兄弟の分かたれた道の選択 前編

「私としてももしもの場合とは言え身内を殺すようなことはしたくはありませんし、暗殺のような手段は望ましくないとも思っています。ですが目には目をなどという言い方はしたくはありませんが、今ファブレにペールと共にいるどちらかがオールドラントの崩壊の引き金を引きかねないと言うのであれば・・・それを未然に防ぐために行動するのはやむなしと私は見ます」
「・・・他にも誰かを出して是非とも連れて帰るようにとは説得はしないのか?」
「ガルディオスがホドと共に滅びて十五年もの時が経ち、いつからファブレに入り込んでいるのかは分かりませんが・・・絶好の機を待つ傍らで、考え直すだけの時間もまた取れたはずです。しかしそれをしなかったということはファブレに絆されたという可能性も無いとは言えませんが、復讐を諦めきれてないという可能性の方が高いと思いますので・・・もしもの時は派遣することになったどちらかにどうなのかを見定めてもらい、暗殺を実行してもらおうかと思います」
「・・・分かった。お前がそこまで言うのならそうしてくれると助かる」
そうしてカイは想いは残しつつも最悪にならないために動くことは辞さない・・・そう迷いを見せずに口にしていき、ピオニーもその気持ちを受けて頷いて了承を返した。ここまでハッキリと強い意志を見せるカイに、これ以上をいいか良くないかで押し問答する意味もないというよう・・・


















・・・三者三様といったような様相を見せるガルディオスを取り巻く思惑の数々・・・それらが大きく動き出すのはこれより一年足らず先の事となる。ただ一方の者達にとっては望みもしていない上で、嫌でも理解せざるを得なくなる事が起きるのは・・・



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