復讐を果たした先の末路
「・・・まぁ言いてぇ事はあっても、今はそれをあいつにぶつける事よっかやることがある。まずはその為にもキムラスカとオマケのダアトを撃退するのが先だ」
「そうだな。ただその為には預言の事もあるから、こちらも手段を選んでいられない・・・色々と不本意な事をやったりやらせたりすることになるだろうが、頼むぞ政宗」
「あぁ・・・こっちも滅ぼされる訳にはいかねぇから、手段を選ぶ気は俺にもねぇしあいつらにもねぇよ・・・!」
しかしガイへの気持ちは後回しとキムラスカにダアトへの気持ちを強く向ける政宗にピオニーも同意し、決意を灯した表情を浮かべる。どんなことをしてでも勝つと・・・
・・・それから少し経ち、キムラスカとマルクトで開戦という流れになり戦争は始まった・・・のだが、一月もする頃にはどちらが優勢かというのはハッキリ分かる程に差がついていた。それでどちらが優勢かと言えば、マルクトである。
何故かと言えば基本的にマルクト側からキムラスカ側に攻撃を仕掛けることなどなく、基本的に守勢の体勢を取っていたと言うのが大きな理由である。守りの戦は基本的に攻めるよりもやりやすい戦い方であり、迎え撃つという体勢は動きが少ない分兵の消耗も少なくて済む。
更に言うなら砦にこもるような戦いと違い、平原という遮蔽物のない場所での戦いになるものだから真正面から戦う以外にキムラスカは選択肢はないが、それでマルクトを切り崩せないからといって攻めないというわけにもいかない。何故ならこの戦争はファブレの弔い合戦という名目で行われていて、マルクトを滅ぼすまで終われないとキムラスカ側は意気込んで臨んでいるのだ。
ここでマルクトの守りを切り崩せないから戦うのを止めるとなれば不平不満は今戦っている兵士達からもそうだが、身分関係無くキムラスカの勝利を願っている人々からも噴出する事になる・・・そういった事態を避けるためにもキムラスカ側は戦うしかないのだが、ジェイドの指揮に小十郎や幸村を始めしたマルクト側の奮闘により明らかにキムラスカ側はマルクト側よりも多大な被害を受けていた。
・・・ただマルクトがそこまで被害を受けていない大きな理由はまた別にある。それはダアトから神託の盾という援軍が一兵たりとて送られてない事からだ。
本来なら仲介だとかの名目で戦場に来てキムラスカに味方をするはずだった神託の盾は既に海の中に消えていっているというのもあるが、その神託の盾は最低限ダアトに残さなければならない兵力を除いた分のダアトの全兵力であった。この戦争は様々な観点から見て今後に大きく左右する重要な戦争だから、この戦争の結果を良いものへと導くために全兵力を動員しようという考えから派遣される形だったからだ。
ただそんな目論みはピオニーからの命を受けた佐助達の行動により、全兵力を海に沈められるという形で潰されることになった。故に今ダアトにはそれこそ最低限魔物に対する自衛の為の兵力しかなく、とても戦争に出せるようなまとまった兵の数などいない状況である。
・・・ただそれでも一部のダアトの人間達は、裏であらゆる手段を持ってしてでも僻地などに送って散らばらせた兵を送り込むか、兵を用いずともマルクトを苦境に陥らせるための策を練ろうとしていた。
しかしその動きを影から察した佐助達は一応ピオニーからの許可を得た上で、そう考えていた筆頭であるモースを始めとしたユリアシティという場の者達も含めて一夜の内に全て暗殺して回った。例え後でどう言われようがその人物達を放っておけば、ダアト側の手段を選ばないやり口に大打撃を受けるのはマルクトになるという懸念があったためにピオニーが許可を出す形でだ。
そしてそんなことが起きたダアトは最早キムラスカとマルクトに構っていられるような状況ではなくなってしまっていた。死んだのは揃ってキムラスカに協力してマルクトを攻めようといった事を提言していた面々ばかりで、マルクトの仕業だと見たとしても現在のダアトに残っているのは基本的に穏健派の者ばかりで戦争に参加したいなどとは考えてない人物ばかり。その上現在のダアトは人手不足でしかない・・・この状況ではダアトが人を外に送り出せる筈もなく、今もダアト内の安寧に四苦八苦している状況である。
・・・余談だが、一応僻地に向かわされた兵士達について呼び戻す案は人手不足をどうにかするためにそのまま実行される事になった。ただその兵士達はモースから預言保守派ではなく言うことを聞かないと厄介者扱いされてきたカンタビレを代表とした兵士達の為、ダアトの自衛の為にしか使えないだろうと覚悟しての事である。もうこの際贅沢は言えないが、仕方無いという考えの元の。
