「・・・すみませんが、その辺りに関してはそこまでにしてください。私がこれから話したいのはヴァン・・・貴方のやってきたことやその目的についての証言を、バチカルに向かうのでしてもらいたいということです」
「っ・・・そのようなことを言うとは、貴殿方はダアトとの関係を壊そうと言うのですか？何せ私達がやってきたことの中には主にモースにとってもですが、ダアトとして知られたくない事も混ざっています。それを明らかにされればモースは黙っていないでしょう」
「無論承知の上です。しかしマルクトとしましては以前から極秘にダアトの調査をしてきた結果としまして、預言の達成の為に動く事を今後も止めないと言うのであれば・・・最悪、ダアトにローレライ教団との敵対も辞さないという覚悟の上で行動すると決めたのです。預言とは違う未来・・・それもオールドラントの存続は勿論の事として、マルクトを存続させる為にもキムラスカとの戦争といった事態になどさせないようにしようと」
「・・・だから私の手を借りようというのと共に、アッシュを生け捕りにしたというわけですか・・・あのレプリカだけでなく、アッシュも共にいればキムラスカに連れて帰れば私のやったことや動機に信憑性を持たせられると・・・」
「そうなります」
そんな兄妹の会話に横入りする形でカイは本題についてをヴァンと話していき、本気で行動するつもりでいるのかという確認を向けられるが迷いも躊躇も一切ないという真っ直ぐな答えを返す。
「・・・貴方からしたなら私は貴方の計画と協力者の両方を叩き潰した存在です。その上で貴方に協力を頼んだとしても、以降に貴方の身の自由はおろか命の保証など確約が出来るような状態になるとも言えません。ですがそれでも貴方には協力をしていただきたいのですが・・・証言役として協力をしていただけますか？」
「・・・嘘でも命の保証はするというように言えば、私が食い付くとは思わなかったのですか？」
「私を試しているのかもしれませんが、貴方のやろうとしていたことにやってきたことを考えれば以降に貴方を自由にするようなことは様々な面から見て望ましくないと見てです。それでも貴方がこちらに情けをかけることを条件につけてほしいと言うなら、牢獄での暮らしが精々という所でしょう・・・それでもよろしいというのであれば、そうするように出来るように尽力することは約束致しますが・・・」
「いえ・・・そのような条件は望みません。むしろ私の事を利用出来るだけ利用した上でそちらの目的を達成されて、全て済んだなら貴殿方の好きなように私を始末されてください」
「「「っ！？」」」
カイはその表情のまま証言役についてを願い出る中でヴァンがその中身に好条件を出さないことに疑問を向け、それが出来ない上でせめてと最低限頑張る事を口にするがそこでヴァンが覚悟が決まったと好きにするようにと言ったことに、他の三人が一気に信じられない物を見る目をヴァンに向けた。
「・・・最早私に取れる行動など、そう多くはない。ここでカイランド様の声に応えるか、そうでないかくらいの違いでしかない・・・そして私のやろうとしていたことは私の生涯をかけての目的であったのだが、それを達成出来ないというのであればせめて預言に詠まれた未来を避けるため・・・その上でカイランド様の役に立って死にたいと、そう思ったが故の答えだ」
「に、兄さん・・・」
「・・・というよりティアもそうだがガイラルディア様、貴殿方も他人事ではないということをお忘れですか？特にガイラルディア様に到ってはカイランド様がこの場に貴方を連れてきた意味を考えれば、決して安穏と出来ないのは分かるかと思いますが」
「っ・・・！」
そうして諦めを滲ませる笑みを浮かべ話すヴァンにティアが悲し気な様子を浮かばせるのだが、他人事ではないという言葉もだがガイラルディアと名指しをされたガイはハッとしてカイの方に視線を向けると・・・そこには憂いを帯びた表情を浮かばせるカイの顔があった。









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