えてきた上でアッシュとナタリアの態度を見てしまい、もうキムラスカに自分はいない方がいいのではないかと思うようになったと、真剣でいて悲壮な様子で語ったのである。

その様子にアッシュはマルクトのお情けにすがるかだとか様々に暴言をルークに向けたがカイはその様子を見て、なら貴方はナタリア殿下にお情けを向けることもなく無情にその気持ちごと切り捨てる冷血漢なのですね・・・と言ったような言葉を向けるとアッシュは売り言葉に買い言葉とヒートアップしていき、最終的にその言葉に乗せられた上でナタリアの泣きそうな顔が見えたことから、アッシュはキムラスカに戻ることになった。そうするというのであれば、もうルークに対して何かを言うことは公にはしないとさせる形でだ。

その決定にアッシュは乗せられてしまったと苦い顔をしていたがそうすると決めた結果を否定することが出来なかった。ナタリアがその決定に嬉しそうな表情を浮かばせたのもあってだ・・・しかしそのやり取りに関してインゴベルトに公爵は明るい表情を浮かべることは出来なかった。その理由は大方アッシュの様子を見てこのままキムラスカに戻った所でいい結果になると見なかったのだと、カイは見ている。ナタリアが過剰なまでにアッシュが戻ってくるのを喜んでるのも相まってだ。

だがカイからすればそんなことはもう問題ではなかった。アッシュはヴァンの計画の生き証人だと明かせればそれで良かったが、だからと言ってその性格上マルクトで引き取っても大人しくなるとは思えないし、ルークもルークで肩身が狭い所ではなくなる状態ではなくなるだろうと見たからこそ二人の行く先を誘導したのだ。ルークは自分が引き取るが、アッシュに関してはナタリアの事もあるからキムラスカに引き取ってもらうのが色々と妥当な所だろうと。









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