復讐を果たした先の末路

「・・・まぁ驚く気持ちは分かる。だがこちらも色々驚いたし、何より迷惑もかけられた・・・こうして戦争にまで発展したんだからな」
「だったら何故ガイが勝手にやったことで、自分達は関係無いと言わなかったのですか!?」
「言ったところでそんなこと信じられるかで一蹴されるのがオチな上、そっちが出した結論は反マルクト派の勢いもあったんだろうが即刻開戦だっただろう。そんな状況じゃ例えこいつの身を差し出したって止まりはしなかっただろう・・・否定出来るか?その時にマルクトの言葉を信じて自分達は戦争をすることなく止まったと」
「「「「・・・っ」」」」
それで宝刀ガルディオスを戻しつつ話を進める政宗が戦争に踏み切らなかった可能性があったかを聞くと、ナタリアだけでなくインゴベルト達も揃って口をつぐむ。マルクト側から何を言われても決して自分達は止まりはしなかっただろうという考えに至り。
「・・・ま、そこについちゃ今更だ。こうして俺らがここまで来た以上、戦争についちゃマルクトの勝ちって結果に変わりはねぇ。それで本来なら勝者であるマルクトがキムラスカを丸々領地にするってのが流れになるかもしれねぇが・・・ここで一つ選択肢を提示する。これは俺個人から提示するもんじゃなく、ピオニー陛下からの選択肢だからよく考えてからどちらか選べ」
「・・・選択肢・・・?」
そう言った後に話を切り替え勝者としての立場から選択肢をやると口にする政宗にインゴベルトは眉を寄せる。何故敗者にそういった権利があるのかと。
「まず一つは二つ目の選択をせずにkingにprincessにgeneral達が全員首をはねられて丸々マルクトの領地になるって結末だ。だがこいつは俺らからして望むもんじゃねぇ。だから二つ目の選択肢がどうしても受け入れられるもんじゃねぇって思った時に選択しろ」
「・・・では、二つ目とはなんだ?その言い方なら、我々の命は取らんということか?」
「まぁな。ただそれでもまたあんたらに戦争を仕掛けられる可能性の事を考えて、ナタリア殿下はしばらく人質って形でマルクトでその身柄を預からせてもらう。まぁ十年以上とは言わないにしても、数年単位はマルクトに居てもらうことになるがな」
「・・・くっ・・・」
「お父様、私は平気です・・・ここで皆が殺されてしまうより、私が人質になってそのような事態になることが避けられるというのであれば私は耐えますわ・・・」
「ナタリア・・・」
それで選択肢についてを口にしつつ二つ目の選択肢の条件に人質にナタリアがなることが必要と言えば、インゴベルトはナタリアと会話をして親子としての感動に満ちた空気を滲ませる。悲劇に耐える娘の事を案じる父としての顔を見せ。
「・・・話を続けさせてもらうが、二つ目の選択肢ってヤツが何かって言えば・・・」



「こいつがファブレを滅ぼし、戦争になるきっかけになった事からこいつを共同で処刑してこの戦争は終わりにし遺恨はもう水に流す・・・ってscenarioに協力することだ」



「!?」
・・・その空気にあえて話を続ける政宗だが、二つ目の選択肢の中身にガイが最大限に目を見開き政宗へと視線を向けた。何故そこで自分を処刑するという中身になるのかと。









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