兄弟の分かたれた道の選択 後編
「・・・ガイ。貴方の生存を知った時、複雑以外の何物でもありませんでした。ヴァンからペール宛の手紙が出された事を確認して、こちらが姉上か貴方のどちらかでも生きているかを調べる為の人員を派遣し・・・貴方が生きていると知った上で、ヴァンからの手紙を受け取った後にファブレから離れることを選ばなかったということに」
「っ、俺の生存をそんな形で知っていたって、じゃあ何で兄上は俺にその人員を通して話をしてくれなかったんですか・・・?」
カイはその表情のままにガイの生存を知った時の落胆さを語るが、その中身に何故と訴えるような声をガイは向ける。
「・・・最初は貴方の観察に留めるようにして、どう見えるかの報告をしてほしいというように命令を下していたんです。素直に貴方が言うことを聞いてくれるならまだしも、言うことを聞かない場合の暴走を懸念して。そしてその結果として私は貴方に話をしない方がいいと判断しました」
「暴走、ですか・・・確かにその可能性は少なくはなかったでしょうね。むしろカイランド様やマルクトがガイラルディア様の生存を知ったのなら、却って復讐を為し遂げようという想いを抱いた可能性は一気に高まっていたと思われます。制止と帰還を命じられたならもう復讐を果たせないとなるため、いっそマルクトを巻き込む形で復讐を果たしてしまえばいいと考えるであったり、それこそファブレを滅ぼせと言われていたならガイラルディア様は大義名分が得られたと復讐に身を投じていたでしょうね」
「なっ・・・ど、どうして俺が復讐を果たす方を優先するという前提で二人は話しているんだ!?特にヴァン、何でお前はそんなことが言えるんだよ・・・!?」
「・・・ヴァンがどう答えるかの前に私から答えますが、貴方を観察するように頼んだチップがその結果として伝えてきた言葉から判断したこと・・・ガイラルディアは言ってみれば自分の意志で爆発出来ない爆弾のような存在だという例えの言葉からです」
「・・・え・・・?」
カイはその理由を伝えた場合の危険があったからと言うとヴァンも同調といったように漏らし、ガイが何故と意見が揃ったことに非難を叫ぶ中で例えで出た言葉に戸惑いを浮かばせた。どうしてそんな例えが出るのかと。
「・・・貴方を観察していたチップは貴方の様子から復讐を果たすかどうかを諦めきれていないというより、復讐を果たすためのきっかけの一押しを欲しているのだと見たそうです。さも復讐をするかどうかを考えていたように自身では思っているかもしれないが、それは言ってみればきっかけがなければ復讐を止めることもそれを果たすための判断も出来ないというどっち付かずのようなものだと。そして観察の結果としてファブレに諦めきれずに残っていることは復讐に関する気持ちが強くあるのは明白であると同時に、何かのきっかけ・・・言うならば爆発する為の理由が欲しいのだと見たというのだそうです。ヴァンが機が来たと言ってきたから復讐を実行しよう、マルクトが自身の生存を知ったのだから行動するべきだ、ファブレから酷い扱いを受けたのだからもう迷う必要はない・・・というような自分が行動という名の爆発をする大義名分の理由が」
「っ!」
「・・・ガイラルディア様。貴方はそのようなことはないと言いたいかもしれませんが、私もカイランド様の言われたような事になり得ると思ったからこそ貴方に復讐を早まらないようにと貴方と話をしていったのです。貴方に復讐を果たされれば私の目論見から大きくかけ離れる事態になると見たことからです」
「なっ・・・お前も、そんなことを思ってたのか・・・!?」
そんな二人はいかにガイが爆発するかについての危険性を考えていたのかに、特にヴァンがそうなることを避けて行動していたのか・・・それらを聞いてガイは唖然としたような顔をするしかなかった。自分がそんなことを思われ行動されていたという事実に。
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「っ、俺の生存をそんな形で知っていたって、じゃあ何で兄上は俺にその人員を通して話をしてくれなかったんですか・・・?」
カイはその表情のままにガイの生存を知った時の落胆さを語るが、その中身に何故と訴えるような声をガイは向ける。
「・・・最初は貴方の観察に留めるようにして、どう見えるかの報告をしてほしいというように命令を下していたんです。素直に貴方が言うことを聞いてくれるならまだしも、言うことを聞かない場合の暴走を懸念して。そしてその結果として私は貴方に話をしない方がいいと判断しました」
「暴走、ですか・・・確かにその可能性は少なくはなかったでしょうね。むしろカイランド様やマルクトがガイラルディア様の生存を知ったのなら、却って復讐を為し遂げようという想いを抱いた可能性は一気に高まっていたと思われます。制止と帰還を命じられたならもう復讐を果たせないとなるため、いっそマルクトを巻き込む形で復讐を果たしてしまえばいいと考えるであったり、それこそファブレを滅ぼせと言われていたならガイラルディア様は大義名分が得られたと復讐に身を投じていたでしょうね」
「なっ・・・ど、どうして俺が復讐を果たす方を優先するという前提で二人は話しているんだ!?特にヴァン、何でお前はそんなことが言えるんだよ・・・!?」
「・・・ヴァンがどう答えるかの前に私から答えますが、貴方を観察するように頼んだチップがその結果として伝えてきた言葉から判断したこと・・・ガイラルディアは言ってみれば自分の意志で爆発出来ない爆弾のような存在だという例えの言葉からです」
「・・・え・・・?」
カイはその理由を伝えた場合の危険があったからと言うとヴァンも同調といったように漏らし、ガイが何故と意見が揃ったことに非難を叫ぶ中で例えで出た言葉に戸惑いを浮かばせた。どうしてそんな例えが出るのかと。
「・・・貴方を観察していたチップは貴方の様子から復讐を果たすかどうかを諦めきれていないというより、復讐を果たすためのきっかけの一押しを欲しているのだと見たそうです。さも復讐をするかどうかを考えていたように自身では思っているかもしれないが、それは言ってみればきっかけがなければ復讐を止めることもそれを果たすための判断も出来ないというどっち付かずのようなものだと。そして観察の結果としてファブレに諦めきれずに残っていることは復讐に関する気持ちが強くあるのは明白であると同時に、何かのきっかけ・・・言うならば爆発する為の理由が欲しいのだと見たというのだそうです。ヴァンが機が来たと言ってきたから復讐を実行しよう、マルクトが自身の生存を知ったのだから行動するべきだ、ファブレから酷い扱いを受けたのだからもう迷う必要はない・・・というような自分が行動という名の爆発をする大義名分の理由が」
「っ!」
「・・・ガイラルディア様。貴方はそのようなことはないと言いたいかもしれませんが、私もカイランド様の言われたような事になり得ると思ったからこそ貴方に復讐を早まらないようにと貴方と話をしていったのです。貴方に復讐を果たされれば私の目論見から大きくかけ離れる事態になると見たことからです」
「なっ・・・お前も、そんなことを思ってたのか・・・!?」
そんな二人はいかにガイが爆発するかについての危険性を考えていたのかに、特にヴァンがそうなることを避けて行動していたのか・・・それらを聞いてガイは唖然としたような顔をするしかなかった。自分がそんなことを思われ行動されていたという事実に。
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