死の恐怖、再来
そうハセヲが自分の気持ちにイライラしていると、ふと前方にモンスターの群れを発見した。
「多いな・・・」
群れの様子を見てハセヲは呟く。パッと見ても五十は数は下らない。
「ここで周り道をしてもしかたありません。一気に蹴散らせばセントビナーは目の前です」
「そうですね、早くセントビナーについてアニスと合流しないと・・・」
「んじゃ旦那、早く片付けようぜ」
ジェイドに向けられたガイの言葉を皮切りに三人は一目散に群れにまとまって突っ込んでいく。しかしそんな光景を見て、ハセヲにはある疑問が生じていた。
「ルークとイオンの護衛はいいのかよ・・・」
これは明らかに自分が守らなくてはいけないのではないか?そんな風にハセヲが思っていると、
「何をしているの!早くこっちを手伝って!」
戦いのさなかにいるティアからの叱咤の声がかかってきた。
「・・・いいのかよ」
これは明らかに護衛のいない丸裸の危険状態で、自分が離れれば二人は必然的に危うくなる。そうハセヲは戦術の素人ながらも思った。しかし数は明らかにこちらに不利で、自分が入らなければ三人の危険も強くなる。そう思ったハセヲはうたぐりうたぐりながら、戦場の中へ双剣を手に取り走っていった。
いくらモンスターの群れとはいえ、雑魚しかいない烏合の衆。程なくするとモンスターは数を減らして半分くらいになっていた。
「よし、もう少しで・・・」
終わる、ハセヲがそう言いかけた瞬間群れの中の一頭のサイノッサスが猛然とあらぬ方向へと突撃していった。逃げ出したのかとハセヲが見ていると視線の先には・・・
「・・・ルーク!?ルーク!危ない、よけろ!!」
ルーク達がいた。咄嗟に叫ぶと同時に双剣から双銃へと持ち替える。ルークはいきなりの事で、腰元の剣を抜けずに無防備だ。
(くそっ、間に合え・・・!!)
ハセヲが接触寸前のサイノッサスに向けてトリガーを引く。
‘‘ドン!!’’
「うわぁっ!!」
〈グォォォッ!!〉
二つの重さの違うドンという音が辺りに鳴り響く。その瞬間、ルークはサイノッサスの体当たりで吹き飛ばされ、サイノッサスは絶命の声をあげた。
「ルーク!!」
吹き飛ばされたルークに駆け寄ろうとハセヲが足を向ける。
「ハセヲ!今はルークの事より、敵に集中して!」
・・・は?率直にハセヲの心中に浮かんだのは何言ってる、コイツという疑いの声だった。
「ティアの言う通りにしてください。それに今のは彼の不注意ですよ」
「ルークの傷は・・・たいしたことないか。なら早く片付けてから手当するから少し待ってろよルーク」
続く二人の言葉に更なる怒りを今度はハセヲは覚える。お前達ルークの護衛をするって言ったよな?確かにイオンが様子を見る分にはたいした怪我はないように思える。しかし襲われた事に自分達に責任はないのか?そう一瞬で考えたハセヲの手にはここで使うまいと決めていた武器が双銃の代わりに既に手の中に握り締められていた。
その武器は彼を死の恐怖と言わしめる最大の要因となった、鎌だった。
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「多いな・・・」
群れの様子を見てハセヲは呟く。パッと見ても五十は数は下らない。
「ここで周り道をしてもしかたありません。一気に蹴散らせばセントビナーは目の前です」
「そうですね、早くセントビナーについてアニスと合流しないと・・・」
「んじゃ旦那、早く片付けようぜ」
ジェイドに向けられたガイの言葉を皮切りに三人は一目散に群れにまとまって突っ込んでいく。しかしそんな光景を見て、ハセヲにはある疑問が生じていた。
「ルークとイオンの護衛はいいのかよ・・・」
これは明らかに自分が守らなくてはいけないのではないか?そんな風にハセヲが思っていると、
「何をしているの!早くこっちを手伝って!」
戦いのさなかにいるティアからの叱咤の声がかかってきた。
「・・・いいのかよ」
これは明らかに護衛のいない丸裸の危険状態で、自分が離れれば二人は必然的に危うくなる。そうハセヲは戦術の素人ながらも思った。しかし数は明らかにこちらに不利で、自分が入らなければ三人の危険も強くなる。そう思ったハセヲはうたぐりうたぐりながら、戦場の中へ双剣を手に取り走っていった。
いくらモンスターの群れとはいえ、雑魚しかいない烏合の衆。程なくするとモンスターは数を減らして半分くらいになっていた。
「よし、もう少しで・・・」
終わる、ハセヲがそう言いかけた瞬間群れの中の一頭のサイノッサスが猛然とあらぬ方向へと突撃していった。逃げ出したのかとハセヲが見ていると視線の先には・・・
「・・・ルーク!?ルーク!危ない、よけろ!!」
ルーク達がいた。咄嗟に叫ぶと同時に双剣から双銃へと持ち替える。ルークはいきなりの事で、腰元の剣を抜けずに無防備だ。
(くそっ、間に合え・・・!!)
ハセヲが接触寸前のサイノッサスに向けてトリガーを引く。
‘‘ドン!!’’
「うわぁっ!!」
〈グォォォッ!!〉
二つの重さの違うドンという音が辺りに鳴り響く。その瞬間、ルークはサイノッサスの体当たりで吹き飛ばされ、サイノッサスは絶命の声をあげた。
「ルーク!!」
吹き飛ばされたルークに駆け寄ろうとハセヲが足を向ける。
「ハセヲ!今はルークの事より、敵に集中して!」
・・・は?率直にハセヲの心中に浮かんだのは何言ってる、コイツという疑いの声だった。
「ティアの言う通りにしてください。それに今のは彼の不注意ですよ」
「ルークの傷は・・・たいしたことないか。なら早く片付けてから手当するから少し待ってろよルーク」
続く二人の言葉に更なる怒りを今度はハセヲは覚える。お前達ルークの護衛をするって言ったよな?確かにイオンが様子を見る分にはたいした怪我はないように思える。しかし襲われた事に自分達に責任はないのか?そう一瞬で考えたハセヲの手にはここで使うまいと決めていた武器が双銃の代わりに既に手の中に握り締められていた。
その武器は彼を死の恐怖と言わしめる最大の要因となった、鎌だった。
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