復讐するは我のみあらず

・・・そんな風にガイが盛大にファブレへの復讐を完遂させることへ二の足どころではなく踏むような気持ちになりながら移動した。その際にケセドニアで船を乗り換えるのだが、ルーク達に明らかに心配された・・・だがろくにうまく返すことが出来ず、乗り換えた船でもまた一人で乗った。

そんなガイとルーク達を乗せた船はダアトに着いた。






「・・・ではまずユリアシティに顔を出しましょう」
「えっ?ユリアシティって・・・?」
「あぁ、貴方は一人でいたから我々の話を聞いていませんでしたね・・・ダアトの状態の事をユリアシティの人々が知っているなら事態の収拾の為に動いているかだとか、何か対策を取っているかを聞きに行こうとなったのですよ」
「・・・そういうことか・・・」
船から降り早速の目的地を口にするジェイドにどういうことかと聞くガイだが、返ってきた返答に力なくも納得する。ユリアシティの住民が今のダアトの現状にどうもしないはずがないと見越したことに。






・・・そういったことから港に程近いユリアシティへと繋がるアラミス湧水洞にルーク達は向かい、最奥の部分まで来た・・・が・・・
「・・・え・・・!?」
「ユリアシティに繋がる譜陣が・・・」
・・・そこにあったのはユリアシティへと飛ぶ為の譜陣が、見る影もなく完全に破壊され岩の下敷きになっている光景だった。
その様子にユリアシティ出身のティアが絶句し、ルークがその状況に唖然とする中でジェイドは眼鏡の縁に手を当てる。
「・・・どうやらバチカルにダアトを破壊した犯人は、ユリアシティの存在を知っていた上でその動きを封じようと動いたようですね」
「動きを封じにって、ユリアシティの存在はまず普通の人は知らないはずじゃ・・・」
「えぇ。ですから一連の流れを引き起こした犯人は少なくともユリアシティの存在を知れる位置にいて、かつ厄介と思うような方でしょう。ただそこで謡将達と仲間ではないというような推測から考えると、どういった人物かまでは分かりませんが・・・」
「そんなことはどうでもいいです!ユリアシティは・・・お爺様達はどうなってるかは分からないんですか、大佐!?」
至って冷静に状況を把握しようと務めるジェイドだが、ルークと話す中でティアが鬼気迫る様子でユリアシティのことを口にして来た・・・その問い掛けに半ばティア自身、何か良からぬことを感じているといったように。
「・・・良くてここの譜陣が壊されて外殻大地との行き来が出来なくなったくらいで向こうも困っているといったくらいでしょうが、最悪の結果を考えるなら・・・ユリアシティはバチカルやダアト同様破壊されていて、住民は生存しているとは思えません」
「っ!」
「一応今の考えは絶対とは言いません・・・ですが少なくともこうして譜陣が壊されている以上、食糧をどうにか早い内に供給出来るように出来なかったらユリアシティの方々はいずれ良くない事態になるのは確かでしょう」
「生きているかどうかを確認する手段はないんですか!?」
「譜陣がこうなってしまったことに加え、アクゼリュス跡の穴から飛び込むような真似は自殺行為です。そしてもう一度セフィロトを活性化させて外殻大地上に戻るといったことが性質的に出来なくなった以上、タルタロスがあってもユリアシティに片道で行くだけしか出来ないと分かっている状態ではとても生存の可能性があるといっても派遣する気にはなりませんね」
「ですが、ユリアシティは・・・!」
「貴女の故郷だからとか、ダアトや預言の為に必要・・・そういった言葉で送り出したいのでしょうが、それでその送り出した人が死んだとしたなら貴女はどう責任が取れるというのですか?」
「っ・・・!」
ジェイドは感情的にはならずに考えられる可能性を挙げるが、ティアはその中身に信じたくないというように声を荒らげ対策を取るように言うが、冷ややかに返された返答とその中身に反論を返せずに苦い顔を浮かべた・・・流石にいくらなんでも死ぬことを覚悟でユリアシティに行くのは当然だ等と言えないという考えに至り。









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