揺らがぬ愛と思うは一人ばかり
「・・・貴方はキムラスカを憎くないと言いました。それは貴方にとっては真実なのでしょう。ですが貴方の考え方に行動はキムラスカに被害を与えている上に、貴方の言葉通り野に放つようなことをすればどうなるか分かりません・・・かつて貴方と幼い頃にした約束、あれを反故にしたような行動をされた以上尚更です」
「約、束・・・!」
「あら、覚えていたのですか?貴方がダアトに連れていかれる前、私達だけで交わした約束を」
「忘れるものか・・・!」
そこから更に会話を広げていくナタリアだが約束と出た事に、アッシュの目と声に一気に力が戻る。
「・・・ただ生憎ですが、もうその約束も果たせそうも無いでしょうね。貴方はカイツールを自らの考えを優先させるために襲わせた上、今もキムラスカに戻る事はないと言っていてそんな考えを貫こうとしているのですから」
「なっ・・・!?」
だがすかさずそんなものは意味がないとばかりに突き放す言葉を向けるナタリアにアッシュは再び絶句した、かつての約束はもう意味がない物となっているといった中身に。
「・・・そもそもを考えていなかったのですか?あのルークを貴方が殺したとして、貴方はキムラスカに戻るつもりはないと言った。それはつまり様々な事情があることを差し引いたとしても、キムラスカから『ルーク=フォン=ファブレ』という次期王となる存在を消すことと同義です・・・それを貴方は自らの考えに感情を持って、押し通そうとした。そんな貴方に約束を忘れていないというだけならともかくそれを果たすつもりだなどと言われたところで、信じるに値しませんわ。キムラスカに戻らないばかりか、被害までもを与えている・・・もしくはこれから与えようとする可能性のある方などね」
「!?・・・そん、な・・・」
・・・そして最後のだめ押しとばかりにナタリアが約束など意味がないと実害を含めて信用がないと口にした事に、とうとうアッシュは衝撃を受けて膝から崩れ落ち呆然とした表情を浮かべた。ナタリアに言い訳も出来ない否定を送られたことを理解して。
「・・・しばらくそこでゆっくりしていてください。時間はまだあるのですから・・・」
ナタリアはその姿に別れの言葉を残して背を向け牢から去っていく、心が完全に折れたアッシュは最早何もその姿に言えないために引き止める言葉をかけられることもなく・・・
「・・・お疲れ様でした、お嬢様」
「ウォルター、お茶を入れてくださいまし。喉が渇きました」
「そう言われると思い、準備しておりました。すぐにお入れします」
「相変わらずパーフェクトですわね、ウォルター」
・・・そして自室に戻ったナタリアは自身付きの執事であるウォルターのうやうやしい礼を受けた後、すぐに茶を要求するとすかさず脇に置いてあったティーセットへと手を伸ばす。ナタリアはそれを誉めながら机の椅子へと腰を落ち着ける。
「・・・どうぞ、お嬢様」
「ん・・・やはりウォルターの入れたお茶は美味しいですわね」
「感謝の極み」
それでウォルターの出した茶を受け取り口にするナタリアは素直な感想を口にし、執事としての礼を持って返す。
「・・・それで、結果はどうだったのですか?お嬢様」
「貴方の予想通りでしたわ、ウォルター・・・アッシュはキムラスカ、引いては私の為になる人材ではない。むしろ足を引っ張る存在以外の何物でもないと改めて認識しました」
「では彼は始末されるので?」
「えぇ。ルークはいますから問題ありませんので、叔父様達に話をして納得を得た後に始末をお願いしますウォルター」
「御意」
そこからウォルターは静かにだが緊迫した空気を滲ませ経過を確認すると、ナタリアがあっさり何事もないかのようカップに口づけながら始末と言ったことにこれまた何事もないかのよう簡潔に返す。始末をすると了承する形で。
.
「約、束・・・!」
「あら、覚えていたのですか?貴方がダアトに連れていかれる前、私達だけで交わした約束を」
「忘れるものか・・・!」
そこから更に会話を広げていくナタリアだが約束と出た事に、アッシュの目と声に一気に力が戻る。
「・・・ただ生憎ですが、もうその約束も果たせそうも無いでしょうね。貴方はカイツールを自らの考えを優先させるために襲わせた上、今もキムラスカに戻る事はないと言っていてそんな考えを貫こうとしているのですから」
「なっ・・・!?」
だがすかさずそんなものは意味がないとばかりに突き放す言葉を向けるナタリアにアッシュは再び絶句した、かつての約束はもう意味がない物となっているといった中身に。
「・・・そもそもを考えていなかったのですか?あのルークを貴方が殺したとして、貴方はキムラスカに戻るつもりはないと言った。それはつまり様々な事情があることを差し引いたとしても、キムラスカから『ルーク=フォン=ファブレ』という次期王となる存在を消すことと同義です・・・それを貴方は自らの考えに感情を持って、押し通そうとした。そんな貴方に約束を忘れていないというだけならともかくそれを果たすつもりだなどと言われたところで、信じるに値しませんわ。キムラスカに戻らないばかりか、被害までもを与えている・・・もしくはこれから与えようとする可能性のある方などね」
「!?・・・そん、な・・・」
・・・そして最後のだめ押しとばかりにナタリアが約束など意味がないと実害を含めて信用がないと口にした事に、とうとうアッシュは衝撃を受けて膝から崩れ落ち呆然とした表情を浮かべた。ナタリアに言い訳も出来ない否定を送られたことを理解して。
「・・・しばらくそこでゆっくりしていてください。時間はまだあるのですから・・・」
ナタリアはその姿に別れの言葉を残して背を向け牢から去っていく、心が完全に折れたアッシュは最早何もその姿に言えないために引き止める言葉をかけられることもなく・・・
「・・・お疲れ様でした、お嬢様」
「ウォルター、お茶を入れてくださいまし。喉が渇きました」
「そう言われると思い、準備しておりました。すぐにお入れします」
「相変わらずパーフェクトですわね、ウォルター」
・・・そして自室に戻ったナタリアは自身付きの執事であるウォルターのうやうやしい礼を受けた後、すぐに茶を要求するとすかさず脇に置いてあったティーセットへと手を伸ばす。ナタリアはそれを誉めながら机の椅子へと腰を落ち着ける。
「・・・どうぞ、お嬢様」
「ん・・・やはりウォルターの入れたお茶は美味しいですわね」
「感謝の極み」
それでウォルターの出した茶を受け取り口にするナタリアは素直な感想を口にし、執事としての礼を持って返す。
「・・・それで、結果はどうだったのですか?お嬢様」
「貴方の予想通りでしたわ、ウォルター・・・アッシュはキムラスカ、引いては私の為になる人材ではない。むしろ足を引っ張る存在以外の何物でもないと改めて認識しました」
「では彼は始末されるので?」
「えぇ。ルークはいますから問題ありませんので、叔父様達に話をして納得を得た後に始末をお願いしますウォルター」
「御意」
そこからウォルターは静かにだが緊迫した空気を滲ませ経過を確認すると、ナタリアがあっさり何事もないかのようカップに口づけながら始末と言ったことにこれまた何事もないかのよう簡潔に返す。始末をすると了承する形で。
.