復讐するは我のみあらず
「・・・取り敢えずは事態の把握の為にも、今はダアトに先に向かいます。いいですね?」
「・・・はい・・・っ!」
そしてもうその話は終わりだといったように次の事を有無を言わさない口調で口にするジェイドに、ティアは頷いた後にうつむきながらも我慢するように拳を強く握りしめた。ユリアシティへの気持ちを抑えなければならないというよう。
(・・・ティアまでこんなことに・・・誰が一体、何のためにこんなことを・・・?)
・・・そんな二人のやり取りを傍らで見ていたガイはティアの様子に何とも言えない気持ちを抱きつつ、一連の流れを引き起こした者への疑念を抱いていた。誰がどうしてこんなことをしたのかもそうだが、とある疑念を・・・
・・・そうしてルーク達はダアトへと辿り着いたのだが、遠目に見えた景色だけからでもあれだけ立派だと言えた教会が見る影もなくボロボロに打ち崩されているのを見た時には唖然としたが、ダアトの居住区まで来た時にはそれこそまた唖然とするしかなかった。教会が破壊された影響を受け、居住区も少なくない被害が見受けられたことに。
ただそんな状況ではあったが、導師であるイオンが戻ってきたことに唯一生き残っていて場をまとめるように動いていた詠師のトリトハイムが気付き、周りにいた人々共々に喜び歓迎してきたのを受けながらもルーク達は話を聞くことにした。現時点でダアトはどうなっているのかと。
「・・・そう、ですか・・・神託の盾の本部も壊滅していて、もう兵士もここにいる者達以外いないというのですか・・・」
「はい・・・ですのでカンタビレを筆頭としてダアトから離れている兵を呼び戻すように動いてはいますが、謡将やその配下の兵達が神託の盾から離反したと聞いたのであまり多くの兵は呼び戻すことは出来ないかと・・・」
「待ってください・・・何故貴方が謡将達がもうダアトには戻らないと知っているのですか?今までそんな話など聞いていませんし、わざわざそのようなことなど謡将から報告をしてくるとも思えませんが・・・」
・・・そうして一通り話を聞き終えた所で沈痛な面持ちを浮かべるイオンに対策は一応取りはしているとトリトハイムは口にするが、その中身にジェイドはたまらず横から口を挟む。別にヴァンがそんなことを今わざわざ伝える理由などないと。
「・・・それは私がお伝えしたんですよ」
「っ・・・ディスト・・・!」
そんな時にトリトハイムの後ろから現れたディストの姿に、一同は一斉に身構えるが・・・
「おっと、私には貴殿方に敵対する理由はもうありません。ですので戦闘体勢を取るのは止めてください」
「え・・・?」
すぐさま慌てるどころか落ち着き払った様子で両手を上げて降参といったポーズを取るディストに、一人を除きルーク達は一斉に戸惑いを浮かべる。
「・・・敵対する理由はないと言いましたが、どういうことですか?」
「簡単なことです。私はヴァンの元から離反したんですよ。ですのでもう導師を拐う理由も貴殿方と敵対する理由も私にはありません」
「・・・今までが今までだから信用出来ない、と言いたいところですが・・・何があったんですか、ディスト?貴方の態度、あまりにも前と違いすぎますが・・・」
ただ一人戸惑わずにその真意を真剣に問うジェイドに淡々とディストは返すが、その態度について眉を寄せる。ジェイドの知るディストはこんな態度を取り、落ち着き払った人物ではないという気持ちから。
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「・・・はい・・・っ!」
そしてもうその話は終わりだといったように次の事を有無を言わさない口調で口にするジェイドに、ティアは頷いた後にうつむきながらも我慢するように拳を強く握りしめた。ユリアシティへの気持ちを抑えなければならないというよう。
(・・・ティアまでこんなことに・・・誰が一体、何のためにこんなことを・・・?)
・・・そんな二人のやり取りを傍らで見ていたガイはティアの様子に何とも言えない気持ちを抱きつつ、一連の流れを引き起こした者への疑念を抱いていた。誰がどうしてこんなことをしたのかもそうだが、とある疑念を・・・
・・・そうしてルーク達はダアトへと辿り着いたのだが、遠目に見えた景色だけからでもあれだけ立派だと言えた教会が見る影もなくボロボロに打ち崩されているのを見た時には唖然としたが、ダアトの居住区まで来た時にはそれこそまた唖然とするしかなかった。教会が破壊された影響を受け、居住区も少なくない被害が見受けられたことに。
ただそんな状況ではあったが、導師であるイオンが戻ってきたことに唯一生き残っていて場をまとめるように動いていた詠師のトリトハイムが気付き、周りにいた人々共々に喜び歓迎してきたのを受けながらもルーク達は話を聞くことにした。現時点でダアトはどうなっているのかと。
「・・・そう、ですか・・・神託の盾の本部も壊滅していて、もう兵士もここにいる者達以外いないというのですか・・・」
「はい・・・ですのでカンタビレを筆頭としてダアトから離れている兵を呼び戻すように動いてはいますが、謡将やその配下の兵達が神託の盾から離反したと聞いたのであまり多くの兵は呼び戻すことは出来ないかと・・・」
「待ってください・・・何故貴方が謡将達がもうダアトには戻らないと知っているのですか?今までそんな話など聞いていませんし、わざわざそのようなことなど謡将から報告をしてくるとも思えませんが・・・」
・・・そうして一通り話を聞き終えた所で沈痛な面持ちを浮かべるイオンに対策は一応取りはしているとトリトハイムは口にするが、その中身にジェイドはたまらず横から口を挟む。別にヴァンがそんなことを今わざわざ伝える理由などないと。
「・・・それは私がお伝えしたんですよ」
「っ・・・ディスト・・・!」
そんな時にトリトハイムの後ろから現れたディストの姿に、一同は一斉に身構えるが・・・
「おっと、私には貴殿方に敵対する理由はもうありません。ですので戦闘体勢を取るのは止めてください」
「え・・・?」
すぐさま慌てるどころか落ち着き払った様子で両手を上げて降参といったポーズを取るディストに、一人を除きルーク達は一斉に戸惑いを浮かべる。
「・・・敵対する理由はないと言いましたが、どういうことですか?」
「簡単なことです。私はヴァンの元から離反したんですよ。ですのでもう導師を拐う理由も貴殿方と敵対する理由も私にはありません」
「・・・今までが今までだから信用出来ない、と言いたいところですが・・・何があったんですか、ディスト?貴方の態度、あまりにも前と違いすぎますが・・・」
ただ一人戸惑わずにその真意を真剣に問うジェイドに淡々とディストは返すが、その態度について眉を寄せる。ジェイドの知るディストはこんな態度を取り、落ち着き払った人物ではないという気持ちから。
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