兄弟の分かたれた道の選択 後編
・・・そうしてティアについての話は終わった後、ヴァンとアッシュをキムラスカにこのまま連れていく話をしていった。無論アッシュは文句やら抵抗やらをしてきたが、拘束をされた状態ではどうすることも出来ず無理矢理連れていかれることになった。
そしてその上でカイはヴァンの使っていたペールとの連絡手段を使い、バチカルに来る際にペールをファブレの外に呼び出せるようにした・・・という訳である。ファブレに残してはいけないもう一人の復讐者であり、同時に忠義者でありカイに逆らう筈のない人物を・・・
「・・・そのことについてはマルクトに戻ってから詳しく話しますが、話を変えてファブレを辞める準備は出来ていますか?」
「はい・・・カイランド様から手紙を受け取った直後から準備を進めて参りました・・・私にガイラルディア様の荷物はもうケセドニアに送るようにしており、明日にはファブレを去れるようにしてあります・・・」
「そうですか・・・後は分かっているとは思いますが、騒ぎは起こさずにファブレを離れてください」
「分かっております・・・カイランド様の迷惑になるような事は致したくありませんし、ガイラルディア様が囚われの身となった以上はカイランド様の言われることに従います・・・」
「ありがとうございます。では長居をすると怪しまれますので私はこれで失礼します。続きはマルクトにてガイラルディアも交えて話しましょう」
・・・そうして時間は戻る。
カイは空気を切り替えペールと真面目に会話をしていき、簡潔に話をまとめて一つ頷きを見せてから城の方へと去っていく。
「・・・立派に成長されましたな、カイランド様・・・嬉しいという気持ちは勿論ありますが、ただやはりあの姿を見たからこそ・・・ガイラルディア様にマルクトに戻るように言うべきだったかと思わされてしまいますな・・・」
そんなカイの後ろ姿を見ながらペールは物悲しそうな表情を浮かばせてしまった。兄弟の歩んだ道がこれだけ違う物になってしまった事もだが、自分がガイをどうにか出来ていればカイのように立派な人物になれていたのではないかという悔やみを滲ませながら・・・
・・・それから少しの間バチカルにカイ達は滞在することになるのだが、ここで話の流れのほとんどはカイ達マルクトの思うように進むことになっていった。この辺りはやはりヴァンが諦めからとは言えカイの望むままに自身の計画ややってきたこと、その上でモースのやってきたことについてをアニスやイオンも交えて証拠を揃えたこと・・・そして後にティアを送り届けたことが大きいだろう。
そういったことからモースについては後の事を考えて城の一室に軟禁のような状態というのは逃げ出すこともだが、誰か息のかかった者達と情報のやり取りをさせないようにするためということから牢屋に繋ぐことになった・・・これはダアトとの関係を考えればあまり望ましいことではないと思われたが、それでもモースを放っておくことによる被害を考えることを考えれば牢屋に入れる方が圧倒的に良いだろうとなったためである。
そしてこの辺りに関してはイオンの事を知っている者はダアトでもモースを除けばヴァン達くらいしかいないため、後で口裏を合わせてモースが問題行動を起こしたということにしてイオンが処分をキムラスカに任せて引き渡すことにした・・・というようにする予定である。まぁイオンがモースの処遇に関しては難色を示したが、そこは戦争を起こされる事に固執されたらより多くの被害が出ることになるということで納得してもらった。
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そしてその上でカイはヴァンの使っていたペールとの連絡手段を使い、バチカルに来る際にペールをファブレの外に呼び出せるようにした・・・という訳である。ファブレに残してはいけないもう一人の復讐者であり、同時に忠義者でありカイに逆らう筈のない人物を・・・
「・・・そのことについてはマルクトに戻ってから詳しく話しますが、話を変えてファブレを辞める準備は出来ていますか?」
「はい・・・カイランド様から手紙を受け取った直後から準備を進めて参りました・・・私にガイラルディア様の荷物はもうケセドニアに送るようにしており、明日にはファブレを去れるようにしてあります・・・」
「そうですか・・・後は分かっているとは思いますが、騒ぎは起こさずにファブレを離れてください」
「分かっております・・・カイランド様の迷惑になるような事は致したくありませんし、ガイラルディア様が囚われの身となった以上はカイランド様の言われることに従います・・・」
「ありがとうございます。では長居をすると怪しまれますので私はこれで失礼します。続きはマルクトにてガイラルディアも交えて話しましょう」
・・・そうして時間は戻る。
カイは空気を切り替えペールと真面目に会話をしていき、簡潔に話をまとめて一つ頷きを見せてから城の方へと去っていく。
「・・・立派に成長されましたな、カイランド様・・・嬉しいという気持ちは勿論ありますが、ただやはりあの姿を見たからこそ・・・ガイラルディア様にマルクトに戻るように言うべきだったかと思わされてしまいますな・・・」
そんなカイの後ろ姿を見ながらペールは物悲しそうな表情を浮かばせてしまった。兄弟の歩んだ道がこれだけ違う物になってしまった事もだが、自分がガイをどうにか出来ていればカイのように立派な人物になれていたのではないかという悔やみを滲ませながら・・・
・・・それから少しの間バチカルにカイ達は滞在することになるのだが、ここで話の流れのほとんどはカイ達マルクトの思うように進むことになっていった。この辺りはやはりヴァンが諦めからとは言えカイの望むままに自身の計画ややってきたこと、その上でモースのやってきたことについてをアニスやイオンも交えて証拠を揃えたこと・・・そして後にティアを送り届けたことが大きいだろう。
そういったことからモースについては後の事を考えて城の一室に軟禁のような状態というのは逃げ出すこともだが、誰か息のかかった者達と情報のやり取りをさせないようにするためということから牢屋に繋ぐことになった・・・これはダアトとの関係を考えればあまり望ましいことではないと思われたが、それでもモースを放っておくことによる被害を考えることを考えれば牢屋に入れる方が圧倒的に良いだろうとなったためである。
そしてこの辺りに関してはイオンの事を知っている者はダアトでもモースを除けばヴァン達くらいしかいないため、後で口裏を合わせてモースが問題行動を起こしたということにしてイオンが処分をキムラスカに任せて引き渡すことにした・・・というようにする予定である。まぁイオンがモースの処遇に関しては難色を示したが、そこは戦争を起こされる事に固執されたらより多くの被害が出ることになるということで納得してもらった。
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