姉妹の差と向けられる評価

・・・存在しない筈の栄光を掴む者の二人目の妹が加わった物語は同じようでいて、違う道筋を歩み始める・・・二人目の妹により、一人目の妹の歩む道筋が大きく変わっていく形で・・・









「・・・なぁ、旦那・・・どうにかティアの機嫌を取ってくれないか・・・?」
「いいのではないのですか、あのままで?と言うよりはティアの自業自得の上に姉妹間での出来事ですから、例え私ではなくイオン様が何か言ったとしてもそう簡単には変わらないと思いますけどね」
「・・・姉妹間だからですか・・・難しい物ですね。他人が介入出来ない問題というのは・・・」
・・・草原部を歩く一行の中、少し離れた所を歩くルークとレオナ・・・そしてその後ろを複雑さを押し隠そうとしつつも、分かりやすく表情に滲み出ているティアが歩いている。
その光景を端から見ていたガイはコソコソと聞こえないようにジェイドに話し掛けるが、関わりたくないとばかりにバッサリ切り捨てる様子にイオンも複雑でいて珍しく介入が出来ないと漏らす。






・・・さて、一同の中で何が起きたの簡単に言うと、ルークが大本となってレオナとティアが対立してしまったのである。と言っても大本であるルークには何の非もないと言うより、むしろ被害者側としか言えない身の上な状況だ。

ならば何故ルークが被害者としか言えないのかと言えば、ティアが起こした行動に巻き込まれたにも関わらずルークも悪いとさも言わんばかりに言葉では謝りつつも、態度がそう示しているといったように見えるとレオナが指摘したからだ。






「と言うよりは私から見てレオナの言い分の方が正しいと思いますよ。彼女が身内の恥だからと余分に気持ちが入って行動したと加味したとしても、端から見ればティアの行動に一分の非もないなど到底言えるものではないと客観的な視点からレオナが指摘しただけのことですからね。そしてティアはそんなつもりはないと自分の感情だけで否定して、肝心な事は言えない話さないと黙秘を貫く・・・少なくともこの件に関してティアは悪くないから事情も話さないけど大丈夫だと信じるよう、事実をうやむやにしたまま仲良くするようになどレオナに言っても、彼女がそんな言葉を鵜呑みにするわけないと思いますよ。姉と言えど怪しいと断じて行動を起こし、神託の盾としても妹としても責務を果たそうとしているレオナがね」
「・・・それは・・・」
続けてジェイドが淡々と述べていく二人のやり取りと考え方についての考察に、イオンは否定出来ずに視線を反らす。






・・・そもそもの話をするなら、ルークもそうだがティアとマルクトの地でレオナが出会うこと自体がおかしなことだった。

レオナは他の神託の盾と共に哨戒活動を兼ねてエンゲーブという村に食料の調達に来たのだが、そこで出会ったのはマルクトの敵国であるキムラスカの王族であるルークにダアトから出ることなどほぼないだろう任務に従事しているだろうティアという、接点も共通点もどうしても見当たらない二人・・・そんな二人が共にいることを訝しんだレオナが事情についてを聞いてみたのだが、姉であるティアは言いたくないに関係無いの一点張りで言おうとはしなかった。妹相手だからか、多少言いにくそうな空気こそはありはしたがだ。

だからレオナはルークの方に内密に事情を聞いたのだ、何故二人がマルクトの地にいるのかを・・・そして返ってきた答えがヴァンをキムラスカのファブレ邸に侵入してきて襲い、ルークが反撃した所で疑似超振動が起こってマルクトの地に飛ばされた・・・と返ってきたのである。









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