善意は必ずしも報われるとは限らない
「・・・分かりましたか、ナタリア?貴女が今までこのキュビ半島で誰の制止もなく動くことが出来たのは貴女の事を認められたからではなく、単に貴女に下手に触れない方がいいと皆さんが判断したからです・・・ですがそれも今日限りの事で、このあとすぐライマに帰っていただきますよ。ちなみに拒否権はありません。拒否をするというのであれば即刻貴女の地位を剥奪の上で、連行と言う形で無理矢理にてもライマに連れて帰ります」
「っ!・・・そ、そんな・・・わ、私は住民の皆様やルークの為にとここに来たのに何故そこまで・・・!」
「・・・フフ、アハハハハハハ・・・!」
「っ、何がおかしいんですの!?」
ジェイドがそこまで来て最後通告とばかりに帰ることはどうあっても決定事項だと言えば、ナタリアはそこまでの事ではと泣きそうでいて弱い声で漏らす。そんな声に今まで背を壁に預けていて沈黙していた男が手を顔に当て高笑いをし出した事に、キッとナタリアは一瞬で気を取り直しそちらの方に怒りの声を向ける。
「・・・誰かの為誰かの為誰かの為誰かの為誰かの為・・・馬鹿みたい」
「なっ!?・・・いくらなんでも言っていいことと悪いことがありますわよ、サレ!」
そして男・・・サレはその手をどけて隠しもせずに嘲笑を浮かべながら嘲りの言葉を吐き、ナタリアは驚愕したがすぐに激昂して激しく返した。流石に聞き捨てならないと。
「フフ、だってそうだろう?君が言っていることって、自己満足以外の何物でもないじゃないか。それに周りの事を何も見てないことを自分自身で暴露してる・・・あんなことを聞かされておかしいと思うなと言われたって無理な話さ」
「えっ・・・!?」
だがサレは全く臆さないばかりか更に言葉を投げ掛けつつ笑みを深めながらナタリアに近付いていき顔を突き付け、またその表情を不安に染めた。
「その様子じゃ僕の言いたいことが分かってないようだから今僕が何を以てそう言ったか、説明してあげるよ・・・君は今住民のだとかルークの為って言ったよね?でもそれならさ・・・今ライマにいる人達に迷惑をかけたのはその人達の為になってるって言えるのかな?」
「そっ、それは・・・私の考えてることは皆分かって「だったら何でピオニー陛下はこうやって君を呼び戻そうとしてるのかな?君の事を分かってると言うなら多少なりにも君を擁護するような言葉が出ていてもおかしくはないはずだけどね」・・・!」
サレは嗜虐的な笑みを深め問い掛けを向けナタリアはどうにか答えようとするが、途中で遮るようにそれは違うと突き付けるように言われてたまらず後退してしまう。
「ねぇ、ちなみに聞くけどライマで彼女をそのままにしておくべきだって訴えってあったかい?」
「・・・いいえ、ありませんでしたね。むしろナタリアに近い位置にいる貴族からは口酸っぱくナタリア様を是非とも連れ戻してきてくれと言われました。相当に腹に据えかねていたのでしょうね、その貴族もナタリアの勝手な行動に」
「!・・・そ、そんな・・・」
更にサレはジェイドに事実確認を求めて視線を向けて質問し、その意図を察したよういい反応ではなかったとハッキリ告げるジェイドの答えに衝撃を受けたようヨロヨロして頭を抱える。
「どうせそんなことだろうと思ったから笑ったのさ、僕は。君は自分の行動が誰かの為にだけなると信じて疑わずに皆もそれに従ってくれるって思ってるようだったけど、それってさ・・・僕からしたら虫酸が走るような考えだけど、相互理解の上で成り立つものだろう?自分の考えを相手は理解してるし、相手もまた自分を理解してる・・・そんなモノの上でね。でも君は相手の事を考えないばかりか、分かってるだろうって勝手に決め付けた上で君の尻拭いを人知れずやってるって思ってた・・・これのどこに誰かの為に何てものがあるのさ?もう馬鹿みたい・・・いや、もうみたいじゃなくて馬鹿だよねこれって・・・アハハハハハハ!」
「っ・・・っ!」
・・・額に手を当て心底から高笑うサレに、ナタリアは目に涙を浮かべ何かを言いたげにしていたが何も言えず唇を噛み締めた。今言ったことに何か反論しようにも反論出来なかった為に。まぁ反論したとしても周りのジェイド達も加わってサレに味方をしただろうからナタリアに勝ち目はなかっただろうが・・・
