復讐するは我のみあらず
「・・・まぁ確かに前の私ならこんな風にはなってはいなかったでしょう。ですがスカーが行動していなければ、私もここまでにはなっていなかったでしょうね」
「スカー?」
そんなジェイドに対し自嘲的でいて諦めたような力ない笑みをディストは浮かべるが、そこで出てきた人の名前とおぼわしきスカーとの単語にジェイドは眉を寄せる。
「名前を捨てたという彼の事を便宜上呼ぶための呼び名として、顔に大きな交差上の傷があるのでスカーと呼んでいますが・・・誰の事を言っているのかと貴殿方は思っているでしょう。ですのでお答えしますが、ずばりバチカルにダアトにユリアシティを破壊した犯人です」
「「「「っ!?」」」」
・・・だが次にディストからあっさり告げられたまさかの言葉に、今度は誰一人違わずに驚愕した。こんな時にディストに出会うだけでも珍しいのに、そんなディストから犯人を知っていると出てきたことに。
「そう聞いたからには貴殿方もスカーについて詳しく話を聞きたいでしょうからこちらからお話ししますが、元々スカーはヴァンと同じくホド出身の身で最初の頃は同じ夢を見る同士のような間柄でした」
「っ!?」
そんな一同にディストはどうせ話を聞きたいだろうからと話を始めるのだが、そこで出てきた更なるまさかの言葉に思いきりガイは息を呑んだ。
(・・・顔に大きな交差上の傷の男って、あの時見たあの人が・・・いや、それよりもホド出身でヴァンと同士のような間柄だっただって・・・!?)
・・・ガイの脳裏に浮かんだのは前にダアトから移動する際にチラリと見えた顔に大きな傷跡が見えた男なのだが、問題はその顔ではなくその人物がホド出身の人間だという事実だった。そしてヴァンと同士のような間柄だったということは即ち、自分とも遠くない目的・・・つまりはファブレへの復讐があったのだということもその脳裏に浮かぶ。だが・・・
(どうしてここまでの事を・・・あんな風に悲しみや恨みを生み出す必要はなかったんじゃないのか・・・!?)
・・・復讐が目的ならファブレだけを狙えばいいだろうし、こんな大多数の人々を巻き込み負の念を産み出す必要などない・・・そういった批難の気持ちもまたガイは抱いていた。自分ならファブレだけを狙った上で、こんな恨みなど買うことはしないしされないといった気持ちを・・・無意識に当然だといったように持ちながら。
「兄さんと同士って、どういうことよ!?それにもうその言い方だともうそうじゃないみたいな言い方にしか聞こえないわ!」
「ちょっと、落ち着いてください・・・一から説明すると長くなるので簡単に話をしますが、ホド出身でホドが滅びた後に預言に元々そうなると詠まれていたことを知った二人は、共に預言通りにならないようにするための世界にしようと誓ったそうです」
「なっ!?ホ、ホドの滅びは初めから預言に詠まれていたっていうのか!?」
ただそこでティアが聞き捨てならないとすぐに勢いよくまくしたてて来たためにディストは嘘ではないと話を続けるが、そこで出てきたホドの事実にたまらずガイは声を上げてしまった。まさかの事実に嘘だと信じたいとばかりに。
「隠されてはいますが、詠まれていましたよ。そしてそうなるようにと行動していたのが預言保守派であり、戦況が混乱に陥る中でホドが消滅するきっかけとなった拘束したヴァンを用いての疑似超震動の実験が起きたことにより、預言通りになったというわけです」
「「「「・・・っ!」」」」
だがあっさりとディストは嘘じゃないというようにどういうことからホドが消滅したのかの経緯を話すのだが、その中身にガイ以外も唖然とした様子を浮かべた。望んだことではないだろうとは言え、ホドの消滅がヴァンがきっかけであるという事実を前にして。
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「スカー?」
そんなジェイドに対し自嘲的でいて諦めたような力ない笑みをディストは浮かべるが、そこで出てきた人の名前とおぼわしきスカーとの単語にジェイドは眉を寄せる。
「名前を捨てたという彼の事を便宜上呼ぶための呼び名として、顔に大きな交差上の傷があるのでスカーと呼んでいますが・・・誰の事を言っているのかと貴殿方は思っているでしょう。ですのでお答えしますが、ずばりバチカルにダアトにユリアシティを破壊した犯人です」
「「「「っ!?」」」」
・・・だが次にディストからあっさり告げられたまさかの言葉に、今度は誰一人違わずに驚愕した。こんな時にディストに出会うだけでも珍しいのに、そんなディストから犯人を知っていると出てきたことに。
「そう聞いたからには貴殿方もスカーについて詳しく話を聞きたいでしょうからこちらからお話ししますが、元々スカーはヴァンと同じくホド出身の身で最初の頃は同じ夢を見る同士のような間柄でした」
「っ!?」
そんな一同にディストはどうせ話を聞きたいだろうからと話を始めるのだが、そこで出てきた更なるまさかの言葉に思いきりガイは息を呑んだ。
(・・・顔に大きな交差上の傷の男って、あの時見たあの人が・・・いや、それよりもホド出身でヴァンと同士のような間柄だっただって・・・!?)
・・・ガイの脳裏に浮かんだのは前にダアトから移動する際にチラリと見えた顔に大きな傷跡が見えた男なのだが、問題はその顔ではなくその人物がホド出身の人間だという事実だった。そしてヴァンと同士のような間柄だったということは即ち、自分とも遠くない目的・・・つまりはファブレへの復讐があったのだということもその脳裏に浮かぶ。だが・・・
(どうしてここまでの事を・・・あんな風に悲しみや恨みを生み出す必要はなかったんじゃないのか・・・!?)
・・・復讐が目的ならファブレだけを狙えばいいだろうし、こんな大多数の人々を巻き込み負の念を産み出す必要などない・・・そういった批難の気持ちもまたガイは抱いていた。自分ならファブレだけを狙った上で、こんな恨みなど買うことはしないしされないといった気持ちを・・・無意識に当然だといったように持ちながら。
「兄さんと同士って、どういうことよ!?それにもうその言い方だともうそうじゃないみたいな言い方にしか聞こえないわ!」
「ちょっと、落ち着いてください・・・一から説明すると長くなるので簡単に話をしますが、ホド出身でホドが滅びた後に預言に元々そうなると詠まれていたことを知った二人は、共に預言通りにならないようにするための世界にしようと誓ったそうです」
「なっ!?ホ、ホドの滅びは初めから預言に詠まれていたっていうのか!?」
ただそこでティアが聞き捨てならないとすぐに勢いよくまくしたてて来たためにディストは嘘ではないと話を続けるが、そこで出てきたホドの事実にたまらずガイは声を上げてしまった。まさかの事実に嘘だと信じたいとばかりに。
「隠されてはいますが、詠まれていましたよ。そしてそうなるようにと行動していたのが預言保守派であり、戦況が混乱に陥る中でホドが消滅するきっかけとなった拘束したヴァンを用いての疑似超震動の実験が起きたことにより、預言通りになったというわけです」
「「「「・・・っ!」」」」
だがあっさりとディストは嘘じゃないというようにどういうことからホドが消滅したのかの経緯を話すのだが、その中身にガイ以外も唖然とした様子を浮かべた。望んだことではないだろうとは言え、ホドの消滅がヴァンがきっかけであるという事実を前にして。
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