足元の定まらぬ夢に意味はあるのか

「シンクがそんな風になるのは俺も十分に理解出来る・・・だから前から考えてた事だけど、謡将達もそうだけど預言に詠まれた結末ってヤツを俺達でどうにかした上でマルクトに亡命しないかコレ?」
「・・・いきなり何を・・・って普通なら言うところなのかもしれないけど、何て言うか僕もそうした方が良さそうな気がしたよ。どうせ預言に従ってもヴァンの元で活動しても、結末自体に大差は無さそうだ。それに今までの話でヴァンに付き従って動くなんて気にはもう完全にならなくなったからね・・・ただ亡命先がマルクト一択なのは簡単な話として、一番恩を売り込みやすいからかな?」
「まぁな。って訳だけど、どうするシンク?」
「心情的には大賛成さ。元々いたくてここにいるわけじゃないからね。ただ・・・僕らの兄弟達に関してはどうするの?」
そんな姿にコノハがヴァン達を裏切ると共に亡命をしようと持ち掛けると、シンクは賛成と言いつつも兄弟という部分で声を硬くする。
「勿論兄弟達は助けるつもりだぞコレ。ただあんまり早く謡将達を裏切ると色々と面倒になるから、表だって行動するのは準備期間も含めた上で謡将達が実際に行動を起こす時になるけどな」
「・・・そしてその中で兄弟達を全員助け出して、ヴァン達に預言をどうにかするってことか・・・いいよ、分かった。そういうことならあんたの案に乗るよ」
「シンクならそう言うと思ってたぞコレ!」
「っと・・・もうちょっと抑えなよ、全く・・・」
勿論その兄弟達も含めて抜かりはないと返す言葉にならとシンクは頷いて返すと、コノハは嬉しそうに振り返りながらシンクに抱きつきその体を揺らがせた。だが受け止めたシンクは言葉自体はともかく、柔らかな口調でコノハの背中に手を回した。嬉しげに口元を微笑ませる形で・・・



















・・・そしておおよそ二年程の時間が経った後、事態は動くことになる。予想外にまみれた形で、それでいて様々な意味で圧倒的な形で動くように・・・









END









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