足元の定まらぬ夢に意味はあるのか

「・・・まぁアリエッタの事が出てきたから次の問題についてを挙げるけど、そういったようなことから仲間割れが起こってろくに組織が機能しなくなる可能性が高いことだコレ」
「仲間割れか・・・まぁアリエッタは今言ったような理由からだろうけど、リグレットとラルゴはまだしもアッシュにディスト・・・特にディストは耐えきれないだろうね」
そんな空気から気を取り直すように次と切り出したコノハからの問題点に、シンクもまた納得したように口にして行く。コノハの言うようヴァンの統治は完璧ではないどころか、大きく賛否は分かれて分裂するだろうと。
「シンクの言うようにリグレットとラルゴは謡将に付き従うとは思う。けどディストはプラネットストームが止まってフォミクリーの研究もそうだし、自分の目的が達成出来なくなったって知ったらもう謡将に従う理由なんてないって離れる道を選ぶのはまず間違いないけど・・・ろくに譜業関係が動かない状態になったディストなんて怖くないってなるのは目に見えるんだコレ」
「そりゃね。あいつ自身に戦闘力なんてないし、そもそも計画が完遂したらディストはお払い箱の用済みにしかならないでしょ。ヴァンからしたらフォミクリー技術なんて自分の目的分使えるくらい発展させることが出来ればいいんだから、ディストが目的を達成するまで待つ理由もそうだけど・・・それで待って危険になるんならディストの事を見捨てるくらいは平気でするだろうね。もう諦めないなら殺すぞみたいに言う形でね」
二人はその中でまずはディストという人物についてを話すのだが、確実にディストの状態は当人にとって極めて悪い物になるであろうという推測が出てきた。
「・・・まぁディストに関してはそうなるだろうって予測は簡単に出来るけど、アッシュもまず謡将から離反するだろうなコレ。そしてそうなったら謡将率いる神託の盾は割れるのもそうだけど、その対峙で食料問題とかも併せてどっちにも致命的な展開になりかねないんだコレ」
「どっちにもって・・・」
「アッシュからすればその時はもう不退転の覚悟って言うか、好き勝手させて謡将に世界にキムラスカを滅ぼさせてしまったって気持ちから、どんな手を使ってでもあいつらを倒してやるって風な考えになると思う・・・ただアッシュは最初こそは手段にこだわりを持つだろうけど、謡将達と戦うだけの戦力が削られていったり謡将を倒すために手段を選んでいられないっていう状況になるだろうから、そんなアッシュが取る効果的でいてそんなに多くない攻撃手段は・・・食料の始末だコレ」
「食料、か・・・確かにアイツの立場から考えれば、それくらいしか人数の不利を覆せる手段はないだろうけど・・・そうしてしまうと元々からそんな作れてない食料が、それで更に減ってしまうってことか・・・」
「そう。でもそうするくらいしかアッシュは謡将達に対抗しようが無い以前に、勝ちようがない。謡将の剣の腕前との対比もそうだけど今の話も併せてもアッシュに味方をするのは精々事態を目の当たりにして後悔するだろう少数の兵に、ディストにアリエッタくらい・・・アリエッタの魔物である程度カバー出来ても、どうしようもないだろコレ」
「そりゃあね・・・そんな状態かそれより悪い状態だってなれば、食料狙いに行くくらいしか効果的な手段はないだろうし・・・そしてそんなことになれば、あまり数が少ない食料が無くなることからどっちが勝っても大ダメージになるってことか・・・」
「そういうことだコレ」
ただその次に出てきたアッシュが何をしでかし、どうなるのか・・・それらについてを話に聞いたシンクは確かに重大な問題になると重く受け止め、コノハは確かなことだと強調するように頷く。









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