兄弟の分かたれた道の選択 後編
「・・・貴方からしての復讐、ですか・・・フッ。私の知るカイランド様らしいことをおっしゃる上で、甘さを残しているようでいて要所要所で隙がない・・・立派に成長されましたな、カイランド様」
「お褒めの言葉をいただいたことに関しては素直に受け入れさせていただきますが、ここから先はもうガイは外させてもらいます。これからの話にガイを関与させる理由は無いどころか、関与させれば却ってこちらとしては面倒になるばかりですからね」
「なっ・・・あ、兄上・・・!?」
ヴァンはそれらの光景に満足そうな笑みを浮かべながらカイを賛辞するが、その言葉を雰囲気を元に戻して受け止めつつも次に口にした言葉にガイは目を丸くした。言葉が正しければ、もう今すぐカイと話をこれ以上することなく引き剥がされるのだということに。
「・・・すみません、ガイを連れていってください」
「待ってください兄上!ぶしつけな言葉を口にした事は謝ります!だからお願いします!兄上ぇぇぇっ!」
そしてカイはそんなガイの必死な様子に一瞥もすることなく部屋の扉の方に向かい、外の兵士を呼び出す。必死でいて絶叫と言える声など全く耳に入ってこないとばかりに・・・
・・・そうしてガイはその場から連れ出されカイは残った面々と話をしていくのだが、そこで主に話をしていったのはティアがやってきたこと・・・キムラスカのファブレという場にまで来てヴァンへの問答の為、というだけで譜歌を使って人々を眠らせていった上でルークと疑似超振動を起こしたことについてだ。
それらの事に関してをカイが告げていくとティアは大したこと無いというか単に眠らせただけだし、兄さんと話せるようにしたかっただけだったというように返したのだが・・・そこで疑似超振動が起きなくて邪魔だからとルークを迎撃した際、もし殺すか重傷になっていた場合はティアの思うような事態になっていなかったのは間違いなかったどころか、今バチカルにいるモースの主導の元でちょうどアクズリュスの事があるから適当な言い分で『聖なる焔の光』と共に送り出され、死ぬことを願われるだろう・・・とカイは告げた。
そんなカイの確信に満ちた推測にティアは有り得ないと信じようとしなかったが、ヴァンに加えてここで猿ぐつわを外されたアッシュが揃ってモースの裏の顔についてを改めて説明した上で、兄と話したいが為に取る行動でも場所でもない上にローレライ教団で言うならそれこそモースのいる場を侵入者が犯してきたようなものだ・・・というように話していくと、ようやくティアも顔色を真っ青にして愕然とした様子に変わった。
だがそれでカイはティアに対して少しだけは女性という立場から気を使った言葉で話はしたものの、ヴァンの企みを断片とは言え知っていたのにそれをちゃんとした形でルーク達に明かそうとしなかったこと及び、嘘の釈明に踊らされてあっさりとヴァンを信用したこと・・・そしてファブレでそんな行動を無思慮でいて無配慮に行ったことを総合したなら、到底ファブレにキムラスカもそうだがローレライ教団としてもティアの行動を許すはずはないと告げた。
そんなカイにティアはそんな大事にするつもりはなかったし、そんなことにならないというように現実逃避気味に漏らしていたが・・・自己弁護はバチカルに連れていくからその時にするようにすればいいとカイが言うと、すぐさま嫌だと涙目になりながら首を横に振った。自分は悪くないし大したことはしてないと思っているのは確かだが、今の話からそう受け取ってもらえるとは流石にティアも思いはしなかったのだろう。
だがそんなティアを突き放すようにカイはティアを場から退場させた上で、ヴァンに残酷なことをするようだがこれもティアのやったことを考えれば放ってはおけないと告げると・・・ヴァンも覚悟を決めたとばかりに目を閉じ、仕方無いと頷くばかりだった。自分がきっかけであるとは言えティアがやってしまったことには違いないし、最早庇いだてに異議申し立てなど出来るはず無いと諦めるように。
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「お褒めの言葉をいただいたことに関しては素直に受け入れさせていただきますが、ここから先はもうガイは外させてもらいます。これからの話にガイを関与させる理由は無いどころか、関与させれば却ってこちらとしては面倒になるばかりですからね」
「なっ・・・あ、兄上・・・!?」
ヴァンはそれらの光景に満足そうな笑みを浮かべながらカイを賛辞するが、その言葉を雰囲気を元に戻して受け止めつつも次に口にした言葉にガイは目を丸くした。言葉が正しければ、もう今すぐカイと話をこれ以上することなく引き剥がされるのだということに。
「・・・すみません、ガイを連れていってください」
「待ってください兄上!ぶしつけな言葉を口にした事は謝ります!だからお願いします!兄上ぇぇぇっ!」
そしてカイはそんなガイの必死な様子に一瞥もすることなく部屋の扉の方に向かい、外の兵士を呼び出す。必死でいて絶叫と言える声など全く耳に入ってこないとばかりに・・・
・・・そうしてガイはその場から連れ出されカイは残った面々と話をしていくのだが、そこで主に話をしていったのはティアがやってきたこと・・・キムラスカのファブレという場にまで来てヴァンへの問答の為、というだけで譜歌を使って人々を眠らせていった上でルークと疑似超振動を起こしたことについてだ。
それらの事に関してをカイが告げていくとティアは大したこと無いというか単に眠らせただけだし、兄さんと話せるようにしたかっただけだったというように返したのだが・・・そこで疑似超振動が起きなくて邪魔だからとルークを迎撃した際、もし殺すか重傷になっていた場合はティアの思うような事態になっていなかったのは間違いなかったどころか、今バチカルにいるモースの主導の元でちょうどアクズリュスの事があるから適当な言い分で『聖なる焔の光』と共に送り出され、死ぬことを願われるだろう・・・とカイは告げた。
そんなカイの確信に満ちた推測にティアは有り得ないと信じようとしなかったが、ヴァンに加えてここで猿ぐつわを外されたアッシュが揃ってモースの裏の顔についてを改めて説明した上で、兄と話したいが為に取る行動でも場所でもない上にローレライ教団で言うならそれこそモースのいる場を侵入者が犯してきたようなものだ・・・というように話していくと、ようやくティアも顔色を真っ青にして愕然とした様子に変わった。
だがそれでカイはティアに対して少しだけは女性という立場から気を使った言葉で話はしたものの、ヴァンの企みを断片とは言え知っていたのにそれをちゃんとした形でルーク達に明かそうとしなかったこと及び、嘘の釈明に踊らされてあっさりとヴァンを信用したこと・・・そしてファブレでそんな行動を無思慮でいて無配慮に行ったことを総合したなら、到底ファブレにキムラスカもそうだがローレライ教団としてもティアの行動を許すはずはないと告げた。
そんなカイにティアはそんな大事にするつもりはなかったし、そんなことにならないというように現実逃避気味に漏らしていたが・・・自己弁護はバチカルに連れていくからその時にするようにすればいいとカイが言うと、すぐさま嫌だと涙目になりながら首を横に振った。自分は悪くないし大したことはしてないと思っているのは確かだが、今の話からそう受け取ってもらえるとは流石にティアも思いはしなかったのだろう。
だがそんなティアを突き放すようにカイはティアを場から退場させた上で、ヴァンに残酷なことをするようだがこれもティアのやったことを考えれば放ってはおけないと告げると・・・ヴァンも覚悟を決めたとばかりに目を閉じ、仕方無いと頷くばかりだった。自分がきっかけであるとは言えティアがやってしまったことには違いないし、最早庇いだてに異議申し立てなど出来るはず無いと諦めるように。
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