兄弟の分かたれた道の選択 後編

「・・・というわけです」
「「「「っ・・・!」」」」
・・・そうしてヴァンの事についてを話終えたカイだが、それらの話の中身に一同は愕然とした表情を浮かばせるしかなかった。それもそうだろう・・・ヴァンの生い立ちに知ったことにどう行動していたのかもだが、その最終的な目的を知ってしまっては流石に軽い言葉が出てくるはずもなかった。
「・・・皆様がそのようになられるお気持ちはお察しします。ですが我々の調査により彼がそのように行動してきたこと及び、カイツールにて彼に尋問しましたところ全てを吐いていただきました。これらは嘘ではありません」
「っ、ちょっ、ちょっと待てよ・・・な、なんつーか話の流れ的にカイツールで何かあったっつーのは何となくは感じた・・・けど、だったらなんでここにアッシュをこんな形で連れてきてんだよ・・・こいつって六神将で周りに神託の盾もいたから、こいつだけ捕まえるとかって出来ねーんじゃねーのか・・・?」
そんな空気を見て自ら話を進めていくカイに動揺しつつも何とか考えを口にしたルークの声に、周囲の面々もハッとしたように表情を変える・・・今現在こうして拘束される形でアッシュは連れてこられた訳だが、神託の盾として活動している以上簡単にアッシュが捕らえられる筈がないだろうと。
「その件に関しては私から説明させていただきますが、今現在イオン様はアニスと共にこの場にはおられないでしょう?・・・実のところ我々は謡将についてだけではなく大詠師についても調べていましたが、その中で分かったから仕掛けたのです。今イオン様に付いているアニスは実は大詠師のスパイであり、我々の航路についてを報せていたことから・・・あのタルタロスを囮にして神託の盾を誘い込み、我々が離れた所を見計らってとある仕掛けを用いて彼らを一網打尽にしたわけです」
「はっ!?アニスがスパイ!?それに襲撃が分かってたってのかよ!?」
「「「っ・・・!」」」
だが変わりにとジェイドが口にして言ったまさかの事実にルークが驚愕に大きな声を上げるのだが、その中でインゴベルトと公爵が一斉にモースに視線を向けたまらずその当人は視線を反らした・・・明らかにその二人の視線の意味はモースがスパイをイオンに付けていたという事実に反応しての物であり、その視線を咄嗟に外した時点で今の言葉が嘘ではないと見るには十分な代物であった。
「それが嘘ではないことは彼がここにいることで分かるはずです。ただその事に関してを道中で伝えなかったことは謝罪は致しますが、今のこの場をセッティングするには彼らを捕まえたこと及び謡将とキスク大佐が会談する場を整えるというのを邪魔するわけにはいかないということから、何も言うわけにはいかなかったのです」
「っ・・・じゃあもしかして師匠達が俺達と離れたのって、お前達がアッシュ達を捕らえたってのを話すためだったってのか・・・!?」
「はい、そうなります。そうしてカイツールに謡将を留めおいて、後でアッシュを含めた面々を捕らえたキスク大佐に会っていただき・・・計画はもう実現不可能だと認識していただくようにしていただいた上で、こちらに連れてくるといった段取りになっていたのですよ。我々だけの証言では信じられぬと言われるのは目に見えていますから、謡将当人から計画に嘘はないという証言を引き出す為にです」
「・・・そして私はキスク大佐、いやカイランド様に従う形でこちらに来たという訳です」
「ヴァン・・・っ!」
それでルークに対してジェイドがどういった狙いに行動をしてきたのかの説明をしていき、そこにヴァンが自重気味な笑みを浮かべ結果がこれだと口にしたことにモースが苛立ちを盛大に表情に浮かばせた。











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