復讐を果たした先の末路
「それでは次はどちらへの対応を?」
「キムラスカだ。向こうが引くつもりがないというならこちらも迎撃せねばならんが、その戦場になるのはまずパダン平原だ。とは言え士気の上がったキムラスカを相手にするのに正面から正々堂々とぶつかり合うのは被害が大きくなることから、あまり好ましくないだろう・・・だから基本的にこちらとしては防戦の形を取りたいのだが、戦力が多いに越したことはない。だからこちらにはジェイドが行くこともそうだが、小十郎と幸村を派遣したい。政宗、頼めるか?」
それで次についてを尋ねるジェイドにピオニーが答えていく中、政宗に二人の貸し出しを頼む。
「幸村には伝えるが小十郎、お前はどうだ?」
「政宗様の命であれば従います」
「よし。なら幸村と一緒にジェイドと行け。俺は一人で大丈夫だ」
「はっ」
政宗は小十郎にどうかと確認を取り、淀みない返答が返ってきたことに改めてそうするよう命を下す。
「そう言ってくれるならありがたいが・・・問題はマルクトの士気の方だ」
「陛下自身もおっしゃられましたが、キムラスカへの過激派は確かに士気は上がってはいるでしょうが・・・それ以外の人々の士気はまず上がらないでしょう。その原因が今更になってのガルディオスの遺児の復讐の為と知れば、尚更ですね」
ただスラスラ問題解決の事を口にして来たピオニーが重い口振りでマルクトの問題についてを切り出すと、ジェイドもまた同意する。
・・・今キムラスカが宣戦布告をしてきたと知っている者は、この部屋にいる者と後少数くらいである。それは何故かと言えばみだりに情報を流す危険性を考慮するというよりは、まずはジェイドに政宗と小十郎という信頼を向けれる部下でありホドについて浅くはない縁を持つメンバーを集めて今後の事を協議するためだ。主にガイラルディアという人物が起こしたことに、その人物関連でのことを。
尚、ここで政宗がピオニーに対してタメ口なのはピオニーがここではそうするようにと望んだからである。元々ピオニーは政宗の事を気に入っている事もあるが、この場では遠慮もそうだが率直でいて忌憚のない意見を聞きたいという考えがあったために。
「・・・政宗、一つ聞きたい。お前はガイラルディアとやらに対してどう思っている?」
「・・・質問を質問で返すようだが、その答え次第じゃガイにホドの生き残りの代表になってもらおうとでも考えてるのか?」
「・・・お前にその気があるならという前提の話だ。お前が嫌だというなら俺はそちらの方向には話は進めんが」
「なら答えはNOだ」
「・・・随分とハッキリ答えるな、政宗」
それで政宗にガイについてを聞くピオニーだが、きっぱり受け入れるつもりはないと政宗が答えたことに先を促すような視線を向ける。
「Ha、当然だ。ガイがガルディオスの名を名乗ってファブレに復讐したって事実・・・百歩譲ってこれが俺らに報告をした上で綿密に打ち合わせをした上でだって言うならまだこっちも受け入れようがあるが、これは純然にガイがマルクトに関係無く単独で行った事だ。なのに何でそんな手前勝手な事をした奴にホドの生き残りの奴らを任せなきゃならねぇ・・・また戦争に巻き込まれる事なんざ望んじゃいねぇ奴もいるあいつらの事を・・・!」
「・・・そうだな。それに復讐を達成したということをむしろ誇らしげに語るばかりか、そのガイが元ホドの住民の旗頭となるならキムラスカへの侵攻の為の兵力にするようにと事情をろくに知りもしないだろう貴族達が切り出してくるだろう。元ホドの住民達の気持ちはガイラルディアと同じだろう、とな」
「そんなもん到底認められる事じゃねぇ・・・!」
最初こそは皮肉っぽく話を進めていったが、次第に怒りの感情を伴わせていく政宗にピオニーもガイがホドの代表になった場合のシチュエーションとデメリットを口にしてそうしてはならないと言うと尚のこと怒りを浮かべる。ガイの真意は分からないにしても、その目的の為にホドの住民を巻き込めるはずがないと。
