二人の王女の在り方と周りの評判

・・・そして色々あってルークとガイを残し、ファブレ邸から出たティア達。
「・・・随分差があったな・・・ミレーユとナタリア様・・・」
「分かっているでしょうがそれを言ってはいけませんよ、アニス」
「分かってますよぅ・・・」
そこでジェイドとアニスはティアとイオンに聞こえないよう会話をするが、その中身は明らかにミレーユとナタリアの二人に差があると示していた。










・・・ナタリアという存在に会ったのは初めての二人だが、二人共に同じ事を感じていた。それはミレーユとは明らかに違い、ナタリアの方は人間として未成熟だと。

それはファブレ邸でルークやガイ達に対して人がいるにも関わらず何時ものように対応していた姿から判断したのだ。公私の使い分けは出来なかったのかと。その上でもしミレーユとナタリアの立場が逆だとしたなら、ミレーユはそつなく私心を隠した上でうまく対応したであろうとも。

・・・ジェイドとアニスはティアの起こした行動についての意味を理解しているというか、正確にはミレーユにより知らされた。だからこそナタリアがティアについてキムラスカのバチカル・・・それもファブレ邸という場所で特に何もしなかったことに尚驚いた。だがその答えはナタリアを見てみれば簡単だった・・・ナタリアはミレーユより事態を把握していないからこそ、あぁも呑気でティアについてを深く触れることもなかったのだと。

そう言った風にナタリアを見たからこそ二人は格下と見たのだ。ミレーユより人としての格は低いと。









「・・・大佐。もしティアについて何か言われたら出来れば私を援護してくださいね」
「・・・イオン様でなく貴女を、ですか?」
「ミレーユが何かするとは思えないけど、これからどうなるか分からないし・・・」
「・・・分かりました、出来る限りでいいなら協力しますよ。下手にこちらに飛び火すれば面倒なだけですからね」
「ありがとうございます、大佐・・・」
・・・そんな時、アニスが突然真剣に切り出した要請に意味深にジェイドは問い返す。アニスは直接的に答えずに返すがジェイドにしては珍しく協力をすると言い、疲れたような声で礼を言った。









・・・ジェイドとアニスは考える。この事態がキムラスカとマルクトの和平でめでたしめでたしですんなりと終わる事はないのではと。その最も足るものがやはりティアの件、である。

いくらなんでもルークとミレーユの二人をバチカルから誘拐まがいに連れ出した件が、バチカルに戻ったからとはい全部無かったことだとなるわけがない。だが肝心のティアもそうだがイオンはそれで終わりと思っている節があると、ファブレ邸でのやり取りから感じていた。

故に事が起きたなら確実に大事になると思っている二人は通じあったのだ。いざとなればティアの行動は自分達と関係無い物にしようと・・・


















・・・ミレーユとナタリアの二人の違い。そこに触れることにより、本来の関係と変わっていく面々。

しかしミレーユも含めてまだ誰も知らなかった・・・ここから先、文字通り世界の命運をかけた旅をしなければならないこと・・・そして、ナタリアに降りかかる真実の事を・・・









END









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