「・・・そちらからしたなら信じられない、もしくは信じたくない事でしょう・・・ですがこの情報はバチカル、それもインゴベルト陛下から直々に書状が送られてきたのです。そして今現在ケセドニアに漂う導師達が感じた空気は、別途でキムラスカの領事館に送られた同じ内容の書状のその中身を明かしたからこそになります」
「ま、待てアスターよ！・・・そ、その中身・・・と言うか、預言は何だったのだ・・・！？」
「・・・端的に言うならアクゼリュスが聖なる焔の光と共に消滅した後、キムラスカとマルクトで戦争が起きてマルクトが滅びると言った内容です」
「っ・・・！」
アスターはその空気に話を続けていくがモースが恐る恐ると預言について尋ねるが、その返答の中身に愕然として冷や汗を浮かべる。知られたくなかったことを知られた、とばかりに。
「モース・・・貴方、まさか・・・！」
「少々お待ちを導師・・・大詠師に何かお聞きしたいのは分かりますが、今はもうそれどころではありません」
「それどころではないとは、何があると言うんですか・・・今の状況で・・・！」
「・・・インゴベルト陛下より送られた書状には続きというか、まだ他にもあるのです。その中身の一つに要約すれば、ピオニー陛下の返答待ちという状況でこそあるが是と返ってきた場合には同盟という形でダアトを共に攻めるとありました」
「「「！？」」」
イオンもその姿にたまらず追求をしようとしたがアスターが制止をかけた上で書状の中身を更に打ち明けたことに、焦りはすぐに霧散しモース達と共に再び驚愕した。同盟・・・つまりはキムラスカだけでなくマルクトにまでダアトが攻められる可能性があるとの中身に。
「更に書状の中身を申し上げますなら、現在キムラスカは国内に常駐及び何らかの用事で来ているローレライ教団に神託の盾の者達を一斉に国外退去とするべく動いているそうですが、もしマルクトとの話し合いが書状の通りになったとするならマルクトもまたキムラスカと同じような処置を取る可能性は極めて高いと思われます・・・何故ならキムラスカに同調するのならこの書状に書かれた預言の中身を真実と判断し、ローレライ教団にダアトの人間・・・そして預言の事など信じてなるものかと判断したと同義になるのですから」
「っ！・・・つ、つまり・・・もしマルクトがキムラスカの言葉に頷いたとなったら、ダアトに関連する者達は両国のどちらにも向かえずいられなくなるばかりか、行き場がダアト以外に無くなる・・・と言うことですか・・・！？」
「はい。そしてマルクトがキムラスカに対して首を横に振る事態になる可能性は極めて低い、私はそう見ています・・・戦争になり負けるとそう詠まれた預言があるのに、敢えてそれでもそちらの道に向かうと言った考えを持つなど到底有り得ない考えですからね。ですからこそキムラスカに同調するとなれば、マルクトもまたダアトに関連する人々の国外退去を推し進める事でしょう・・・敵となる者達を国に残さないようにするために」
「「「・・・っ！」」」
その上でダアト関連の人間を追い出す行動をキムラスカが取ると共にマルクトも同じように行動する、そう根拠と共に語るアスターにイオン達は絶句した。否定しようにも否定が出来ないあまりにもキムラスカとマルクトの視点からすれば妥当な中身であったが為に。









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