姉妹の差と向けられる評価

レオナはルークの答えを聞いて流石に唖然とし、すぐに共にエンゲーブに来ていた同僚達に報告をした。こういう事が起きて今、ルークとティアがエンゲーブにいると。当然その報告を受けた同僚達も驚愕をしたが、その際にラルフとクラークという人物から言われたのだ。『流石にそんな状況を放っておくというか、ルークをティアと二人っきりにすることは色々とまずいことになる可能性が非常に高くなる。だから俺達の独断になるが、せめてダアトにローレライ教団全体の連帯責任を負わせられるのを避けるためにもレオナがルークの護衛につけ。団長には報告はしておく』と。

この二人の判断と命令に関して、レオナは異を唱えずに従うことにした。現状でルークを放っておけばそれこそ何か起きた場合に最悪な状態になることも有り得るからでもあるが、それ以上にティア一人に任せて何かが起こればそれこそ対岸の火事では済まない事態になりかねないと感じた為に。

・・・それでレオナは単独でルークとティアの二人に付いていくことにしたのだが、流れもあってジェイド達と行動を共にすることになってある事件に巻き込まれた後に合流したガイが加わったことにルークの側の人間だったことから、姉が起こした事と自分が何故敢えて神託の盾の一団から離れたのかを伝え・・・今の状況が生まれたのである。






(やはりガイにイオン様の見通しは甘いとしか言いようがないですね・・・ただガイが来なければレオナも簡単にティアの事については切り出しはしなかったでしょうからまだありがたかったですが、だからこそこちらとしてはレオナに寄った対応をしたいんですよね・・・ローレライ教団相手ならキムラスカも自重する可能性も有り得なくはないですが、教団の一兵士が謡将を襲うためにキムラスカのバチカルという場所にまで来て、結果として疑似超振動をルークと引き起こして誘拐紛いな結果になってしまった・・・オールドラントの歴史を紐解いても前代未聞な事件になりますし、教団の幹部クラスならまだしも一兵士程度の身分の人間をキムラスカが許すなどまず有り得ないでしょうからね)
・・・そんなイオンとガイを横目で視線を向けつつ、内心ではティアに対して冷ややかでいていざとなれば見捨てるつもりでいこうといったように考えていた。






・・・基本的にジェイドは特定の誰かに対しての事情について深入りするようなタチではなく、客観的な視点から見て有用な人物かどうかに危険かどうかを判断して態度を変える癖がある。そんなジェイドからしてみればレオナは有用な存在であり、ティアは無用と言うよりは有害な存在とレオナの話から判断した。

元々はルークを利用してそれで流れでグランツ姉妹が使えれば別に問題はないと楽観視していたが、素でのレオナの身のこなしはティアより間違いなく洗練されていることに加えてファブレで起きた事件の顛末にレオナが同行を決めた経緯を聞き・・・心中でティアに対しての見切りをつこた。もしティアの行動についてを支持かもしくは問題ないものだとジェイドも認めているなどと何かティアとキムラスカの間でトラブルが起きた場合に勝手に言われたなら、自分のやろうとしていることまで巻き込んで台無しにしかねない可能性が非常に高いと感じたからだ。

そんなことなどジェイドからすればとても容認出来るような事ではなかった。失敗したくないという気持ちも勿論あるが、失敗すればその時点で戦争になりかねなくなりジェイドの身柄も拘束されて十中八九処刑ということになりかねない・・・故にそういった事態を避けるにはティアに距離感が近いと思われることを避けるのもそうだが、いざという時はイオンに何を言われようとティアをレオナと共に身柄を引き渡す事を選ぼうとジェイドは考えていた。レオナならそう出来ると、そうジェイドは見た為に。









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