心臓に打ち込まれた罪の楔
「さて、導師。そこの二人に罪状を告げる前に聞きたい事がある」
罪状と聞き、ティアとアニスはビクッと震える。だがイオンはそれに反論できず、黙ったままだ。
「貴殿はレプリカルークと共にいたC.C.という灰色の魔女の存在は正しいものだと確認していると聞いたが、それは本当か?」
「・・・え・・・?あ、はい。ルークの使った力は紛れも無く異質な物でしたし、創世歴時代の文献を調べれば調べる程彼女の特徴と一致していました」
「そうか・・・ならばセシル少将の言った通りになるな」
「あの・・・陛下、どういう事なんですか?」
「・・・それは私から話をさせていただきます。ルーク様はバチカルに戻られてすぐ、インゴベルト陛下以下の重臣達の元へと参りました。私はその時ルーク様の横にいたのですが・・・あれは異様な光景でした。ルーク様が戻られた事に大詠師は特に口汚くルーク様に何故死ななかったのかと言いました。ですが、ルーク様の『全力で私の下僕となれ!』という一言を聞いた瞬間皆がルーク様に従う態勢を見せました」
セシル少将のルークが放ったという一言にイオン達はそれであの陛下達の行動だったのだと知り、畏怖した感情をルークに覚えた。
「・・・私はその光景を唖然と見ていると、ルーク様は私に振り返りながらおっしゃいました。『真実を知りたくないか?』と・・・それから私は預言により戦争が起こると大詠師の口から聞きました。それと同時にルーク様の傍らにいたC.C.という人物の力によりギアスという能力を手に入れ、預言による戦争を止める為に陛下達を止めたのだと」
セシル少将はそこで一息区切りを入れて深呼吸をすると、イオン達を見て意を決した表情で話しだす。
「正直私は預言に詠まれていた戦争と聞き、ダアトを軽蔑いたしました。預言に詠まれているとはいえ、人の命を簡単に蔑ろに出来るダアトを・・・故に私はルーク様に従うと決め、預言通りにならないようにマルクトにルーク様の使者としてこの場に来ました」
「そ・・・そんな!?あれはダアトの意思ではありません!それは導師である僕の・・・!」
「意思ではないからと言うのは無しだ」
ダアトの悪評を聞き、イオンは急いでセシル少将に弁解しようとするが、ピオニーに言葉を遮られる。
「聞いた話によれば導師は詠まれた預言の事をユリアシティとやらの市長、テオドーロから聞くまで全く中身を知らなかったそうだな?」
「・・・はい」
「もし仮定の話でだ。レプリカルークが何も行動せずに戦争が起こっていたとして、導師はそれを知らなかった、だから部下が勝手に預言通りにするためにやった事だから、導師としてやめてくれとマルクトとキムラスカに言ったとして戦争が止まると思うか?」
「・・・それは、止めてくれると・・・」
「・・・んな訳無いだろ。マルクトはそれを聞けばキムラスカが戦争を止める訳無いと結論つけて、むしろ迎撃の形や逆にこっちからキムラスカに打って出るとかそういう行動を取る。キムラスカは尚更マルクトを攻め滅ぼそうと激しく来るだろうな・・・でだ、そのことから部下の大詠師が預言を知っているのに導師はそれを知らなかったという事が分かる。そうなりゃどうなる?キムラスカは導師を頼ろうとせず、預言を知る大詠師を頼る。故に導師はいらないと結論づく。マルクトに至っては預言を盾にしてマルクトを滅ぼそうとダアトが画策してるのだと結論する。導師は預言通りにいくのはいけないと言いつつも事実預言を知らなかった為、部下からの信頼がないトップとの認識がマルクトにキムラスカより悪い印象がつく・・・つまりそれらを踏まえればセシル少将のような事実を知った戦争反対派や、マルクトからすればダアトに対する印象は内部分裂起こした不安定な団体になっていると見て取れる。更に片方は戦争推進派で、片方は戦争が詠まれている事すら知らない無知な団体で下手すればトップ以外は預言の言葉を聞けばトップから寝返る可能性のある団体・・・これだけ聞いて誰がダアトを信頼が出来る団体だと認める事が出来る?それに本来のトップの方が無知だというなら尚更信頼など出来るはずがない」
「!!!」
「ピオニー陛下!あなたは導師を愚弄しているのですか!?」
ピオニーからのダアトの酷評をあらわにした言葉にイオンは蒼白といった表情で呆然とする。それを見たティアがイオンの擁護に口調を荒くして怒鳴るが、ピオニーはいたって冷静にティアを見据え次なるターゲットとした。
