姉妹の差と向けられる評価

(・・・とにかく俺としては二人ともに仲良くなってほしいんだけどな・・・事情は色々あるのは分かるんだが、やっぱりヴァンの妹二人って考えるとそうなってほしいし・・・)
そして最終的に思うこととしては妥当でこそはあるが、当たり障りのない結論程度の物になる・・・この辺りは二人に体質的にあまり近付けないこともそうだが、人の良さそうな顔を浮かべる反面で他者に対してその実は人を一定距離までしか寄せないし寄ろうとしない性質がガイにあるからこそだった・・・後ろめたい事があるからこそ、必要以上の触れ合いによりボロが出るのを避けるためにそういった癖が知らず知らずつく形で・・・






(どうすればいいんでしょうか、僕は・・・僕が大丈夫だって言ってもレオナはそれでいいとは言ってくれないのは先程の話から分かったのですが、それでも今の状況をどうにかしたいな・・・)
・・・それでルーク達から離れている最後の一人のイオンなのだが、切実にどうにか事態の解決をしたいという考えを抱いていた。






・・・イオンは導師という立場に今いる自覚はあるが、基本的な性格の根幹は優しく甘い。そうならざるを得ない理由があるとは言ってもだ。

そういった自分の性質を自分で理解しているためにどうにかしたいと考えたイオンだったが、正反対の二人の意見をどちらも尊重したまま話を進めることが難しいとも理解していた。

ティアの言い分としては悪いことをしたとは思ってはいるけれど動機については個人的な物だから妹相手でもというか、妹だからこそ喋りたくない・・・対するレオナは動機に真意が分からないのに人を襲った相手を信用するなど、例え姉でも出来る筈がない・・・という真逆の物だ。

イオン自身はティアは理由もなくそんな暴挙に出るような人物ではなくて何か必要にかられての行動だと思っている。冷静そうに振る舞いはするが所々に滲み出る感情から何かあるのだと感じて。

しかしレオナは姉だから大丈夫だとか何か事情があったからやむ無しだったのだと判断することはなく、あくまで動機もそうだがれっきとした心情抜きの根拠を指し示さなければ譲らないときている。これは慎重を期するなら間違ってはいないとイオンも考えてはいる。それが徹底した線引きは過剰ではないかと思いこそはしても。

・・・どこまで行っても真逆の平行線の状態の二人・・・精々似ている所がどこかと言えば自分の考えを譲るつもりはないという、対立の図式が崩れない気持ちくらいな物である。






(出来ることならレオナに折れてほしいんですけどね・・・ティアは言えないことはあるとは言っても、嘘は言っていないと思いますし・・・)
ただイオンはその中でどうにかティアに寄ったようにレオナへ妥協してほしいと願う・・・一応どちらの言い分も間違ってはいないとイオンは思ってはいるし、どちらの方が人間的に好きだからなど順位をつけて判断するつもりもない。だが心情として言うならティアの気持ちを察してやってほしいと、感情の揺れを見せることのないレオナより感情豊かなティアの方が同情が出来るからといった気持ちで考えを浮かべていた・・・その考えが導師として甘いことなど考えず、後にグランツ兄妹の真意が分かった時にティアがどうなるかなど全く知らないままに・・・






「ん~・・・イオン様無事だといいんだけどな~・・・レオナが側にいるって決めたのがルークじゃなくてイオン様だったなら、大丈夫だって思えるんだけどね~・・・」
・・・そして一方で場は変わり、一人で平野部を歩いてカイツールに向かうアニスはイオンの無事を願う傍らティアとレオナについて向ける信用度のレベルの差も口にしていた。









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