共通点は少なく違いは多い
・・・それから少し時間は経ち、ティアがヴァンを刺したという報せをヴァン本人から聞かされたリグレットは驚きを隠せなかったが、ヴァンから簡潔に状況を伝えられた上でこの件に関してはもう終わったことだと言われたことに加えてティアへの教導も行わなくなったことから、その問題についてリグレットは関わることなく過ごしていた。
そんなリグレットだが、僻地にそろそろ向かわされるカンタビレがティアをモースの傘下の場に配属させたという話を聞いて、ティアの事もそうだがレオナの事も思い出して何となくカンタビレの元に行きたいと感じて会いに行くことにした。
「・・・なんだ、リグレット?私に何か用か?」
「・・・お前がそろそろダアトから離れると聞いて、その前に話を聞きたいと思って訪ねさせてもらった。主な理由は何故ティアをモースの傘下に置かせるような事をしたのかに、レオナはどうなのかということをな」
「・・・ティアの事は何となく予想はついたが、レオナの事もだとはな」
・・・それでカンタビレの私室にて、椅子に座り机の書類と対峙しているカンタビレの前に立ったリグレット。
そこで用向きについてティアとレオナにあると告げるリグレットに、カンタビレは険を滲ませた雰囲気が少し和らぎ意外そうな声を漏らす。
「・・・まぁいい。簡潔に答えてやるが、ティアに関してはそうする方がいいと感じたからだ。あいつの様子を見る限りでは何かをやりたいと決心しているようではあったが、モースの元で活動することが最善と信じているようだったからな」
「・・・理由は聞いていないのか、ティアから?」
「何を言ってもそれについては話はせんだろうと感じた上で、興味も無かったからな・・・何をするかは分からずとも、ティアのやろうとすることが失敗するだろうことが何となくは予想が出来ることに」
「・・・失敗と予想出来る、だと?」
それでカンタビレはすぐに気を取り直しティアについて話をするのだが、その中で失敗すると予想する声にリグレットは怪訝そうに表情を歪める。
「これは私がレオナと結構な時間を過ごしてきたからというのもあるから言えることだと思うが、ティアはレオナと比べて壊滅的な程に秘密事であったりポーカーフェイスを保つのに向いてはいない。勿論年齢的に見てまだ未熟であることからそういったことを望むのは酷な部分もあるだろうが、それでもレオナを見てきたからこそそういった部分を求めるには無理がある・・・そう思っている」
「・・・確かにレオナを見ればティアはそう言うことには程遠いタイプに思えるが・・・少しこじつけにも程があると思うぞ」
「あくまで私が言っていることだ、全部真に受けるな・・・まぁもっと言うならモースの元にと願われた際にあいつの目を見た時に思ったことだが、確かに相当に力強い目を浮かべてこそはいた。だがあれだけの目を浮かべていたということはすなわちそれだけの何か、重く重大な決断をしたのだろうとも容易に想像がついたが・・・あれは自分だけでどうにか事態を解決しようと意地と決意を履き違え、自分の物差しのみで事を判断しかねん状態だったと私は見た。それこそ誰にも何も言おうとしないことから、何かあるのかとおかしいと思って問い質そうとしても自分の思うギリギリまでを見定めようとして・・・言うなら取り返しのつかん状態になって、ようやく自分の不手際を悟ってから口にする形でな」
「っ!・・・それは・・・」
カンタビレはレオナとの比較があったからこそ考えに行き着いたといったように言い、そこからティアがいかな事になりかねないかとの予測を告げるとリグレットは衝撃を受けはしたものの否定を返せなかった。ティアならそういうことになりかねないといった可能性を強く感じてしまった為に。
.
そんなリグレットだが、僻地にそろそろ向かわされるカンタビレがティアをモースの傘下の場に配属させたという話を聞いて、ティアの事もそうだがレオナの事も思い出して何となくカンタビレの元に行きたいと感じて会いに行くことにした。
「・・・なんだ、リグレット?私に何か用か?」
「・・・お前がそろそろダアトから離れると聞いて、その前に話を聞きたいと思って訪ねさせてもらった。主な理由は何故ティアをモースの傘下に置かせるような事をしたのかに、レオナはどうなのかということをな」
「・・・ティアの事は何となく予想はついたが、レオナの事もだとはな」
・・・それでカンタビレの私室にて、椅子に座り机の書類と対峙しているカンタビレの前に立ったリグレット。
そこで用向きについてティアとレオナにあると告げるリグレットに、カンタビレは険を滲ませた雰囲気が少し和らぎ意外そうな声を漏らす。
「・・・まぁいい。簡潔に答えてやるが、ティアに関してはそうする方がいいと感じたからだ。あいつの様子を見る限りでは何かをやりたいと決心しているようではあったが、モースの元で活動することが最善と信じているようだったからな」
「・・・理由は聞いていないのか、ティアから?」
「何を言ってもそれについては話はせんだろうと感じた上で、興味も無かったからな・・・何をするかは分からずとも、ティアのやろうとすることが失敗するだろうことが何となくは予想が出来ることに」
「・・・失敗と予想出来る、だと?」
それでカンタビレはすぐに気を取り直しティアについて話をするのだが、その中で失敗すると予想する声にリグレットは怪訝そうに表情を歪める。
「これは私がレオナと結構な時間を過ごしてきたからというのもあるから言えることだと思うが、ティアはレオナと比べて壊滅的な程に秘密事であったりポーカーフェイスを保つのに向いてはいない。勿論年齢的に見てまだ未熟であることからそういったことを望むのは酷な部分もあるだろうが、それでもレオナを見てきたからこそそういった部分を求めるには無理がある・・・そう思っている」
「・・・確かにレオナを見ればティアはそう言うことには程遠いタイプに思えるが・・・少しこじつけにも程があると思うぞ」
「あくまで私が言っていることだ、全部真に受けるな・・・まぁもっと言うならモースの元にと願われた際にあいつの目を見た時に思ったことだが、確かに相当に力強い目を浮かべてこそはいた。だがあれだけの目を浮かべていたということはすなわちそれだけの何か、重く重大な決断をしたのだろうとも容易に想像がついたが・・・あれは自分だけでどうにか事態を解決しようと意地と決意を履き違え、自分の物差しのみで事を判断しかねん状態だったと私は見た。それこそ誰にも何も言おうとしないことから、何かあるのかとおかしいと思って問い質そうとしても自分の思うギリギリまでを見定めようとして・・・言うなら取り返しのつかん状態になって、ようやく自分の不手際を悟ってから口にする形でな」
「っ!・・・それは・・・」
カンタビレはレオナとの比較があったからこそ考えに行き着いたといったように言い、そこからティアがいかな事になりかねないかとの予測を告げるとリグレットは衝撃を受けはしたものの否定を返せなかった。ティアならそういうことになりかねないといった可能性を強く感じてしまった為に。
.