宗教の穴と行く先

「・・・ま、それもこれもコノハにシンクのおかげでこうしてローレライ教団やヴァン謡将達の実態を知れただけマシってもんだ。特に謡将に関しちゃ先に計画を知れて良かったし、お前らの協力も得られるし何より将来的に見ればローレライ教団と縁切りが出来る可能性を見出だせた事がな」
「その見返りは覚えてるかコレ?」
「勿論だ。マルクトへの亡命受け入れはちゃんとするし、そちらが自身らの後始末をちゃんとするんなら問題はないだろう。まぁそれもこれもヴァン達の企みを潰した上でローレライ教団との縁切りに決着を完全につけてからだがな」
「それは分かってるぞコレ。というか謡将達もそうだけどダアトや預言についてをどうにかしないと、オールドラント全体が滅ぶことになりかねないからな~」
しかしというよう空気と話題を変えるピオニーにコノハも乗って話を進めていき、互いに事を進めてからというように話は穏やかに進む・・・と言いはするが、中身自体は決して穏やかではないが。






・・・こうしてフランクなように会話をしている二人だが、こんな風な関係になるまでは色々とかかったものだ。やはり中身が中身なだけに簡単に互いに信じるよう、信じてもらうようにというのは難しかったが為にだ。

しかしそれでもコノハ達が提示していった証拠の数々にピオニーもだが、この場にはいないピオニーの腹心と見られているジェイドという人物も間違いないことだと認めたことにより、コノハ達の言うことと亡命についての受け入れはなされるという話になったのだ。

とは言えまだ表沙汰にしてはまずいというか、そもそもコノハ達が裏切っているということにその生まれの経緯や姿自体を聞かれるだけでもいけないことになる可能性が非常に高くなる・・・故にコノハ達の事を知っているのはマルクト上層部でも限られた一部の者だけであり、後々にローレライ教団にヴァン達と敵対することに関してもまだその面々にしか話はしていないのだ。

そしてそんな二人が動く時は即ちマルクトにとってよき時であり、ヴァン達の元から離れて教団や預言から離れる時なのである。世界を滅びから逸脱させ、自分達が安寧の時を過ごせるようにするという時にするために。






「その為にも動くつもりでいるが・・・ちなみに、今の導師の様子はどうなんだ?」
「まぁ元気にしてるぞコレ。と言ってもモースの監視の目があるから、あんまり本音らしい本音は口に出来ないからたまに自由になった時は結構愚痴ってるけどな」
「そりゃ監視の目がありゃいい気はしないだろうな。俺でもそりゃ嫌だが・・・今の導師がレプリカでその立場を捨てたがってるってのも当然と言えば当然だろうな。ただダアトはそうなればどうなるかだが・・・」
「知るかよコレ。そもそも被験者のイオンが死んだからレプリカ作って死んだの誤魔化そうなんて考えて、ヴァンのオッサンの企みにモースがまんまと乗ったのがそもそもの俺達が生まれた原因なんだ。だから死んだ人間を生きてるなんて誤魔化すなんてことは止めてもらって、ちょっとズレはしたけどちゃんと死んだって認識してもらうことにするようにって俺達・・・特にイオンは望んでることなんだコレ」
「ま、確かにな。死んでる者を生きてるように見せるのは策略としてあったとは聞いてはいるが、死んでる者の身代わりにされて勝手に生き方を強制されることなんぞ気持ちのいいことではないだろうからな。歪な事はただすべきではあるだろうし、こちらからしてもダアトの求心力が減るなら反対する意味はない」
そんな物騒な話から話題をイオンに変えるピオニーだが、コノハが自身らの身の上までもを交えて話すその中身に特に難色を示すことないばかりか同意を示した。ならいいというよう。









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