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「キムラスカだ。向こうが引くつもりがないというならこちらも迎撃せねばならんが、その戦場になるのはまずパダン平原だ。とは言え士気の上がったキムラスカを相手にするのに正面から正々堂々とぶつかり合うのは被害が大きくなることから、あまり好ましくないだろう・・・だから基本的にこちらとしては防戦の形を取りたいのだが、戦力が多いに越したことはない。だからこちらにはジェイドが行くこともそうだが、小十郎と幸村を派遣したい。政宗、頼めるか?」
それで次についてを尋ねるジェイドにピオニーが答えていく中、政宗に二人の貸し出しを頼む。
「幸村には伝えるが小十郎、お前はどうだ?」
「政宗様の命であれば従います」
「よし。なら幸村と一緒にジェイドと行け。俺は一人で大丈夫だ」
「はっ」
政宗は小十郎にどうかと確認を取り、淀みない返答が返ってきたことに改めてそうするよう命を下す。
「そう言ってくれるならありがたいが・・・問題はマルクトの士気の方だ」
「陛下自身もおっしゃられましたが、キムラスカへの過激派は確かに士気は上がってはいるでしょうが・・・それ以外の人々の士気はまず上がらないでしょう。その原因が今更になってのガルディオスの遺児の復讐の為と知れば、尚更ですね」
ただスラスラ問題解決の事を口にして来たピオニーが重い口振りでマルクトの問題についてを切り出すと、ジェイドもまた同意する。
・・・今キムラスカが宣戦布告をしてきたと知っている者は、この部屋にいる者と後少数くらいである。それは何故かと言えばみだりに情報を流す危険性を考慮するというよりは、まずはジェイドに政宗と小十郎という信頼を向けれる部下でありホドについて浅くはない縁を持つメンバーを集めて今後の事を協議するためだ。主にガイラルディアという人物が起こしたことに、その人物関連でのことを。
尚、ここで政宗がピオニーに対してタメ口なのはピオニーがここではそうするようにと望んだからである。元々ピオニーは政宗の事を気に入っている事もあるが、この場では遠慮もそうだが率直でいて忌憚のない意見を聞きたいという考えがあったために。
「・・・政宗、一つ聞きたい。お前はガイラルディアとやらに対してどう思っている?」
「・・・質問を質問で返すようだが、その答え次第じゃガイにホドの生き残りの代表になってもらおうとでも考えてるのか?」
「・・・お前にその気があるならという前提の話だ。お前が嫌だというなら俺はそちらの方向には話は進めんが」
「なら答えはNOだ」
「・・・随分とハッキリ答えるな、政宗」
それで政宗にガイについてを聞くピオニーだが、きっぱり受け入れるつもりはないと政宗が答えたことに先を促すような視線を向ける。
「Ha、当然だ。ガイがガルディオスの名を名乗ってファブレに復讐したって事実・・・百歩譲ってこれが俺らに報告をした上で綿密に打ち合わせをした上でだって言うならまだこっちも受け入れようがあるが、これは純然にガイがマルクトに関係無く単独で行った事だ。なのに何でそんな手前勝手な事をした奴にホドの生き残りの奴らを任せなきゃならねぇ・・・また戦争に巻き込まれる事なんざ望んじゃいねぇ奴もいるあいつらの事を・・・!」
「・・・そうだな。それに復讐を達成したということをむしろ誇らしげに語るばかりか、そのガイが元ホドの住民の旗頭となるならキムラスカへの侵攻の為の兵力にするようにと事情をろくに知りもしないだろう貴族達が切り出してくるだろう。元ホドの住民達の気持ちはガイラルディアと同じだろう、とな」
「そんなもん到底認められる事じゃねぇ・・・!」
最初こそは皮肉っぽく話を進めていったが、次第に怒りの感情を伴わせていく政宗にピオニーもガイがホドの代表になった場合のシチュエーションとデメリットを口にしてそうしてはならないと言うと尚のこと怒りを浮かべる。ガイの真意は分からないにしても、その目的の為にホドの住民を巻き込めるはずがないと。
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