復讐を果たした先の末路

「・・・まぁヴァンのことについてはもうこれくらいにするが、これから話すのは・・・お前の処遇についてだ」
「「っ・・・!」」
そしてヴァンについてを切り上げ処遇と告げるピオニーに、ガイとペールは身をすくませる。何が言い渡されるのかという緊張で。
「まぁキムラスカから手紙を送られてきた当初は、マルクト内でお前をどう迎え入れるかで大分揉めていた。一方はこんな戦争のきっかけになった奴をマルクトに迎え入れられるかで、もう一方はファブレを滅ぼしたのだから盛大に歓迎してキムラスカを共に滅ぼしてもらいましょう・・・そういった意見の対立が出る形でだ」
「・・・それは・・・」
「どっちの意見であっても複雑といった様子だな。だが心配することはない。俺の心積もりは決まっているし、他の面々ももうそれは決まったことだろう」
「決まったこと、だろう・・・?」
ピオニーはそこでガイについて意見の対立があったことを告げるのだが、続いて出てきた意味深な言葉に訳が分からないと眉を寄せる。
「今政宗以外でこの場にいる貴族に兵士達・・・こいつらは全員今言った二つの後者側の奴らだが、お前と会うとなった直前にこう伝えておいた。もし今から会うガルディオスの生き残りとやらがお前達の意に沿うような奴だと言うなら、どんな場でも構わず庇いだてなり何らかの発言をしろと・・・だがそれがないということは、こいつらにはお前を助けるようなつもりはないということだ」
「「っ!!」」
その言葉の意味が何なのか・・・ピオニーが明かした事実にガイとペールは驚きと共に貴族に兵士達の方を見渡した。ここにいる面々が理由はどうあれガイをガルディオスとして迎え入れようとしていた面々だと聞いたのもあるが、そんな面々であるはずなのに全くガイに味方をするような空気の一切感じられない冷たい目をしていることに。
「何故と言いたいのだろうが、お前の復讐があくまでお前だけの物でありマルクトの為だとかそういった大義・・・とは言わんにしても、こちらに対して気遣いなりなんなりがあればこいつらもそうだが俺も一考はしただろう。だがそんな中で話を聞いた俺は一切そんな風に思えなかったし、こいつらもそうだと思えなかったから何も言わなかったんだろう」
「そっ、そんな・・・嘘だ・・・」
「なら改めてお前にも分かりやすいようにハッキリとした形にしてやる・・・お前ら、俺に遠慮など要らんし周りの事など気にするな。こいつをマルクトに迎え入れ、共に活動したいというなら手を上げろ。こいつに分かりやすくするよう、30秒程時間を設ける・・・では始める」
「・・・え・・・えっ・・・!?」
ピオニーはその訳を説明した後に丁寧に・・・と言うよりは無理矢理にでも分からせるように時間をちゃんと取った上で挙手の是非を命じると、全く手を挙げる素振りすら見せない周りの面々の不動直立の様子に次第に信じられない物を見るようになりながらガイは周りを見渡す。



「・・・・・・大体30秒経過だが、誰も手を動かそうとすらしていないのはお前達にも確認出来ただろう。つまり、俺がお前らをどう扱おうが周りの奴らは反対はせんということだ」
「そっ・・・そんな・・・っ!」
そしてピオニーは時間経過を告げ冷たい視線を向け助けはないといったように言うと、愕然としたように声を漏らす。









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