復讐を果たした先の末路

・・・そしてそんなダアトは流石にもう戦争にどんな形でも介入出来ないと感じた佐助達は極秘に承った任務を片付けた事もあってピオニー達に報告の手紙を出すと、ジェイド達に合流した上でその指揮下に入り行動するようにと帰ってきた。

その為、ダアトからパダン平原へと向かい佐助達はジェイド達と合流したのだが・・・そこからマルクト側の攻勢が始まった。



それまでは守勢だったマルクトが一転して攻勢に転じるのだが、真っ向からの戦いだけではなく佐助達の影の行動でキムラスカ側の物資の爆破であったり、どう動くかの方針を探ったりして情報を流してきたことで、キムラスカを思うがままに翻弄していった。マルクト側の被害を極力抑えて、キムラスカ側に多大な被害を負わせる形でだ。

そして戦線を次第に押し上げていったマルクトはカイツールのキムラスカ側の領地からキムラスカ兵達を全撤退させるまでに至り、その勢いのままにキムラスカの領地へと攻めいった(ただベルケンドにシェリダンはキムラスカの首都であるバチカルから遠く離れていて兵力も然程無い事から、マルクト側もキムラスカ側も特に戦場とすることはなかった)。

その際には直接バチカルに向かう航路を取り、ケセドニアから南下して陸路を用いてバチカルに向かう二面作戦が敢行されて陸戦と海戦が行われたが、そのどちらでもマルクト側は大勝を納めてバチカルへと進軍し・・・マルクトの陸軍に海軍がバチカルを取り囲む形となった。









「・・・よう、どうだ調子は?」
「来られたのですね、政宗様」
「あぁ、こいつを連れてな」
「・・・こ、小十郎・・・」
「・・・成程、仕上げの時が近いからですか」
・・・バチカルが一望出来る平野部のマルクトの野営地。
そこに兵を伴い姿を現した政宗に対応する小十郎だが、政宗が指を指した先にいた兵に囲まれているガイの姿に厳めしく目を細める。
「そちらがガルディオスの遺児ですか・・・報告書によれば従者のペールという人物も共に捕らえたとお聞きしましたが、そちらはお連れしていないのですか?」
「グランコクマにいる。連れてきてもいいかとは思ったが、万が一って可能性もあるんでな。それを無くすためにも連れてこないようにするってなったんだよ」
「成程・・・もしもの事を考えてと言うわけですか・・・」
それで小十郎の隣にいたジェイドがペールの事についてを問うと、意味深な答えを返す政宗に納得する。
「お、おい・・・一体何の話をしてるんだよ・・・何で俺はここまで連れてこられたんだよ・・・!?」
ただガイ当人は何故こんな事になっているのかを理解出来てないと不安に声を上げるが、その姿に政宗達三人は揃って疲れたように頭に手を当てる。
「・・・その理由についちゃ近い内に分かる。嫌でもな。それまではここで待機してもらうが、逃げ出したりしたなら・・・足の一本や二本は覚悟してもらうぜ・・・!」
「・・・っ!」
それでも一応は政宗は答えるのだが、逃げることは許さないと力を込めて釘を刺すと明らかに迫力に負けたように息を呑んで身をすくませた。逃げることなんか考えることなど出来るはずがないと言ったように・・・









・・・それから数日後、これが最後といったようにマルクト側はバチカルへと攻めいった。

その際には流石にキムラスカ側も攻め落とされれば最後になるという状況と元々から守りやすい地形であった為、必死に抵抗を続けてきたのだが・・・それでも今のマルクトの勢いを止めることは難しく、またとある情報からバチカルに内密に入れる入口があることを知った為にキムラスカ軍は必死の抵抗も虚しく街を制圧されていって城の中まで辿り着かれ、最後には王であったインゴベルトにナタリア王女を始めとした重臣一同を捕縛される事態となり・・・戦争はマルクトの勝利という結末になった。









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