姉妹の差と向けられる評価

・・・ルークからすればレオナという存在は安心出来る存在になっていた。それもティアとは比べるまでもなくである。

最初レオナと会って話をした時はティア以上の鉄面皮だと感じ、あまりいい印象を持たなかった。冷静そうに振る舞いつつも冷静と言い切れないティアの方がまだ取っ付きやすいと感じたが為に。
だが時が経っていきルーク達に付いていくとレオナが言い出してから同行を始めると、ティアとの評価がルークの中で真逆になるには時間はそうはかからなかった。

まず評価が変わった理由はルークに対しての気遣いにあった・・・最初こそはレオナが自分に対してよそよそしいと感じたのだが、それは他国の兵士としてというのもあるが姉が犯した行動からそんなことが出来るはずもないとの言葉を聞いてから気持ちは変わった。そんなことをしたはずの当人は自分に対して一応は謝ったような感じには振る舞ってはいたがそれも自分が上だと言わんばかりの態度で、レオナのように申し訳無いと言った気持ちから来る態度など微塵も見せたことがなかったこと・・・これが二人の評価を変えるきっかけだった。






「つーか仲良くねぇのか?師匠にレオナとティアって」
「仲は悪くはないと思うわ。でも私は早くから神託の盾に行っていたし、兄さんも神託の盾の主席総長として忙しかっただろうから顔はここ数年合わせてないの。実際に姉さんと顔を合わせたのも2年ぶりだから」
「あ~・・・それなら仲がいいってハッキリ言えねぇのも納得出来るわ。2年も会ってないのに仲がいいっての言い切るのも変な感じがするし、今もさっきの事でティアの機嫌が良くねぇしよ」
それで話題は兄妹間の仲についてになり、レオナの淡々とした事実の提起にルークも分からないでもないと今の状況から口にする。






・・・そんな風にして二人の印象が変わる中で短い時間ながらも旅をして様々な出来事を経て、現在の状況になった引き金の出来事であるティアのファブレ邸襲撃の件をレオナが話したのだ。

その際の対照的な二人の姿はルークの中に未だに強く印象に残っている。烈火のごとく自身の気持ちをぶつけるティアに、静水のごとく静かでいて確かな理論を持って返すレオナ・・・この二人が本当に姉妹なのかと思うほどの違いが見えたルークだったが、レオナの方に気持ちが傾いていたこともあったが何よりその言い分が正しいと感じていた。

故にルークは自分の気持ちに素直に従いティアが自分の方を信用しろと言わんばかりにレオナとの言い合いに焦れてどっちを信用するかと言ってきたため、レオナと即答した。その結果としてティアが激昂して今に至るのだが、それでも自分がそうした理由は言えないが間違ったことはしていないという気持ちを抱いている上で、ルークとレオナに鋭い視線を向けている。自分の言うことは間違っていないのだからそちらから謝れと言わんばかりの視線を。

ルークからすればそんな視線を向けるティアの姿は兄のヴァンともそうだが、双子であるはずのレオナとは全く似ていないと思えてならなかった。本当に姉妹なのかと思えるくらいに。









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