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罪状と聞き、ティアとアニスはビクッと震える。だがイオンはそれに反論できず、黙ったままだ。
「貴殿はレプリカルークと共にいたC.C.という灰色の魔女の存在は正しいものだと確認していると聞いたが、それは本当か?」
「・・・え・・・?あ、はい。ルークの使った力は紛れも無く異質な物でしたし、創世歴時代の文献を調べれば調べる程彼女の特徴と一致していました」
「そうか・・・ならばセシル少将の言った通りになるな」
「あの・・・陛下、どういう事なんですか?」
「・・・それは私から話をさせていただきます。ルーク様はバチカルに戻られてすぐ、インゴベルト陛下以下の重臣達の元へと参りました。私はその時ルーク様の横にいたのですが・・・あれは異様な光景でした。ルーク様が戻られた事に大詠師は特に口汚くルーク様に何故死ななかったのかと言いました。ですが、ルーク様の『全力で私の下僕となれ!』という一言を聞いた瞬間皆がルーク様に従う態勢を見せました」
セシル少将のルークが放ったという一言にイオン達はそれであの陛下達の行動だったのだと知り、畏怖した感情をルークに覚えた。
「・・・私はその光景を唖然と見ていると、ルーク様は私に振り返りながらおっしゃいました。『真実を知りたくないか?』と・・・それから私は預言により戦争が起こると大詠師の口から聞きました。それと同時にルーク様の傍らにいたC.C.という人物の力によりギアスという能力を手に入れ、預言による戦争を止める為に陛下達を止めたのだと」
セシル少将はそこで一息区切りを入れて深呼吸をすると、イオン達を見て意を決した表情で話しだす。
「正直私は預言に詠まれていた戦争と聞き、ダアトを軽蔑いたしました。預言に詠まれているとはいえ、人の命を簡単に蔑ろに出来るダアトを・・・故に私はルーク様に従うと決め、預言通りにならないようにマルクトにルーク様の使者としてこの場に来ました」
「そ・・・そんな!?あれはダアトの意思ではありません!それは導師である僕の・・・!」
「意思ではないからと言うのは無しだ」
ダアトの悪評を聞き、イオンは急いでセシル少将に弁解しようとするが、ピオニーに言葉を遮られる。
「聞いた話によれば導師は詠まれた預言の事をユリアシティとやらの市長、テオドーロから聞くまで全く中身を知らなかったそうだな?」
「・・・はい」
「もし仮定の話でだ。レプリカルークが何も行動せずに戦争が起こっていたとして、導師はそれを知らなかった、だから部下が勝手に預言通りにするためにやった事だから、導師としてやめてくれとマルクトとキムラスカに言ったとして戦争が止まると思うか?」
「・・・それは、止めてくれると・・・」
「・・・んな訳無いだろ。マルクトはそれを聞けばキムラスカが戦争を止める訳無いと結論つけて、むしろ迎撃の形や逆にこっちからキムラスカに打って出るとかそういう行動を取る。キムラスカは尚更マルクトを攻め滅ぼそうと激しく来るだろうな・・・でだ、そのことから部下の大詠師が預言を知っているのに導師はそれを知らなかったという事が分かる。そうなりゃどうなる?キムラスカは導師を頼ろうとせず、預言を知る大詠師を頼る。故に導師はいらないと結論づく。マルクトに至っては預言を盾にしてマルクトを滅ぼそうとダアトが画策してるのだと結論する。導師は預言通りにいくのはいけないと言いつつも事実預言を知らなかった為、部下からの信頼がないトップとの認識がマルクトにキムラスカより悪い印象がつく・・・つまりそれらを踏まえればセシル少将のような事実を知った戦争反対派や、マルクトからすればダアトに対する印象は内部分裂起こした不安定な団体になっていると見て取れる。更に片方は戦争推進派で、片方は戦争が詠まれている事すら知らない無知な団体で下手すればトップ以外は預言の言葉を聞けばトップから寝返る可能性のある団体・・・これだけ聞いて誰がダアトを信頼が出来る団体だと認める事が出来る?それに本来のトップの方が無知だというなら尚更信頼など出来るはずがない」
「!!!」
「ピオニー陛下!あなたは導師を愚弄しているのですか!?」
ピオニーからのダアトの酷評をあらわにした言葉にイオンは蒼白といった表情で呆然とする。それを見たティアがイオンの擁護に口調を荒くして怒鳴るが、ピオニーはいたって冷静にティアを見据え次なるターゲットとした。
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