蔵馬をルークの義理の兄にしたらこうなった 掌握・策謀・攻勢
「そうか・・・なら戻ろう、話すべき事は話終わったからな」
「はい」
そんな返事に満足しつつ頷き戻ろうという公爵に蔵馬も首を縦に振り、屋敷の方へと向かう・・・
「・・・あっ、義兄上!お帰りなさい!」
「ただいま、ルーク」
・・・そして屋敷に戻った二人はそれぞれ分かれ、蔵馬は庭に行った。そこで庭の中にいたルークが輝かんばかりの笑みを浮かべ近寄ってきたことで、蔵馬も微笑を持って返す。
「今日はもう課題は終えたか?」
「はい、それで義兄上に見てもらいたいんですけど今時間は大丈夫ですか?」
「あぁ、ちょうどやろうとしていたことも終わったからね。ルークがいいなら部屋に行こうか」
「はい、義兄上!」
そこで課題と自身がルーク用に作って出していた物を終わらせたかを聞く蔵馬に、ルークはすぐさま頷きつつも時間があるかを気遣いつつ問う。それに了承を持って部屋に行こうと言えば、ルークは嬉しそうに即答した。
・・・アッシュより産み出されたルーク。このルークという存在に会った時、蔵馬は色眼鏡をかけず背丈が大きいだけの子供として一つ一つ接しようと決めた。アッシュのレプリカと言うことは自分で調べたので調べはついていたが、その特異な生まれに蔵馬は忌避の考えを持つことはなかった。自身も妖怪という身の上で『南野秀一』という人間に取り憑いた身なのだ・・・特異という点では群を抜いていると自覚しているので、ルークの生まれに対し色眼鏡で見るつもりは最初からなかった。
故に蔵馬はその姿形に囚われず更に小さい子供に接するよう優しく、根気強くルークと一緒にいてあげた。その結果蔵馬はルークの立場により近く立ってあげたことでガイにナタリアより信頼を得て、蔵馬の事を実の兄のように慕うようになった。
尚余談ではあるが、その光景はファブレ内でガイとペールにナタリアを除き、癒しを与える光景となっていた。
「・・・うん、よく出来てるな。少し間違いはあるけど、それはまた復習していけばいい。今日はこれまでにして後は自由にしていいよ」
「やった!・・・あ。なら義兄上、ちょっと俺と手合わせしてくれませんか?屋敷に帰ってから剣を振ってないから、義兄上に相手になってほしいんですけど・・・」
「あぁ、構わないよ。俺も今日はもうやることはないから、時間が許すまで付き合おう」
「ありがとうございます、義兄上!じゃあ行きましょう!」
・・・ルークの部屋に入り机の上に置いていた課題の紙を見た蔵馬はその出来に及第点を与え、今日はもう終わりと告げる。勉強が終わったことに子供のように嬉しそうな声を上げるルークだったが、途端に思いついたよう今度は剣術の稽古の相手をしてほしいと願い出てくる。それを断る理由もない蔵馬が即答で了承すれば、ルークは嬉しそうに礼を言って部屋を急いで出ていく。その姿に蔵馬はそっと口許を微笑ましげに上げていた・・・
・・・この数日後、蔵馬が書いた手紙はケセドニアに届く。蔵馬は手紙が着くだろう時間を逆算して、そこで一悶着こそあろうが結局はマルクトはこちらに今度こそ心底から頭を下げて和平に来るだろうと考えていた。だがダアトというかイオンは来るかどうか微妙な所だと感じていた。しかし蔵馬からして見ればイオンがどうこうしようが関係はなかった・・・何故なら蔵馬はこの機に乗じて様々なパターンでダアトを完膚なきまでに叩き伏せようとしているのだから。
だがそれはマルクトの使者が来てから決めること。そう考えながらも蔵馬は自分に力一杯打ち込んでくるルークの木刀を同じく木刀で受け止めていた・・・
END
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「はい」
そんな返事に満足しつつ頷き戻ろうという公爵に蔵馬も首を縦に振り、屋敷の方へと向かう・・・
「・・・あっ、義兄上!お帰りなさい!」
「ただいま、ルーク」
・・・そして屋敷に戻った二人はそれぞれ分かれ、蔵馬は庭に行った。そこで庭の中にいたルークが輝かんばかりの笑みを浮かべ近寄ってきたことで、蔵馬も微笑を持って返す。
「今日はもう課題は終えたか?」
「はい、それで義兄上に見てもらいたいんですけど今時間は大丈夫ですか?」
「あぁ、ちょうどやろうとしていたことも終わったからね。ルークがいいなら部屋に行こうか」
「はい、義兄上!」
そこで課題と自身がルーク用に作って出していた物を終わらせたかを聞く蔵馬に、ルークはすぐさま頷きつつも時間があるかを気遣いつつ問う。それに了承を持って部屋に行こうと言えば、ルークは嬉しそうに即答した。
・・・アッシュより産み出されたルーク。このルークという存在に会った時、蔵馬は色眼鏡をかけず背丈が大きいだけの子供として一つ一つ接しようと決めた。アッシュのレプリカと言うことは自分で調べたので調べはついていたが、その特異な生まれに蔵馬は忌避の考えを持つことはなかった。自身も妖怪という身の上で『南野秀一』という人間に取り憑いた身なのだ・・・特異という点では群を抜いていると自覚しているので、ルークの生まれに対し色眼鏡で見るつもりは最初からなかった。
故に蔵馬はその姿形に囚われず更に小さい子供に接するよう優しく、根気強くルークと一緒にいてあげた。その結果蔵馬はルークの立場により近く立ってあげたことでガイにナタリアより信頼を得て、蔵馬の事を実の兄のように慕うようになった。
尚余談ではあるが、その光景はファブレ内でガイとペールにナタリアを除き、癒しを与える光景となっていた。
「・・・うん、よく出来てるな。少し間違いはあるけど、それはまた復習していけばいい。今日はこれまでにして後は自由にしていいよ」
「やった!・・・あ。なら義兄上、ちょっと俺と手合わせしてくれませんか?屋敷に帰ってから剣を振ってないから、義兄上に相手になってほしいんですけど・・・」
「あぁ、構わないよ。俺も今日はもうやることはないから、時間が許すまで付き合おう」
「ありがとうございます、義兄上!じゃあ行きましょう!」
・・・ルークの部屋に入り机の上に置いていた課題の紙を見た蔵馬はその出来に及第点を与え、今日はもう終わりと告げる。勉強が終わったことに子供のように嬉しそうな声を上げるルークだったが、途端に思いついたよう今度は剣術の稽古の相手をしてほしいと願い出てくる。それを断る理由もない蔵馬が即答で了承すれば、ルークは嬉しそうに礼を言って部屋を急いで出ていく。その姿に蔵馬はそっと口許を微笑ましげに上げていた・・・
・・・この数日後、蔵馬が書いた手紙はケセドニアに届く。蔵馬は手紙が着くだろう時間を逆算して、そこで一悶着こそあろうが結局はマルクトはこちらに今度こそ心底から頭を下げて和平に来るだろうと考えていた。だがダアトというかイオンは来るかどうか微妙な所だと感じていた。しかし蔵馬からして見ればイオンがどうこうしようが関係はなかった・・・何故なら蔵馬はこの機に乗じて様々なパターンでダアトを完膚なきまでに叩き伏せようとしているのだから。
だがそれはマルクトの使者が来てから決めること。そう考えながらも蔵馬は自分に力一杯打ち込んでくるルークの木刀を同じく木刀で受け止めていた・・・
END
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