復讐を果たした先の末路
・・・ガルディオスの遺児。彼は本来の流れであれば自分の家族と故郷を滅ぼした者に対しての復讐には結局は踏み切れなかった。
これはそんなガルディオスの遺児がもし復讐に踏み切り、マルクトの者達・・・特に幼馴染みの蒼い龍から怒りを向けられる話である。
「・・・ははははははっ!やった!やってやったぞ!これでファブレは滅びた!これで父上達の敵を取ったぞ!」
「ガイラルディア様・・・」
・・・夜の遅く、キムラスカの首都であるバチカルから少し離れた平野の上。
バチカルの上層部の一部が炎により赤く染まる光景を遠目に見ながら狂ったように笑いを浮かべるガイに、ペールは主のその姿を複雑そうに見つめる。
・・・きっかけは、ガイの協力者であるヴァンの言葉からだった。
ガイは自分の復讐対象であるファブレの家に使用人として潜入し、ヴァンは時折ファブレの家に訪れていた。と言ってもガイは自分の手助けをするためと思っていたのと、ヴァンは別の目的でファブレに来ている上に復讐の手助けをする気など更々ないとガイは全く知らない形だった。
そんなものだからヴァンはガイから度々復讐のタイミングについてを聞かれてきたのだが、真剣な様子のフリをしながら適当な言葉でお茶を濁してきた・・・だがそうしてあしらってきたガイは行動を起こした。何故ならヴァンが復讐に取り掛かるつもりがないと、その態度からガイが感じた為にだ。
それもある意味では必然だと言えただろう・・・復讐を成功させるために七歳から潜入して十年以上我慢し、体格も青年として十分に成長して剣の腕も磨いてきた。そうして牙を研ぎ澄ましてきて自分の準備は出来ているのに、肝心の協力者であるヴァンにやる気が見られないどころかそうする気がないと感じてしまった・・・逸る気持ちがあるからこそヴァンの気持ちが自分と違うと感じ、ならばもうヴァンのことなど頼らないと決めて行動に移したのだ。復讐は自分の手で達成させると。
・・・そして共に侵入していた従者のペールと共にファブレの主である公爵と夫人を筆頭にしてファブレの中にいた人間を殺していき、最後に屋敷に火をつけた上で書き置きを屋敷の近くの噴水近くに置いて逃げてきたのだ。ガルディオスの遺児がファブレを滅ぼしたと、自分がそうしたと指し示す書き置きを。
「今までヴァンの言うことを聞いていた俺が馬鹿だった!あいつには復讐を行おうなんてつもりは全くなかったし、そんな奴が安全の為だとかダアトに逃げれるように準備しているだとか言われても最早信じれるはずがない!」
「ガイラルディア様・・・」
「ん?・・・何だ、ペール?」
「・・・満願を叶えられたことに喜びを感じられるお気持ちは分かりますが、今の内に早くバチカルから離れましょう。夜で人目がつかない上にキムラスカも対応に追われていて我々の事に注意を向ける余裕はないでしょうが、時間が経てばキムラスカも捜索の手を伸ばしてくる危険性が高まります」
「・・・そうだな、そうしよう。そしてさっさとケセドニアに行き、マルクトに戻らないとな・・・ヴァンは事が為された場合はダアトに迎え入れる準備をすると言っていたが、復讐をする気のない奴の所に行く理由なんかない。なら俺が目指すのは・・・この手柄を元にしてのガルディオスの復興だ!」
「っ・・・」
更にテンションを上げるガイにペールがうやうやしく声をかけ早く場から離れるように進言すると、了承した後に最早ヴァンの事など信用しないといったようにマルクトに行くと拳を握り高々と宣言するのだが、ペールはその姿にたまらず視線を背けた・・・その姿を見ていれないと見てか、これからの前途に不安を感じてか、あるいはその両方か・・・
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これはそんなガルディオスの遺児がもし復讐に踏み切り、マルクトの者達・・・特に幼馴染みの蒼い龍から怒りを向けられる話である。
「・・・ははははははっ!やった!やってやったぞ!これでファブレは滅びた!これで父上達の敵を取ったぞ!」
「ガイラルディア様・・・」
・・・夜の遅く、キムラスカの首都であるバチカルから少し離れた平野の上。
バチカルの上層部の一部が炎により赤く染まる光景を遠目に見ながら狂ったように笑いを浮かべるガイに、ペールは主のその姿を複雑そうに見つめる。
・・・きっかけは、ガイの協力者であるヴァンの言葉からだった。
ガイは自分の復讐対象であるファブレの家に使用人として潜入し、ヴァンは時折ファブレの家に訪れていた。と言ってもガイは自分の手助けをするためと思っていたのと、ヴァンは別の目的でファブレに来ている上に復讐の手助けをする気など更々ないとガイは全く知らない形だった。
そんなものだからヴァンはガイから度々復讐のタイミングについてを聞かれてきたのだが、真剣な様子のフリをしながら適当な言葉でお茶を濁してきた・・・だがそうしてあしらってきたガイは行動を起こした。何故ならヴァンが復讐に取り掛かるつもりがないと、その態度からガイが感じた為にだ。
それもある意味では必然だと言えただろう・・・復讐を成功させるために七歳から潜入して十年以上我慢し、体格も青年として十分に成長して剣の腕も磨いてきた。そうして牙を研ぎ澄ましてきて自分の準備は出来ているのに、肝心の協力者であるヴァンにやる気が見られないどころかそうする気がないと感じてしまった・・・逸る気持ちがあるからこそヴァンの気持ちが自分と違うと感じ、ならばもうヴァンのことなど頼らないと決めて行動に移したのだ。復讐は自分の手で達成させると。
・・・そして共に侵入していた従者のペールと共にファブレの主である公爵と夫人を筆頭にしてファブレの中にいた人間を殺していき、最後に屋敷に火をつけた上で書き置きを屋敷の近くの噴水近くに置いて逃げてきたのだ。ガルディオスの遺児がファブレを滅ぼしたと、自分がそうしたと指し示す書き置きを。
「今までヴァンの言うことを聞いていた俺が馬鹿だった!あいつには復讐を行おうなんてつもりは全くなかったし、そんな奴が安全の為だとかダアトに逃げれるように準備しているだとか言われても最早信じれるはずがない!」
「ガイラルディア様・・・」
「ん?・・・何だ、ペール?」
「・・・満願を叶えられたことに喜びを感じられるお気持ちは分かりますが、今の内に早くバチカルから離れましょう。夜で人目がつかない上にキムラスカも対応に追われていて我々の事に注意を向ける余裕はないでしょうが、時間が経てばキムラスカも捜索の手を伸ばしてくる危険性が高まります」
「・・・そうだな、そうしよう。そしてさっさとケセドニアに行き、マルクトに戻らないとな・・・ヴァンは事が為された場合はダアトに迎え入れる準備をすると言っていたが、復讐をする気のない奴の所に行く理由なんかない。なら俺が目指すのは・・・この手柄を元にしてのガルディオスの復興だ!」
「っ・・・」
更にテンションを上げるガイにペールがうやうやしく声をかけ早く場から離れるように進言すると、了承した後に最早ヴァンの事など信用しないといったようにマルクトに行くと拳を握り高々と宣言するのだが、ペールはその姿にたまらず視線を背けた・・・その姿を見ていれないと見てか、これからの前途に不安を感じてか、あるいはその両方か・・・
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