比較は似た立場ほど明確に差が現れる
「・・・多分ハッサン辺りには似合わないとでも言われるでしょうね。でも夢占い・・・いえ、どちらかと言えばこの世界で言う預言に近い物で見た映像ではホド以上の戦争は起こり得ること・・・それをどうにかするためには、私もどうにか動いていかないといけないもの・・・!」
ミレーユは楽し気な気分に浸っていたが、途端に表情を引き締め直す。確信に近い想いでこれから戦争が起こると言い切り。
・・・ミレーユには前世からの特技があった。それは魔王ムドーとの本当の意味での初めての対面の後、自分を助けてくれて後の師匠となったグランマーズから学んだ夢占いである。
この夢占いに関しては最初こそミレーユも戸惑いはしたが、歳月を重ねていくにつれ師のグランマーズ譲りに占いで必要な事を百発百中で当てれるようになった。更にはグランマーズが得意とした水晶球を用いての離れた場所の遠見まで可能とするまでである。
しかしミレーユはその力を誰かにひけらかさなかった。いや、ひけらかせなかったといった方が正しいだろう・・・何故かと言うとこの世界には繁栄が詠まれている預言という物があるからだ。
夢占いと預言。この二つをいっしょくたにする気はミレーユにはない・・・が、この世界の者からすればミレーユの夢占いはどう見えるか?・・・極端に言ってしまえば、可視化された預言と言っても過言ではないだろう。いや、ある意味では預言よりも大きな影響を生み出す可能性すらある・・・預言よりも正確どころか映像すら見せるユリアの再来か、もしくはそれ以上の存在と見られる形でだ。
ミレーユはこの世界の知識を身に付けていく内にそういったことになり得る可能性に思い至り、人前で夢占いを行うことを避けていた。その上で部屋にある水晶球はインテリアとして置いていると周りには説明している。下手に水晶球を隠しているのを見つかったりなどするよりはと思い。
そしてそのようにして慎重な考えを抱くミレーユではあるが、夢占い自体をやらないわけではない・・・時々人の気配がないのを確認して夢占いや遠見などをしたりするのだが、そこでミレーユは様々な事を知った。ホドの事もそうだが、これから先に起こり得る事についても・・・だからこそミレーユはインゴベルトからの養子縁組を受け入れたのだ。立場的にその方が動けるだろうと見越して。
・・・それで養子になることを受け入れ、この世界の両親に別れを告げた後にミレーユは立場上は王女となった。と言っても他に赤い髪に翠の瞳を伴った王族がまだいるため、王位継承権の順位に関しては一番下の位置にいる。その事についてはあくまでミレーユは養子だからとの事で、当然の措置と見られている。そしてその事実については民にも発表されている為、周知の事実となっている。その為、ミレーユが王女となった一時期に大っぴらにではないがこう揶揄された時期があった・・・保険の為の王女と。
だがその不名誉としか言えない呼ばれかたも、すぐに払拭される事となった。他ならぬミレーユ自身の活動と、もう1人の王女により・・・
「・・・失礼します、ミレーユ様」
「どうしたのかしら?書類の整理だったらもう終わったけれど・・・」
「・・・申し訳ありません。今からファブレの屋敷に向かってはいただけないでしょうか?」
「・・・そう、わかったわ。ご苦労様」
・・・1人でゆっくりしていた時に入室してきたメイドに何事かと聞くと、淡々と告げる言葉とは裏腹になんとも言い切れない空気を滲ませながら返す様子に椅子から立ち上がって了承を返し、労いの言葉をかけ部屋を出ていく。
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ミレーユは楽し気な気分に浸っていたが、途端に表情を引き締め直す。確信に近い想いでこれから戦争が起こると言い切り。
・・・ミレーユには前世からの特技があった。それは魔王ムドーとの本当の意味での初めての対面の後、自分を助けてくれて後の師匠となったグランマーズから学んだ夢占いである。
この夢占いに関しては最初こそミレーユも戸惑いはしたが、歳月を重ねていくにつれ師のグランマーズ譲りに占いで必要な事を百発百中で当てれるようになった。更にはグランマーズが得意とした水晶球を用いての離れた場所の遠見まで可能とするまでである。
しかしミレーユはその力を誰かにひけらかさなかった。いや、ひけらかせなかったといった方が正しいだろう・・・何故かと言うとこの世界には繁栄が詠まれている預言という物があるからだ。
夢占いと預言。この二つをいっしょくたにする気はミレーユにはない・・・が、この世界の者からすればミレーユの夢占いはどう見えるか?・・・極端に言ってしまえば、可視化された預言と言っても過言ではないだろう。いや、ある意味では預言よりも大きな影響を生み出す可能性すらある・・・預言よりも正確どころか映像すら見せるユリアの再来か、もしくはそれ以上の存在と見られる形でだ。
ミレーユはこの世界の知識を身に付けていく内にそういったことになり得る可能性に思い至り、人前で夢占いを行うことを避けていた。その上で部屋にある水晶球はインテリアとして置いていると周りには説明している。下手に水晶球を隠しているのを見つかったりなどするよりはと思い。
そしてそのようにして慎重な考えを抱くミレーユではあるが、夢占い自体をやらないわけではない・・・時々人の気配がないのを確認して夢占いや遠見などをしたりするのだが、そこでミレーユは様々な事を知った。ホドの事もそうだが、これから先に起こり得る事についても・・・だからこそミレーユはインゴベルトからの養子縁組を受け入れたのだ。立場的にその方が動けるだろうと見越して。
・・・それで養子になることを受け入れ、この世界の両親に別れを告げた後にミレーユは立場上は王女となった。と言っても他に赤い髪に翠の瞳を伴った王族がまだいるため、王位継承権の順位に関しては一番下の位置にいる。その事についてはあくまでミレーユは養子だからとの事で、当然の措置と見られている。そしてその事実については民にも発表されている為、周知の事実となっている。その為、ミレーユが王女となった一時期に大っぴらにではないがこう揶揄された時期があった・・・保険の為の王女と。
だがその不名誉としか言えない呼ばれかたも、すぐに払拭される事となった。他ならぬミレーユ自身の活動と、もう1人の王女により・・・
「・・・失礼します、ミレーユ様」
「どうしたのかしら?書類の整理だったらもう終わったけれど・・・」
「・・・申し訳ありません。今からファブレの屋敷に向かってはいただけないでしょうか?」
「・・・そう、わかったわ。ご苦労様」
・・・1人でゆっくりしていた時に入室してきたメイドに何事かと聞くと、淡々と告げる言葉とは裏腹になんとも言い切れない空気を滲ませながら返す様子に椅子から立ち上がって了承を返し、労いの言葉をかけ部屋を出ていく。
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