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「っ!・・・そ、そんな・・・わ、私は住民の皆様やルークの為にとここに来たのに何故そこまで・・・!」
「・・・フフ、アハハハハハハ・・・!」
「っ、何がおかしいんですの!?」
ジェイドがそこまで来て最後通告とばかりに帰ることはどうあっても決定事項だと言えば、ナタリアはそこまでの事ではと泣きそうでいて弱い声で漏らす。そんな声に今まで背を壁に預けていて沈黙していた男が手を顔に当て高笑いをし出した事に、キッとナタリアは一瞬で気を取り直しそちらの方に怒りの声を向ける。
「・・・誰かの為誰かの為誰かの為誰かの為誰かの為・・・馬鹿みたい」
「なっ!?・・・いくらなんでも言っていいことと悪いことがありますわよ、サレ!」
そして男・・・サレはその手をどけて隠しもせずに嘲笑を浮かべながら嘲りの言葉を吐き、ナタリアは驚愕したがすぐに激昂して激しく返した。流石に聞き捨てならないと。
「フフ、だってそうだろう?君が言っていることって、自己満足以外の何物でもないじゃないか。それに周りの事を何も見てないことを自分自身で暴露してる・・・あんなことを聞かされておかしいと思うなと言われたって無理な話さ」
「えっ・・・!?」
だがサレは全く臆さないばかりか更に言葉を投げ掛けつつ笑みを深めながらナタリアに近付いていき顔を突き付け、またその表情を不安に染めた。
「その様子じゃ僕の言いたいことが分かってないようだから今僕が何を以てそう言ったか、説明してあげるよ・・・君は今住民のだとかルークの為って言ったよね?でもそれならさ・・・今ライマにいる人達に迷惑をかけたのはその人達の為になってるって言えるのかな?」
「そっ、それは・・・私の考えてることは皆分かって「だったら何でピオニー陛下はこうやって君を呼び戻そうとしてるのかな?君の事を分かってると言うなら多少なりにも君を擁護するような言葉が出ていてもおかしくはないはずだけどね」・・・!」
サレは嗜虐的な笑みを深め問い掛けを向けナタリアはどうにか答えようとするが、途中で遮るようにそれは違うと突き付けるように言われてたまらず後退してしまう。
「ねぇ、ちなみに聞くけどライマで彼女をそのままにしておくべきだって訴えってあったかい?」
「・・・いいえ、ありませんでしたね。むしろナタリアに近い位置にいる貴族からは口酸っぱくナタリア様を是非とも連れ戻してきてくれと言われました。相当に腹に据えかねていたのでしょうね、その貴族もナタリアの勝手な行動に」
「!・・・そ、そんな・・・」
更にサレはジェイドに事実確認を求めて視線を向けて質問し、その意図を察したよういい反応ではなかったとハッキリ告げるジェイドの答えに衝撃を受けたようヨロヨロして頭を抱える。
「どうせそんなことだろうと思ったから笑ったのさ、僕は。君は自分の行動が誰かの為にだけなると信じて疑わずに皆もそれに従ってくれるって思ってるようだったけど、それってさ・・・僕からしたら虫酸が走るような考えだけど、相互理解の上で成り立つものだろう?自分の考えを相手は理解してるし、相手もまた自分を理解してる・・・そんなモノの上でね。でも君は相手の事を考えないばかりか、分かってるだろうって勝手に決め付けた上で君の尻拭いを人知れずやってるって思ってた・・・これのどこに誰かの為に何てものがあるのさ?もう馬鹿みたい・・・いや、もうみたいじゃなくて馬鹿だよねこれって・・・アハハハハハハ!」
「っ・・・っ!」
・・・額に手を当て心底から高笑うサレに、ナタリアは目に涙を浮かべ何かを言いたげにしていたが何も言えず唇を噛み締めた。今言ったことに何か反論しようにも反論出来なかった為に。まぁ反論したとしても周りのジェイド達も加わってサレに味方をしただろうからナタリアに勝ち目はなかっただろうが・・・
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