復讐するは我のみあらず

・・・レプリカ。それはフォミクリー技術という技術を用いて人でも物でも、対象となる被験者よりその情報を抜き取り、その情報を元に被験者そっくりの物を造り出したモノの総称である。

このレプリカにはとある特徴が一つある。それは星の未来を視た先詠みの中にその存在を確認されない・・・本来星にとって有り得ないイレギュラーの存在と、造り出された瞬間からなるというものである。

そんな星にとってのイレギュラーであるレプリカであるが、本来星の未来とはまず一生命程度ではひっくり返すどころか微々たる形で揺るがすことも出来ないほど星にとっては些細なイレギュラーなのだ。

しかしそんなレプリカが滅び行く筈だった星の未来の命運を奇跡的に変えていく物語があるが、そこに更なるイレギュラーのレプリカが入り込んだことにより物語は大きく変貌することになる・・・顔に大きな交差状の傷がついた、レプリカにより・・・



















「・・・今頃ヴァンはアクゼリュスか・・・」
・・・キムラスカのバチカルの上層部にあるバチカルの城を柱の物陰から、フード付きマントのフードを被り黒いサングラスをかけた男が浅黒い肌のゴツい手で何やら陣が書き込まれたライターを手に持ちながら一人呟いていた。そしてそのライターを突如手の内に握りこむ形で掴み、憤怒に満ちた表情を浮かばせる。
「貴様の目論見通りにはさせんぞ、ヴァン・・・そしてキムラスカに預言保守派ども・・・!」
そして手を開きライターを開け、呪詛とも取れる怒りの火を灯した言葉を口にしながら火種を起こす部分であるフリント・ホイールを勢いよく回した。次の瞬間に何が起きるかに、どれだけのことを起こすかを理解しながら・・・


















・・・謎の男がバチカルにて行動を起こした時と前後して、アクゼリュスという街が周辺の大地と共に崩れ落ちた。だがそのニュースは本来であればキムラスカの次期王位継承権を持つルークが死んだと見られたこととマルクトがアクゼリュスの救援を持ちかけてきたことから、マルクトの策略であるとキムラスカが憤り両国の戦争が始まる・・・という流れに本来はなったのだが、最早そんな流れとは大きくかけ離れた状態になってしまっていた・・・






「・・・何だ?やけに街の活気がないが・・・」
「今はそんなことに気をかけるな。早く研究所に向かうぞ」
・・・キムラスカの領土の街の一つであるベルケンドという街にて、辛くもアクゼリュスから生き残ることが出来たルークに付いていった一行の面々の一部達。
そんな面々は街の中に漂う空気が決して明るくないことに気付き一行の中の一人のガイがどうなのかと口にするが、途中で一行に加わったアッシュがどうでもいと先に進むことを口にしたことで街中にいる者達に話を聞くことなく先に進む・・・その急いだ行動がとある情報を聞くことになる時間がかなり遅くなるということなど、この時は気付かないまま・・・



















・・・それからまた時は進み、アッシュが一行から離れて離れていたルークがダアトという地にティア達と決して良くない空気の中で向かったのだが、そこで一同が出会ったのは先にダアトに入っていたアニスという少女だったのだが・・・その顔は焦りに満ちていた。









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