二人の王女の在り方と周りの評判
(ミレーユ王女は掴み所がないというよりは、私からして掴み所が分かりませんからね・・・ティアの事に関してもどれだけ彼女の事を想って言ったことかは分かりませんが、少なくともやったことの大きさは理解しているでしょうしね。ミレーユ王女のこれまでの旅の様子に器量を考えると・・・もし何かあったなら私にマルクトが巻き込まれるような事態を避けるために態度を崩さなかったのに、今更それを崩してまでティアを助けるなどそれこそ馬鹿としか言えません)
・・・そして当人の能力が高いと見ているからこそこれまでの中で尚ジェイドは慎重にミレーユに対応すると決めて動いているし、ティアともミレーユと違った意味で関係を深くするのを拒みもした。
何かあればティアとは我関せずを貫く気満々なジェイドは必要以上に口を挟むつもりもなく、目の前のやり取りを注視する。
「・・・では上に行きましょう。お義父様に無事な姿を見せなければなりませんから」
「はっ!ではルーク様は屋敷まで・・・」
「いえ、ルークも私達と共にお義父様に顔を見せに行った方がいいでしょう。私達はマルクトとダアトの両者から和平の仲介を頼まれましたし、私達二人が共に健在であることを直に見ていただいた方が安心されるでしょうから」
「ふむ、確かに・・・ではセシル少将、ファブレ邸にそのように報告を頼む」
「はっ!」
それで一通り話を進めてゴールドバーグがルークのみを屋敷にと言おうとしたが、ミレーユの言葉にすぐに意見を変えてセシル少将に命を下す。
(はぁ~・・・やっぱりミレーユって王女なんだな・・・旅してる間は気にしないようにって言われたけど、こうして将軍達に優しいけど威厳ある言葉をかける姿を見てるとホントにそう感じるな・・・ルークはまぁ仕方無いにしても、ミレーユはいい意味で貴族とか王族らしくない感じがするし・・・って言っても、ティアがこれからどうなるかはわかんないんだけどね・・・ティアのことをミレーユがどう対応するかは別にしても、経緯を考えるとキムラスカって国が黙ってるか分かんないし・・・そう考えるともしもの時はイオン様に同調するより、その逆にした方がよさそうなんだよね・・・)
その光景にアニスはしみじみと感じ入る、ミレーユの王女としての姿に威厳だけでなく心地よさを見出だし。そして同時に、ティアに訪れるであろうあまりよくないだろう未来も感じていた。
・・・アニスがルークとミレーユの二人に対して抱いた印象としてはルークは年格好より子供っぽいであり、ミレーユは年格好より大人っぽいばかりかジェイドよりも頼れる人物というものだった。戦闘能力に関してもそうだが、王女として似つかわしくないような旅慣れた感じに人格的に素直に頼れると思った為に。
尚、アニスはルークやミレーユに限らず貴族や王族などという存在に対して特に好き嫌いと言った感情はない。ただ自分にとって損か得か、それが判断基準にある。その判断基準からしてみればミレーユという人物は少なくとも関わっても損はない、というものだった。
現に旅の間王女と分かってからも態度を崩さなかったミレーユに対し、必要以上にぶりっ子の顔を被ることなく過ごしていたくらいだ。ある程度きままに過ごしても問題はないしそっちの方がやりやすいと、そう思った為に。
だがそうやって接していて何気無く二人の時に何故マルクトに来たのかと質問した時に、返ってきた答えに内心でアニスは非常に驚愕した。まさかそんなことでマルクトまで来ることになったのかと。
ただここでミレーユがさりげにティアだけでなくイオンにもその事は言わないでと願ってきたことに、アニスは感じ取っていた・・・ミレーユはティアのやったことの重さを理解していると共に、イオンの甘さもどの程度の物かを分かっていると。
その時まではアニスとしてはティアとは表向き程度に仲良くやれればいいとは思っていた・・・が、そのミレーユの言葉に決めたのだ。もしもの場合はティアを擁護するより、ミレーユの側に寄った行動を取った方がいいと。
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・・・そして当人の能力が高いと見ているからこそこれまでの中で尚ジェイドは慎重にミレーユに対応すると決めて動いているし、ティアともミレーユと違った意味で関係を深くするのを拒みもした。
何かあればティアとは我関せずを貫く気満々なジェイドは必要以上に口を挟むつもりもなく、目の前のやり取りを注視する。
「・・・では上に行きましょう。お義父様に無事な姿を見せなければなりませんから」
「はっ!ではルーク様は屋敷まで・・・」
「いえ、ルークも私達と共にお義父様に顔を見せに行った方がいいでしょう。私達はマルクトとダアトの両者から和平の仲介を頼まれましたし、私達二人が共に健在であることを直に見ていただいた方が安心されるでしょうから」
「ふむ、確かに・・・ではセシル少将、ファブレ邸にそのように報告を頼む」
「はっ!」
それで一通り話を進めてゴールドバーグがルークのみを屋敷にと言おうとしたが、ミレーユの言葉にすぐに意見を変えてセシル少将に命を下す。
(はぁ~・・・やっぱりミレーユって王女なんだな・・・旅してる間は気にしないようにって言われたけど、こうして将軍達に優しいけど威厳ある言葉をかける姿を見てるとホントにそう感じるな・・・ルークはまぁ仕方無いにしても、ミレーユはいい意味で貴族とか王族らしくない感じがするし・・・って言っても、ティアがこれからどうなるかはわかんないんだけどね・・・ティアのことをミレーユがどう対応するかは別にしても、経緯を考えるとキムラスカって国が黙ってるか分かんないし・・・そう考えるともしもの時はイオン様に同調するより、その逆にした方がよさそうなんだよね・・・)
その光景にアニスはしみじみと感じ入る、ミレーユの王女としての姿に威厳だけでなく心地よさを見出だし。そして同時に、ティアに訪れるであろうあまりよくないだろう未来も感じていた。
・・・アニスがルークとミレーユの二人に対して抱いた印象としてはルークは年格好より子供っぽいであり、ミレーユは年格好より大人っぽいばかりかジェイドよりも頼れる人物というものだった。戦闘能力に関してもそうだが、王女として似つかわしくないような旅慣れた感じに人格的に素直に頼れると思った為に。
尚、アニスはルークやミレーユに限らず貴族や王族などという存在に対して特に好き嫌いと言った感情はない。ただ自分にとって損か得か、それが判断基準にある。その判断基準からしてみればミレーユという人物は少なくとも関わっても損はない、というものだった。
現に旅の間王女と分かってからも態度を崩さなかったミレーユに対し、必要以上にぶりっ子の顔を被ることなく過ごしていたくらいだ。ある程度きままに過ごしても問題はないしそっちの方がやりやすいと、そう思った為に。
だがそうやって接していて何気無く二人の時に何故マルクトに来たのかと質問した時に、返ってきた答えに内心でアニスは非常に驚愕した。まさかそんなことでマルクトまで来ることになったのかと。
ただここでミレーユがさりげにティアだけでなくイオンにもその事は言わないでと願ってきたことに、アニスは感じ取っていた・・・ミレーユはティアのやったことの重さを理解していると共に、イオンの甘さもどの程度の物かを分かっていると。
その時まではアニスとしてはティアとは表向き程度に仲良くやれればいいとは思っていた・・・が、そのミレーユの言葉に決めたのだ。もしもの場合はティアを擁護するより、ミレーユの側に寄った行動を取った方がいいと。
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