兄弟の分かたれた道の選択 前編
「・・・ここを見てみろ・・・ヴァンがカイランド兄上の事を考えるなら、俺に復讐を止めるかどうかの考え時だと書いていた・・・」
「どれどれ・・・っ、確かに・・・」
そんな驚きの覚めやらぬガイが手紙のある部分を指差した部分をペールが見てみると、それが間違いではないということを息を呑んで確認した。
「・・・カイランド様がマルクト軍にて活躍した上でピオニー陛下が養子としたその思惑までは陛下に謁見出来なかったので分かりませんが、ガルディオスの生き残りがマルクト内でも受け入れられているのは紛れもない事実・・・ですがもし今の状況でファブレをガルディオスの生き残りが滅ぼしたとなれば、今マルクト軍で粉骨砕身されておられるカイランド様の立場が一気に悪くなるのは避けられないのは目に見えています・・・私としてもカイランド様が苦境に陥るような事態になるのは望むことではありませんので、復讐については一度考え直されて見てはいかがですか・・・もし止められるというなら、貴殿方を私の元で受け入れるように動くつもりでおります・・・と書かれていますな・・・」
「・・・なぁペール、ヴァンがここに書いたことに間違いはないと思うか・・・?」
「・・・それは・・・分かりました。正直にお答えしますが、もしそうした場合カイランド様の立場はほぼ確実に悪いものとなるでしょう。そしてそのほぼの中に含まれない状況に関しましても、現実的にまず相当な状況でなければならないのは想像がつきます」
「っ・・・そこまで、言うのか・・・」
その文章を読んでいくペールにガイは不安げに本当かと尋ねてくるが、覚悟を決めたと頷いて大げさではないというように返すと愕然としたような表情を浮かべた。
「・・・戦争中。それもマルクトがかなりの苦境に陥っている状況で、ファブレを含めてバチカルを火の海に変えてマルクトの勝利を導いた・・・という状況でしたら、マルクトも諸手を上げてガイラルディア様を迎え入れてくれるかもしれません。ですが現在は戦争という状況とまではいかず、にらみ合いというのが精々と言った状態でガルディオスの生き残りがファブレを滅ぼしたとなれば・・・ピオニー陛下の養子となられたカイランド様に呼応するようにガイラルディア様が行動をして、示し会わせた物だとキムラスカが騒ぎ立てるのは目に見えております。ですが本当に示し会わせたのならともかく、マルクトにカイランド様からすればそんな事を示し会わせてなどいないのにキムラスカでそんなことになったなどと言われたなら・・・疑いの目は間違いなくカイランド様に向かいます。有り体に言ってしまえば、お前が弟と共謀したのだろうという目がです」
「っ!!・・・もしそんなことになったとしたら・・・」
「カイランド様次第ではありますが良くてキムラスカとの戦争に最前線送りで功を立てなければ許されない状態となり、悪ければガイラルディア様の起こした責についてを死を以て購え・・・となる可能性は大いに有り得るかと思われます」
「なっ・・・あ、兄上がそんな・・・!?」
「・・・そういった可能性になり得ると考えたからこそヴァンはこう手紙に書き記したのだと思われます・・・」
そのままペールは自分達が復讐を為した場合にいかにカイがまずい立場になっていくのか・・・それらについてを話してそれらを聞いたガイは絶句といったような様子を浮かべるが、その姿にペールは力なく目を伏せながら話を続けていく。
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「どれどれ・・・っ、確かに・・・」
そんな驚きの覚めやらぬガイが手紙のある部分を指差した部分をペールが見てみると、それが間違いではないということを息を呑んで確認した。
「・・・カイランド様がマルクト軍にて活躍した上でピオニー陛下が養子としたその思惑までは陛下に謁見出来なかったので分かりませんが、ガルディオスの生き残りがマルクト内でも受け入れられているのは紛れもない事実・・・ですがもし今の状況でファブレをガルディオスの生き残りが滅ぼしたとなれば、今マルクト軍で粉骨砕身されておられるカイランド様の立場が一気に悪くなるのは避けられないのは目に見えています・・・私としてもカイランド様が苦境に陥るような事態になるのは望むことではありませんので、復讐については一度考え直されて見てはいかがですか・・・もし止められるというなら、貴殿方を私の元で受け入れるように動くつもりでおります・・・と書かれていますな・・・」
「・・・なぁペール、ヴァンがここに書いたことに間違いはないと思うか・・・?」
「・・・それは・・・分かりました。正直にお答えしますが、もしそうした場合カイランド様の立場はほぼ確実に悪いものとなるでしょう。そしてそのほぼの中に含まれない状況に関しましても、現実的にまず相当な状況でなければならないのは想像がつきます」
「っ・・・そこまで、言うのか・・・」
その文章を読んでいくペールにガイは不安げに本当かと尋ねてくるが、覚悟を決めたと頷いて大げさではないというように返すと愕然としたような表情を浮かべた。
「・・・戦争中。それもマルクトがかなりの苦境に陥っている状況で、ファブレを含めてバチカルを火の海に変えてマルクトの勝利を導いた・・・という状況でしたら、マルクトも諸手を上げてガイラルディア様を迎え入れてくれるかもしれません。ですが現在は戦争という状況とまではいかず、にらみ合いというのが精々と言った状態でガルディオスの生き残りがファブレを滅ぼしたとなれば・・・ピオニー陛下の養子となられたカイランド様に呼応するようにガイラルディア様が行動をして、示し会わせた物だとキムラスカが騒ぎ立てるのは目に見えております。ですが本当に示し会わせたのならともかく、マルクトにカイランド様からすればそんな事を示し会わせてなどいないのにキムラスカでそんなことになったなどと言われたなら・・・疑いの目は間違いなくカイランド様に向かいます。有り体に言ってしまえば、お前が弟と共謀したのだろうという目がです」
「っ!!・・・もしそんなことになったとしたら・・・」
「カイランド様次第ではありますが良くてキムラスカとの戦争に最前線送りで功を立てなければ許されない状態となり、悪ければガイラルディア様の起こした責についてを死を以て購え・・・となる可能性は大いに有り得るかと思われます」
「なっ・・・あ、兄上がそんな・・・!?」
「・・・そういった可能性になり得ると考えたからこそヴァンはこう手紙に書き記したのだと思われます・・・」
そのままペールは自分達が復讐を為した場合にいかにカイがまずい立場になっていくのか・・・それらについてを話してそれらを聞いたガイは絶句といったような様子を浮かべるが、その姿にペールは力なく目を伏せながら話を続けていく。
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