蒼き龍を選び、復讐者を拒絶せん
「・・・あの、政宗様・・・その人は一体何なんですか?」
「・・・気にすんなって言いてぇが、気になるのが普通だな。まぁこっちで片付けるから、お前はもう行っていいぞ」
「・・・はい、分かりました。では・・・」
男も流石にガイの様子に不安そうに伺いを立てるが、政宗が場を離れるように言えば何とも言えない様子で場を立ち去っていった。
「・・・おい、ガイ。大丈夫か?」
「・・・あっ、あぁ・・・次の、人の所に、頼む・・・」
「・・・あぁ」
政宗もまた覗き込むようにしながら心配の声をかけると、ガイは何とか返答をするが衝撃に立ち直れていない様子である。それを承知しながらも政宗は了承を返す・・・ガイに次の住民を紹介するために。
・・・ガイはホドの生き残りがガルディオス、もっと言うなら自分が来ることを望んでいたという言葉を聞きたかった。そう政宗達が察することが出来たのは、次々に住民から最初の男と同じような反応が返ってきて次第に憔悴しきっていくのが見えたからだ。
だがそれもそうだろう。ここにいる住民は政宗に命を救われ、今も尚領主という形で自分達を守ってくれているのだ。なのにそこで政宗には感謝しているがやっぱり自分はホドの民だからガルディオスに忠誠を誓っているし、今もその帰りを待っている・・・などと思う者はまずいないだろう。よしんばそう思う者がいたとしても、流石に政宗が付いている状況で堂々とそんなことを言えるような度胸がある者などそうそういないだろう。何せ政宗はここの住民にとって、紛れもない救世主なのだから。
しかしガルディオスはまだ求められている物と思うガイにとって、それらは残酷な事実としかならなかった。最早ガルディオスは過去の物なのであると、それを他ならぬホドの生き残りから言われたも同然な為に。
「・・・何故、だ・・・なんで、こんな・・・皆、同じような事を・・・」
・・・そんなことを何人繰り返しただろうか。
またしても目の前の男から同じ反応が返ってきた事に、ガイから深い絶望を伴った声が漏れてきた。聞く者が聞けば、不気味に思う声が。
「・・・小十郎、もう戻すぞ」
「御意、政宗様」
「あぁぁぁぁぁぁっ!」
‘キィィィンッ!’
「チッ・・・!」
政宗もただならぬ空気を感じて小十郎に戻すと声をかける・・・が、その瞬間気の触れた叫び声がガイから放たれると共に刀に手をかけ抜刀した。しかし目の前の男を狙ったその刀は小十郎の抜いた刀により防ぎ、受け止められた。
「・・・何故邪魔をする小十郎!こいつは、こいつらは!ガルディオスの民だということを忘れて政宗に忠誠を誓ったんだぞ!」
「今更のテメェの都合になんざ合わせる程、安っぽい忠誠なんざ持ち合わせちゃいねぇ!それほどの忠誠を政宗様に誓ってんだ、ここの野郎共は!」
ガイは鍔迫り合いの体勢で刀を押しつつ小十郎に裏切ったのはホドの民だと言わんばかりに激昂するが、全く押された様子もなく義憤を持って返す。
‘ゴッ’
「ガッ・・・!?」
「・・・もう寝てな」
そんなやり取りの中で政宗はガイの首筋に鞘がついた刀を勢いよく降り下ろし、無理矢理気絶させた。
「・・・う、ん・・・こ、ここは・・・また、牢の中・・・っ!」
・・・そしてしばらくして、気絶から目を覚ましたガイは辺りを見渡していきそこが自分が入れられていた牢と気付きハッとして立ち上がる。
「・・・気付いたか」
「ハッ、政宗!・・・刀が!?」
「一応前は暴れることはねぇだろうと思ったから取り上げねぇでおいてやったが、二度目はねぇよ」
「・・・っ!」
そんなタイミングを見計らったように牢の前に現れた政宗に、ガイは刀を抜こうとするが腰元に刀が無いことに気付き政宗の言葉に怒りの目を向ける。
