漂流魔王、異物として深淵世界を変える 後編
・・・そしてモース達は程無くしてキムラスカ兵に連れていかれた。不平不満の言葉など当然の形でスルーされるような形で。
「・・・これでダアト主導の預言による政治を終わらせることが出来る、という訳ですね」
「あぁ・・・と言ってもお前ら姉弟にガルディオスの存在が無かったらここまで上手くはいっていなかっただろうな」
「いえ、それも元を糺せばノブナガ殿が俺達一族を助けていただいてこそです。最も、ヴァンがあんな風に行動をしているとバダックから報告を受けてファブレで会った時は驚愕しましたが・・・」
「話を聞けばマルクト側に半ば強引に実験に付き合わされる形で引き剥がされて、ホドを落とさせられたんだったな」
「はい・・・それをファブレで聞いた時には驚きましたが、ヴァンが俺がファブレに復讐の為に入り込んでいるのだろう、ならば時期を見て協力する・・・そう言われた時、バダックからの言葉が無ければ思わずキムラスカとマルクトの関係を言って引き込もうとしていたことを思い出しました。今となってはそれは間違いだったと思いますよ」
その様子を見届けていた信長の元にガイが来て、ヴァンについて話題が移る。
・・・ガイとヴァンは同郷、それもガイが主でヴァンが従者という関係性であった。それがホドの崩落の際にガルディオスを助けようとした際、ヴァンはマクガヴァンの息のかかっていないマルクトの人間に連れていかれた。そこから数年の時が経ちファブレで再会した二人だが、そこでした会話でガイは味方に引き込むことは止めようと決めたのである。下手にそうすれば信長の目論見が潰えることになると、そう考えた為に。
「まぁそんなヴァンもお前らが生きているって知った上でお前の説得のおかげでこっちに協力すると言ってくれたんだがな」
「どっちかと言ったら、あれは諦めに近いと思うんですけどね・・・自分の目的がもう達成出来ないと知ったのもある上で、せめてリグレット達の命を助けようとするためにやむを得ない選択を取ったっていう風な感じが見えましたから」
「それでもお前らが無事でキムラスカに助けられたと聞かなけりゃあいつは素直に頷かなかったろうよ。あいつは人前なら人のいい顔を見せこそするが、その実は味方以外には猜疑心の固まりのような奴だからな。お前じゃなけりゃこっちに協力するなんざ、リグレット達の命がかかってたとしても見捨てる事の方に傾いてたろ」
それで話はヴァンをガイが説得したからこその成功と、信長は答える。
・・・信長はヴァンをバチカルから逃がさないとした時に、ヴァンを利用してダアトを追い詰めることを考えた。それはヴァンの目的がモース達寄りではなく、どちらかと言えば自分達側にあるとヴァンの配下として潜入していたバダックからの報告で出来ないことではないと感じていた。
しかし信長の魔王的な弁舌をもってしても、頑固なヴァンの説得は一筋縄ではいかないと感じていた。その目的もあり。
そこで信長はその説得の場にガイと姉であるマリィを同席させた上で自身らの目的である預言排斥及び、ダアトにローレライ教団の壊滅についての計画を明かした上でそちらの計画を破棄してリグレット達共々協力するなら命は助けると持ち掛け、ヴァンは信長と話すよりガイ達と話した上で考え込み・・・自分も協力すると、リグレット達には自分の意志をしたためた手紙を渡して協力するようにしたのだ。
ただリグレット自身は志半ばで計画が頓挫したことに悔しさを覚えている為、モースにあんな態度を取ったのである。流石に手紙一つではい納得したなどと言えるような簡単な気持ちで行動していない為に。
まぁリグレットの不満を含めた上でもヴァン達を引き込めたのは、やはりガイ達がいてこそなのだ。そうでなければ信長の本性を目の当たりにしたヴァンは自身の性格もあって、一朝一夕に信長を信用するような選択はしなかったであろうから。
.
「・・・これでダアト主導の預言による政治を終わらせることが出来る、という訳ですね」
「あぁ・・・と言ってもお前ら姉弟にガルディオスの存在が無かったらここまで上手くはいっていなかっただろうな」
「いえ、それも元を糺せばノブナガ殿が俺達一族を助けていただいてこそです。最も、ヴァンがあんな風に行動をしているとバダックから報告を受けてファブレで会った時は驚愕しましたが・・・」
「話を聞けばマルクト側に半ば強引に実験に付き合わされる形で引き剥がされて、ホドを落とさせられたんだったな」
「はい・・・それをファブレで聞いた時には驚きましたが、ヴァンが俺がファブレに復讐の為に入り込んでいるのだろう、ならば時期を見て協力する・・・そう言われた時、バダックからの言葉が無ければ思わずキムラスカとマルクトの関係を言って引き込もうとしていたことを思い出しました。今となってはそれは間違いだったと思いますよ」
その様子を見届けていた信長の元にガイが来て、ヴァンについて話題が移る。
・・・ガイとヴァンは同郷、それもガイが主でヴァンが従者という関係性であった。それがホドの崩落の際にガルディオスを助けようとした際、ヴァンはマクガヴァンの息のかかっていないマルクトの人間に連れていかれた。そこから数年の時が経ちファブレで再会した二人だが、そこでした会話でガイは味方に引き込むことは止めようと決めたのである。下手にそうすれば信長の目論見が潰えることになると、そう考えた為に。
「まぁそんなヴァンもお前らが生きているって知った上でお前の説得のおかげでこっちに協力すると言ってくれたんだがな」
「どっちかと言ったら、あれは諦めに近いと思うんですけどね・・・自分の目的がもう達成出来ないと知ったのもある上で、せめてリグレット達の命を助けようとするためにやむを得ない選択を取ったっていう風な感じが見えましたから」
「それでもお前らが無事でキムラスカに助けられたと聞かなけりゃあいつは素直に頷かなかったろうよ。あいつは人前なら人のいい顔を見せこそするが、その実は味方以外には猜疑心の固まりのような奴だからな。お前じゃなけりゃこっちに協力するなんざ、リグレット達の命がかかってたとしても見捨てる事の方に傾いてたろ」
それで話はヴァンをガイが説得したからこその成功と、信長は答える。
・・・信長はヴァンをバチカルから逃がさないとした時に、ヴァンを利用してダアトを追い詰めることを考えた。それはヴァンの目的がモース達寄りではなく、どちらかと言えば自分達側にあるとヴァンの配下として潜入していたバダックからの報告で出来ないことではないと感じていた。
しかし信長の魔王的な弁舌をもってしても、頑固なヴァンの説得は一筋縄ではいかないと感じていた。その目的もあり。
そこで信長はその説得の場にガイと姉であるマリィを同席させた上で自身らの目的である預言排斥及び、ダアトにローレライ教団の壊滅についての計画を明かした上でそちらの計画を破棄してリグレット達共々協力するなら命は助けると持ち掛け、ヴァンは信長と話すよりガイ達と話した上で考え込み・・・自分も協力すると、リグレット達には自分の意志をしたためた手紙を渡して協力するようにしたのだ。
ただリグレット自身は志半ばで計画が頓挫したことに悔しさを覚えている為、モースにあんな態度を取ったのである。流石に手紙一つではい納得したなどと言えるような簡単な気持ちで行動していない為に。
まぁリグレットの不満を含めた上でもヴァン達を引き込めたのは、やはりガイ達がいてこそなのだ。そうでなければ信長の本性を目の当たりにしたヴァンは自身の性格もあって、一朝一夕に信長を信用するような選択はしなかったであろうから。
.