漂流魔王、異物として深淵世界を変える 前編
「今の状況でお前に出来る事は二つ・・・侍女もそうだが王妃にナタリアにお前の娘を守る為に専任で極秘の護衛につくか、噂を聞いた上で傷心したフリをするかだがお前が侍女・・・まぁ名前を聞いたからシルヴィアって言うが、シルヴィアの死を知って傷心も無くバチカルから出ていく様子も無ければどういうことかとなるだろう。まぁ一度バチカルを出てもう一度秘密にこっちに戻りゃどうとでもなるだろうが・・・その死に対し、お前がどう思うかという反応が気になる奴も出てくるだろう。お前も少なからずバチカルに出入りしている身で、知り合いやら何やら少なからずいるだろうからな」
「・・・そうですね・・・確かに少なからず顔見知りの者もいますし、あまり私自身何も知らない状況でシルヴィアが死んだと知らされて平然としている姿などその者達には想像が出来ないと思われます。そう考えれば私はバチカルから出る方が自然かと思いますが、そうなった時に妻に娘の安全は保証していただけるのですか・・・?」
「そっちについちゃ安心しろ。ダアトの目論見を打ち砕くって意味が大きいのは否定しねぇが、お前の嫁に娘は別にキムラスカに反逆した訳じゃねぇし娘には頻繁にじゃねぇがナタリアとして表に出てもらわないといけないからな。そこは持ちつ持たれつの関係とでも思っとけ。互いにダアトを騙すんだからよ」
「・・・それなら安心出来ると言いたいのですが・・・失礼を承知で言わせていただきますが、そのような言い方をしてよろしいのですか?こう言った場合、家の名にかけてといったような言葉で誓いを立てる物かと思うのですが・・・」
「そんなもんが信用に値するなんざ思っちゃいねぇからだよ」
「・・・は・・・?」
信長は一応選択肢は二つあると告げた上で話を進めていきバダックは納得しつつも歯に衣着せぬ言い方でいいのかと問うが、真剣な様子をガラリと変えてコメディチックな絵のタッチになりキッパリ役に立たない事だと返した姿に思わずキョトンとしてしまった。貴族として、あまりにもらしくない信長の言葉に。
「・・・ま、その辺りの事は気にするな。そっちも根拠のねぇ偉そうな前口上聞くより、ちゃんとした理由付けのある言葉の方が安心出来るだろ」
「ま、まぁそれはそうですが・・・」
「なら決まりだ・・・お前の嫁に娘は王妃に本当のナタリアと共に基本的に隠れて生活してもらうから頻繁には会えないが、そこは納得してもらう。下手に王妃達の生存がバレるようなことになれば、ダアトがどういった行動に出るかは分からんからな」
「それは、仕方の無いことと思います・・・シルヴィアもそれを承知で庇護を受け入れるというのに、私のわがままで事を台無しにしてしまうようなことにはしたくはありませんから・・・」
ただすぐに雰囲気を元に戻して話を進める信長に、バダックは苦い表情を見せつつも頷く。最愛の妻に娘とまともな家族としての時間を過ごせない事を我慢せねばならぬと、考えとしては理解はしても感情はまだ抑えきれない為に。
・・・そこからバダックは信長と話を進めて情報のやり取りについて、国の上層部にではなく信長の方に情報を渡すことになった。この辺りはインゴベルトとクリムゾンだけならまだしも他の貴族を始めとした人物達に事実がバレれば面倒になるため、信長経由の方がいいと当人達で話し合った結果である。
その上でバダックは表向きはバチカルから離れ各地を放浪をしながら傭兵をしているといったように振る舞い、信長へと時折情報を送っていった。そしてその傍らで王妃達一行は極秘に場所を移動し、安全な所に移った。
・・・そんな風にしてバダックを引き込み、2年が経った時にまた信長はインゴベルトの私室でクリムゾンと共に顔を合わせていた。
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「・・・そうですね・・・確かに少なからず顔見知りの者もいますし、あまり私自身何も知らない状況でシルヴィアが死んだと知らされて平然としている姿などその者達には想像が出来ないと思われます。そう考えれば私はバチカルから出る方が自然かと思いますが、そうなった時に妻に娘の安全は保証していただけるのですか・・・?」
「そっちについちゃ安心しろ。ダアトの目論見を打ち砕くって意味が大きいのは否定しねぇが、お前の嫁に娘は別にキムラスカに反逆した訳じゃねぇし娘には頻繁にじゃねぇがナタリアとして表に出てもらわないといけないからな。そこは持ちつ持たれつの関係とでも思っとけ。互いにダアトを騙すんだからよ」
「・・・それなら安心出来ると言いたいのですが・・・失礼を承知で言わせていただきますが、そのような言い方をしてよろしいのですか?こう言った場合、家の名にかけてといったような言葉で誓いを立てる物かと思うのですが・・・」
「そんなもんが信用に値するなんざ思っちゃいねぇからだよ」
「・・・は・・・?」
信長は一応選択肢は二つあると告げた上で話を進めていきバダックは納得しつつも歯に衣着せぬ言い方でいいのかと問うが、真剣な様子をガラリと変えてコメディチックな絵のタッチになりキッパリ役に立たない事だと返した姿に思わずキョトンとしてしまった。貴族として、あまりにもらしくない信長の言葉に。
「・・・ま、その辺りの事は気にするな。そっちも根拠のねぇ偉そうな前口上聞くより、ちゃんとした理由付けのある言葉の方が安心出来るだろ」
「ま、まぁそれはそうですが・・・」
「なら決まりだ・・・お前の嫁に娘は王妃に本当のナタリアと共に基本的に隠れて生活してもらうから頻繁には会えないが、そこは納得してもらう。下手に王妃達の生存がバレるようなことになれば、ダアトがどういった行動に出るかは分からんからな」
「それは、仕方の無いことと思います・・・シルヴィアもそれを承知で庇護を受け入れるというのに、私のわがままで事を台無しにしてしまうようなことにはしたくはありませんから・・・」
ただすぐに雰囲気を元に戻して話を進める信長に、バダックは苦い表情を見せつつも頷く。最愛の妻に娘とまともな家族としての時間を過ごせない事を我慢せねばならぬと、考えとしては理解はしても感情はまだ抑えきれない為に。
・・・そこからバダックは信長と話を進めて情報のやり取りについて、国の上層部にではなく信長の方に情報を渡すことになった。この辺りはインゴベルトとクリムゾンだけならまだしも他の貴族を始めとした人物達に事実がバレれば面倒になるため、信長経由の方がいいと当人達で話し合った結果である。
その上でバダックは表向きはバチカルから離れ各地を放浪をしながら傭兵をしているといったように振る舞い、信長へと時折情報を送っていった。そしてその傍らで王妃達一行は極秘に場所を移動し、安全な所に移った。
・・・そんな風にしてバダックを引き込み、2年が経った時にまた信長はインゴベルトの私室でクリムゾンと共に顔を合わせていた。
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