死の恐怖、再来

「ウォォォォォォ!!」
鎌を握るハセヲは残る敵の密集地帯に叫びながら突っ込む。
「・・・ちょっとハセヲ!あれほど鎌は使わないでってヒッ!!」
突っ込んできたハセヲには鎌が握られている、そのことに気付いたティアは急いで制止を呼び掛けたが、目の前を刃が掠めたことにより恐怖の悲鳴に途中から変わる。しかし、ハセヲは意味なくティアを脅すためにそのようなことをしたのではない。ちゃんと刃の先には何匹かのモンスターがいた。そのモンスターは確実に真っ二つになっていたが、そのことを気付かずティアは恐怖の表情を意図的にハセヲへの敵意の表情へと変えた。
「ちょっとハセ「もういい、お前ら下がれ。後は俺がやる」」
鎌首をもたげながら、ハセヲは死の恐怖と最も呼ばれていた頃のように殺気を纏い表情を変える。ティアはあまりの迫力に何も言えずに黙ってしまった。
「あなた一人で何が・・・」
戦いながらもそのハセヲの雰囲気を感じ取らず、ジェイドはハセヲを嘲ろうとする。するとジェイドに襲い掛かろうとしていたモンスターの姿が一気に三匹が一瞬でまた真っ二つになった。
「キルされたいならここにいてもいいぜ?」
完璧に口調まで1番荒れていた頃に戻っている。ハセヲを目の前にしたジェイドも、あまりの殺気に眼鏡を上げる素振りで顔を隠しながら何も言わずにただ後ろに後ずさった。
「テメェも邪魔だ、害」
これはハセヲの誤変換ではない、ただハセヲからすれば本当に邪魔なので害となっているだけだ。
「何を言ってる、俺達も戦った方が早く・・・」
「・・・後でテメェらには言いたいことが山ほどある。先に死なれたら言いたいことが言えなくなるから下がれ」
ハセヲの眼光に本気の殺気が灯る。



「それともついでに死ぬか?あぁ?」



・・・結局、後はハセヲ一人であっという間に片付いてしまった。その後、ハセヲから凄まじい説教を受けた三人はハセヲへの恐怖を確かに感じていた。

ハセヲは自らの反省を踏まえ、ルーク達の側から離れないと三人に言い渡した。だがそれもセントビナーまでだと思っていたハセヲがまた別の更なる愚行に悩まされるのはまた別の話・・・



END






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