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「そうだな。ただその為には預言の事もあるから、こちらも手段を選んでいられない・・・色々と不本意な事をやったりやらせたりすることになるだろうが、頼むぞ政宗」
「あぁ・・・こっちも滅ぼされる訳にはいかねぇから、手段を選ぶ気は俺にもねぇしあいつらにもねぇよ・・・!」
しかしガイへの気持ちは後回しとキムラスカにダアトへの気持ちを強く向ける政宗にピオニーも同意し、決意を灯した表情を浮かべる。どんなことをしてでも勝つと・・・
・・・それから少し経ち、キムラスカとマルクトで開戦という流れになり戦争は始まった・・・のだが、一月もする頃にはどちらが優勢かというのはハッキリ分かる程に差がついていた。それでどちらが優勢かと言えば、マルクトである。
何故かと言えば基本的にマルクト側からキムラスカ側に攻撃を仕掛けることなどなく、基本的に守勢の体勢を取っていたと言うのが大きな理由である。守りの戦は基本的に攻めるよりもやりやすい戦い方であり、迎え撃つという体勢は動きが少ない分兵の消耗も少なくて済む。
更に言うなら砦にこもるような戦いと違い、平原という遮蔽物のない場所での戦いになるものだから真正面から戦う以外にキムラスカは選択肢はないが、それでマルクトを切り崩せないからといって攻めないというわけにもいかない。何故ならこの戦争はファブレの弔い合戦という名目で行われていて、マルクトを滅ぼすまで終われないとキムラスカ側は意気込んで臨んでいるのだ。
ここでマルクトの守りを切り崩せないから戦うのを止めるとなれば不平不満は今戦っている兵士達からもそうだが、身分関係無くキムラスカの勝利を願っている人々からも噴出する事になる・・・そういった事態を避けるためにもキムラスカ側は戦うしかないのだが、ジェイドの指揮に小十郎や幸村を始めしたマルクト側の奮闘により明らかにキムラスカ側はマルクト側よりも多大な被害を受けていた。
・・・ただマルクトがそこまで被害を受けていない大きな理由はまた別にある。それはダアトから神託の盾という援軍が一兵たりとて送られてない事からだ。
本来なら仲介だとかの名目で戦場に来てキムラスカに味方をするはずだった神託の盾は既に海の中に消えていっているというのもあるが、その神託の盾は最低限ダアトに残さなければならない兵力を除いた分のダアトの全兵力であった。この戦争は様々な観点から見て今後に大きく左右する重要な戦争だから、この戦争の結果を良いものへと導くために全兵力を動員しようという考えから派遣される形だったからだ。
ただそんな目論みはピオニーからの命を受けた佐助達の行動により、全兵力を海に沈められるという形で潰されることになった。故に今ダアトにはそれこそ最低限魔物に対する自衛の為の兵力しかなく、とても戦争に出せるようなまとまった兵の数などいない状況である。
・・・ただそれでも一部のダアトの人間達は、裏であらゆる手段を持ってしてでも僻地などに送って散らばらせた兵を送り込むか、兵を用いずともマルクトを苦境に陥らせるための策を練ろうとしていた。
しかしその動きを影から察した佐助達は一応ピオニーからの許可を得た上で、そう考えていた筆頭であるモースを始めとしたユリアシティという場の者達も含めて一夜の内に全て暗殺して回った。例え後でどう言われようがその人物達を放っておけば、ダアト側の手段を選ばないやり口に大打撃を受けるのはマルクトになるという懸念があったためにピオニーが許可を出す形でだ。
そしてそんなことが起きたダアトは最早キムラスカとマルクトに構っていられるような状況ではなくなってしまっていた。死んだのは揃ってキムラスカに協力してマルクトを攻めようといった事を提言していた面々ばかりで、マルクトの仕業だと見たとしても現在のダアトに残っているのは基本的に穏健派の者ばかりで戦争に参加したいなどとは考えてない人物ばかり。その上現在のダアトは人手不足でしかない・・・この状況ではダアトが人を外に送り出せる筈もなく、今もダアト内の安寧に四苦八苦している状況である。
・・・余談だが、一応僻地に向かわされた兵士達について呼び戻す案は人手不足をどうにかするためにそのまま実行される事になった。ただその兵士達はモースから預言保守派ではなく言うことを聞かないと厄介者扱いされてきたカンタビレを代表とした兵士達の為、ダアトの自衛の為にしか使えないだろうと覚悟しての事である。もうこの際贅沢は言えないが、仕方無いという考えの元の。
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