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「・・・気にすんなって言いてぇが、気になるのが普通だな。まぁこっちで片付けるから、お前はもう行っていいぞ」
「・・・はい、分かりました。では・・・」
男も流石にガイの様子に不安そうに伺いを立てるが、政宗が場を離れるように言えば何とも言えない様子で場を立ち去っていった。
「・・・おい、ガイ。大丈夫か?」
「・・・あっ、あぁ・・・次の、人の所に、頼む・・・」
「・・・あぁ」
政宗もまた覗き込むようにしながら心配の声をかけると、ガイは何とか返答をするが衝撃に立ち直れていない様子である。それを承知しながらも政宗は了承を返す・・・ガイに次の住民を紹介するために。
・・・ガイはホドの生き残りがガルディオス、もっと言うなら自分が来ることを望んでいたという言葉を聞きたかった。そう政宗達が察することが出来たのは、次々に住民から最初の男と同じような反応が返ってきて次第に憔悴しきっていくのが見えたからだ。
だがそれもそうだろう。ここにいる住民は政宗に命を救われ、今も尚領主という形で自分達を守ってくれているのだ。なのにそこで政宗には感謝しているがやっぱり自分はホドの民だからガルディオスに忠誠を誓っているし、今もその帰りを待っている・・・などと思う者はまずいないだろう。よしんばそう思う者がいたとしても、流石に政宗が付いている状況で堂々とそんなことを言えるような度胸がある者などそうそういないだろう。何せ政宗はここの住民にとって、紛れもない救世主なのだから。
しかしガルディオスはまだ求められている物と思うガイにとって、それらは残酷な事実としかならなかった。最早ガルディオスは過去の物なのであると、それを他ならぬホドの生き残りから言われたも同然な為に。
「・・・何故、だ・・・なんで、こんな・・・皆、同じような事を・・・」
・・・そんなことを何人繰り返しただろうか。
またしても目の前の男から同じ反応が返ってきた事に、ガイから深い絶望を伴った声が漏れてきた。聞く者が聞けば、不気味に思う声が。
「・・・小十郎、もう戻すぞ」
「御意、政宗様」
「あぁぁぁぁぁぁっ!」
‘キィィィンッ!’
「チッ・・・!」
政宗もただならぬ空気を感じて小十郎に戻すと声をかける・・・が、その瞬間気の触れた叫び声がガイから放たれると共に刀に手をかけ抜刀した。しかし目の前の男を狙ったその刀は小十郎の抜いた刀により防ぎ、受け止められた。
「・・・何故邪魔をする小十郎!こいつは、こいつらは!ガルディオスの民だということを忘れて政宗に忠誠を誓ったんだぞ!」
「今更のテメェの都合になんざ合わせる程、安っぽい忠誠なんざ持ち合わせちゃいねぇ!それほどの忠誠を政宗様に誓ってんだ、ここの野郎共は!」
ガイは鍔迫り合いの体勢で刀を押しつつ小十郎に裏切ったのはホドの民だと言わんばかりに激昂するが、全く押された様子もなく義憤を持って返す。
‘ゴッ’
「ガッ・・・!?」
「・・・もう寝てな」
そんなやり取りの中で政宗はガイの首筋に鞘がついた刀を勢いよく降り下ろし、無理矢理気絶させた。
「・・・う、ん・・・こ、ここは・・・また、牢の中・・・っ!」
・・・そしてしばらくして、気絶から目を覚ましたガイは辺りを見渡していきそこが自分が入れられていた牢と気付きハッとして立ち上がる。
「・・・気付いたか」
「ハッ、政宗!・・・刀が!?」
「一応前は暴れることはねぇだろうと思ったから取り上げねぇでおいてやったが、二度目はねぇよ」
「・・・っ!」
そんなタイミングを見計らったように牢の前に現れた政宗に、ガイは刀を抜こうとするが腰元に刀が無いことに気付き政宗の言葉に怒りの目を向ける。
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