兄と姉への想いと興味のない信仰

「しかしいいのか?後で一応は助けるつもりではあるとは言え、姉に事実を言わないで?」
「作戦を乱すつもりはありませんし、事実を言ったところで姉さんは現実を目の前にしなければどうにもなりません。そして姉さんには兄さんにモースの事実を目の当たりにしてもらった上で話をします。そこで姉さんがどういう反応を示すかになりますが・・・姉さんにはそこで挫折してもらいたいというのが私の本音です」
「挫折・・・立ち上がることは望んでいないということか」
「姉さんが頑なに秘密を明かさずに一人で行動してきたことから分かるよう、例え気持ちを奮い立たせても師団長の指示に全て従い独断の行動を起こさないなどという保証はありません。むしろ自分が今度こそ自分がちゃんと兄さんを止めると躍起になると思われます」
「・・・もう疑う余地のない黒だから、そうすることに迷う必要がないからか・・・」
「そうなりゃ余計な時に顔を出すばかりか、自分がやるから手を出すななんて我が物顔で言い出しかねねぇな。俺達の事なんざガン無視で」
「そうなるでしょう」
ただここで事実は言わないのかと問いかけるクラークに今言っても無駄であり、後で知ってもろくな結果を産まないだろうと言うレオナにラルフもその行動にしかめっ面を浮かべる。いかにも自分がやらなければいけないとヒロインぶった態度を見せながら、自分勝手に場をかき乱すだろう光景に。
「・・・そこまで妹から悪い面で理解されてると、どういった感情を向けていいものか分かりませんね」
「あぁ・・・つーかお前姉ちゃんの事は好きなのか?そしてついでに聞きゃ、向こうはお前の事は好きなのか?」
「・・・私も姉さんも、互いに嫌いではないと言う気持ちは共通してると思います。けれど姉さんの私に対する気持ちはどうあれ、姉さんが兵士として向いていないと言う考えはもう固まっています。ですから出来ることならもう姉さんには生き残ることが出来ても、軍部には身を置いてほしくはないと思っています」
「軍に身を置かないでほしい、ねぇ・・・ま、間違っちゃいねぇな。あんだけの事をやりゃ普通に兵士として失格と言ってもおかしかねぇしよ」
「後は姉さんがどう思っているかだけですが・・・」
クラークはその姉への良くも悪くもの理解にラルフへ声をかけ、そのラルフが話題を姉への好意についてに変えると嫌いではないと言いつつ兵を辞めて欲しいと少しだけ切に願うような声を漏らす。妹として姉に情を向けるように。









「・・・明日、私はルークと共にアクゼリュス行きを命じられる・・・そしてアクゼリュスで第七譜石を見付けることさえ出来れば、私は不名誉な見方をされることは避けられるし兄さんも私の事を誉めてくれて間違いだったって言ってくれるはず・・・見てなさい、レオナ・・・私が間違ってないと言うことを・・・!」
・・・レオナが姉に対する想いを向けている一方、ティアは自分のいる部屋の中で強い決意を抱いていた。自分が正しい、間違っていないと言うことを証明する為に動くと。
・・・一応ティアがレオナの事を嫌っていないと言うのは間違ってはいない。ただ今のティアは躍起になっていた・・・何も言わないでいることはともかくとしても自分のやっていることは間違いではない、それをレオナを始めとして証明することが最優先だという考えを持って。


















・・・その翌日、姉妹は動くことになる。世界を揺るがす事態に向かう形で。そして知ることとなる・・・一人は残酷な事実に向かい合わねばならないと言うことを・・・



END









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