蒼き龍を選び、復讐者を拒絶せん
「テメェが今仕えているのはファブレにひいてはルークとやらだろう。例え復讐を果す為に雌伏の時を待つ形を取ってはいてもな。だがそれで人前で主を蔑ろに、テメェに分かりやすく言うならタメ口で話すなんざ言語道断だ」
「だ、だからあれはルークが望んだからであって・・・」
「望んだからで他国の人間、それも国の代表がいる中でタメ口が大丈夫だとでも思ってんのか?・・・そういう時だからこそ従者は主を諌めて自らを律し、場にいる人間として恥じねぇ振る舞いをするもんだろうが!」
「っ!!」
小十郎が従者として何が大事なのか、それを語っていくのだが未だ自分のせいではないとガイが悪あがきに声を揺らし・・・小十郎の怒りの想いがありありとこめられた喝をぶつけられ、ビクッと大きく体を揺らした。
「テメェも幼いながらもガルディオスって立場で貴族生活をした上で、ファブレって貴族に滅私奉公したんなら少なくとも周りを見たら分かるだろうが!テメェの態度が従者としていかに主をなめ腐ってるのかを!それともファブレはテメェのような態度で四六時中通すような輩がいるのが普通だってのか!あぁ!?」
「っ・・・こ、小十郎・・・」
「・・・何熱くなってんだよ、小十郎」
「はっ・・・政宗様・・・」
そしてそこでタガが外れたのだろう・・・一気にヒートアップして牢越しに腕を伸ばして胸ぐらを掴み怒声を浴びせる姿にガイも流石に震えるが、場に来た政宗の呆れ声にハッとして小十郎は手を離して政宗へと向き直る。
「どうされたのですか、ここまで来て?」
「手紙を書いてる時に茶でもと思ったんだが、飯を用意してるはずの小十郎がいなかったんでな。まだ牢にいるかと思って来てみたんだよ・・・こんなことになってるなんざ、思いもしなかったがな」
「すみません、政宗様・・・」
「いや、構わねぇさ。お前も言いたいことがあったんだろうしよ」
「っ・・・」
すぐさま先の苛烈さなど匂わせる事なくうやうやしく頭を下げ申し訳無いとする小十郎に、気楽そうに返す政宗を見てガイは唖然としたような表情を浮かべていた。
「・・・ま、話はこれくらいにしといて改めて食事を出してやれ。俺は今度こそ茶をもらってから手紙を書くからよ」
「ハッ、政宗様」
そんなガイを一瞥してから政宗は小十郎に命を出し、二人は共に場を後にしていく。
「・・・政宗はあの小十郎に完全に主として、見定められてるっていうのか・・・あそこまで俺にキレてたっていうのに、政宗が現れた瞬間あんな風に大人しく、それも敬う様子を忘れず・・・あれが本物の従者としての姿なのか?・・・いや、そうだとしたなら俺は・・・小十郎に、完全にガルディオスの人間として認めてもらってないってことなのか・・・!?」
・・・今、ガイの中である方程式が成り立ち戦慄に満ちた考えが出てきた。それは従者としての考え方に行動の在り方を強く示した小十郎の態度通りなら、自分はガルディオスとしても貴い立場としても認められていないのではと。
次第にその考えが恐怖となってガイの顔色を青く染め上げていく・・・自分がガルディオスの生き残りだと知られたなら無条件で同情された上でマルクトに戻ったなら爵位を約束されるべき位置にあると心の中で意識せずに考えていた面があるため、それが否定されたかのような気持ちになり・・・
「すみません、政宗様・・・」
「構わねぇって言ったろ、小十郎。それよっか多分この数日でガイはactionを起こす。あの様子じゃな・・・だからその時が来たら教えろ、対処する」
「ハッ、承知しました」
・・・それで政宗の部屋に来た小十郎は政宗に向かって頭を下げるが、気にするなと言うばかりかガイの行動の予兆を感じたら教えるようにと主として命を出す姿にすかさず臣下として頭を下げた。了承する形で。
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「だ、だからあれはルークが望んだからであって・・・」
「望んだからで他国の人間、それも国の代表がいる中でタメ口が大丈夫だとでも思ってんのか?・・・そういう時だからこそ従者は主を諌めて自らを律し、場にいる人間として恥じねぇ振る舞いをするもんだろうが!」
「っ!!」
小十郎が従者として何が大事なのか、それを語っていくのだが未だ自分のせいではないとガイが悪あがきに声を揺らし・・・小十郎の怒りの想いがありありとこめられた喝をぶつけられ、ビクッと大きく体を揺らした。
「テメェも幼いながらもガルディオスって立場で貴族生活をした上で、ファブレって貴族に滅私奉公したんなら少なくとも周りを見たら分かるだろうが!テメェの態度が従者としていかに主をなめ腐ってるのかを!それともファブレはテメェのような態度で四六時中通すような輩がいるのが普通だってのか!あぁ!?」
「っ・・・こ、小十郎・・・」
「・・・何熱くなってんだよ、小十郎」
「はっ・・・政宗様・・・」
そしてそこでタガが外れたのだろう・・・一気にヒートアップして牢越しに腕を伸ばして胸ぐらを掴み怒声を浴びせる姿にガイも流石に震えるが、場に来た政宗の呆れ声にハッとして小十郎は手を離して政宗へと向き直る。
「どうされたのですか、ここまで来て?」
「手紙を書いてる時に茶でもと思ったんだが、飯を用意してるはずの小十郎がいなかったんでな。まだ牢にいるかと思って来てみたんだよ・・・こんなことになってるなんざ、思いもしなかったがな」
「すみません、政宗様・・・」
「いや、構わねぇさ。お前も言いたいことがあったんだろうしよ」
「っ・・・」
すぐさま先の苛烈さなど匂わせる事なくうやうやしく頭を下げ申し訳無いとする小十郎に、気楽そうに返す政宗を見てガイは唖然としたような表情を浮かべていた。
「・・・ま、話はこれくらいにしといて改めて食事を出してやれ。俺は今度こそ茶をもらってから手紙を書くからよ」
「ハッ、政宗様」
そんなガイを一瞥してから政宗は小十郎に命を出し、二人は共に場を後にしていく。
「・・・政宗はあの小十郎に完全に主として、見定められてるっていうのか・・・あそこまで俺にキレてたっていうのに、政宗が現れた瞬間あんな風に大人しく、それも敬う様子を忘れず・・・あれが本物の従者としての姿なのか?・・・いや、そうだとしたなら俺は・・・小十郎に、完全にガルディオスの人間として認めてもらってないってことなのか・・・!?」
・・・今、ガイの中である方程式が成り立ち戦慄に満ちた考えが出てきた。それは従者としての考え方に行動の在り方を強く示した小十郎の態度通りなら、自分はガルディオスとしても貴い立場としても認められていないのではと。
次第にその考えが恐怖となってガイの顔色を青く染め上げていく・・・自分がガルディオスの生き残りだと知られたなら無条件で同情された上でマルクトに戻ったなら爵位を約束されるべき位置にあると心の中で意識せずに考えていた面があるため、それが否定されたかのような気持ちになり・・・
「すみません、政宗様・・・」
「構わねぇって言ったろ、小十郎。それよっか多分この数日でガイはactionを起こす。あの様子じゃな・・・だからその時が来たら教えろ、対処する」
「ハッ、承知しました」
・・・それで政宗の部屋に来た小十郎は政宗に向かって頭を下げるが、気にするなと言うばかりかガイの行動の予兆を感じたら教えるようにと主として命を出す姿にすかさず臣下として頭を下げた。了承する形で。
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