蔵馬をルークの義理の兄にしたらこうなった 掌握・策謀・攻勢
「まぁ確かに取った行動は誉められた物ではないと私も思う・・・だが当時のあの方は言って聞くような人ではなかった上、陛下も聞き分けのよくなったあの方に上機嫌になられていた。荒療治という観点で見るなら、お前は間違ったことはしてはいない」
そんな蔵馬に公爵はたしなめることもせず、むしろその方が正しかったのだと効果も含めた上で言ってのける。
・・・かつてのナタリアとは良く言えば何者にも揺るがされない強い意志を持った王女で、悪く言えば我が強く自分の価値観にそぐわない物を受け入れられないわがままな女だった。そしてそのかつてのナタリアはファブレの人間(ガイとペール除く)にとって、わがままな女という悪い一面が強い女であった。
婚約者のルークの容態を気にかけ健気に通い詰める・・・それはいいだろう。だがそれが記憶を目当てに通い詰めるとなれば、ルークもだがファブレ夫妻も気持ちがいいわけがない。いつも屋敷に来て第一声で口にされるのが記憶はという言葉であれば、当然ファブレ側も辟易するだろう。そんな事が続いたことでファブレ側はナタリアに何回も告げてきた。遠回しな表現ながら要約して『記憶だけを目当てに来られても迷惑だから、別段他に用がない時は来ないでくれ。記憶が戻ったらすぐに伝えるから』と。だがその気を使った言葉もナタリアには通じず、全くファブレに配慮せず通い続けた。
・・・そんなナタリアの行動はファブレの人間にとって、表では言葉にせずとも裏では全員共通の物で迷惑なものとなっていた。王女という立場上屋敷の人間はナタリアをもてなさなければならないが、それも屋敷に来ると予定しているのならともかくナタリアは予定していない時にも平気で来ていたのだ。そんなファブレ側に配慮しないナタリアを屋敷の人間が心から歓迎出来るはずもないだろう。そしてそれはファブレの屋敷に来てルークにファブレ夫妻の信頼を得た蔵馬に対し、言葉面だけは丁寧なもののルークの信頼を取られたと感じたナタリアが蔵馬を疎んじている様子を見せることからより顕著になっていった。
そこから段々とナタリアがファブレ邸に来る頻度もルークに構う頻度も増えていき、同様に蔵馬もナタリアをどうにかしなければいけないと考える回数が増えた。とは言ってもナタリアのよう害意を持つ訳でなく、あくまでナタリアにちゃんとした王女に見あった態度をしてもらおうという至ってまともな理由である。元々フェミニストの気がある蔵馬だから、女性を大事にするのは当然と考えた上でどうにかしようと考えたのだが・・・結局はナタリアは、そんな蔵馬の思いやりを諦めさせた。
・・・そんなすれ違いのままに蔵馬とナタリアの関係は進んでいたのだが、その関係はナタリアが唐突に爆発したことで急展開を迎えた。それはいつものよう公爵の仕事の手伝いをしていた蔵馬が記憶記憶とうるさいナタリアから逃げてきたルークを優しく迎えたのだが、そんな自分に全くなつかないルークとぽっと出の蔵馬にナタリアは検討違いの癇癪を引き起こして周りの事を気にせず怒鳴り出した。ルークには記憶があった時の貴方の方がよかったに、蔵馬にはルークを惰弱にしたのは王族として育てられてない貴方のせいだと。そして挙げ句の果てには貴方のようなものを引き取ったファブレ夫妻の判断を疑うとまで言った・・・その瞬間、蔵馬はナタリアに対する思いやりを一瞬にして捨て去った。
自分だけでなくルークに夫妻までもを侮辱した・・・その事を許せなかった蔵馬はすぐに近くにいた公爵に許可を取り、自分とナタリアを二人だけにしてくれるように願い出た。公爵は最初こそはどうしようものかと迷っていたが、蔵馬の真剣すぎる程の眼差しと声により荒事をナタリアに対してしないようにとの条件を耳打ちされ、それを了承したことで急いで公爵はルークを引き連れその部屋を出た。
・・・そして二人きりになった瞬間、蔵馬は催眠植物を使ってナタリアを一瞬で眠らせ・・・記憶の改竄及び人格矯正のため、暗示に加えて記憶忘却の効果を持つ植物を使い脳に直接アプローチしてアッシュとの美しい記憶を奪った。何故アッシュとの記憶を奪ったかと言えば、その記憶にすがる限りはルークを見ない可能性があると考えたからだ。
ただそれだけでは話にならないと蔵馬はそこから先の記憶とナタリアの取ってきた態度にある程度齟齬がない程度に他の記憶と共に性格も改竄させ、これからは文字通りキレイさっぱり思い直してもらって自分の思う高潔な王女として活動してもらおうとバッチリに仕上げた状態でナタリアを目覚めさせた。
・・・そしてその結果が自分本意で相手を見ずに真実相手を思いやれて、約束だ記憶だと押し付けることなく節度を守れるナタリア殿下の完成というわけである。
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そんな蔵馬に公爵はたしなめることもせず、むしろその方が正しかったのだと効果も含めた上で言ってのける。
・・・かつてのナタリアとは良く言えば何者にも揺るがされない強い意志を持った王女で、悪く言えば我が強く自分の価値観にそぐわない物を受け入れられないわがままな女だった。そしてそのかつてのナタリアはファブレの人間(ガイとペール除く)にとって、わがままな女という悪い一面が強い女であった。
婚約者のルークの容態を気にかけ健気に通い詰める・・・それはいいだろう。だがそれが記憶を目当てに通い詰めるとなれば、ルークもだがファブレ夫妻も気持ちがいいわけがない。いつも屋敷に来て第一声で口にされるのが記憶はという言葉であれば、当然ファブレ側も辟易するだろう。そんな事が続いたことでファブレ側はナタリアに何回も告げてきた。遠回しな表現ながら要約して『記憶だけを目当てに来られても迷惑だから、別段他に用がない時は来ないでくれ。記憶が戻ったらすぐに伝えるから』と。だがその気を使った言葉もナタリアには通じず、全くファブレに配慮せず通い続けた。
・・・そんなナタリアの行動はファブレの人間にとって、表では言葉にせずとも裏では全員共通の物で迷惑なものとなっていた。王女という立場上屋敷の人間はナタリアをもてなさなければならないが、それも屋敷に来ると予定しているのならともかくナタリアは予定していない時にも平気で来ていたのだ。そんなファブレ側に配慮しないナタリアを屋敷の人間が心から歓迎出来るはずもないだろう。そしてそれはファブレの屋敷に来てルークにファブレ夫妻の信頼を得た蔵馬に対し、言葉面だけは丁寧なもののルークの信頼を取られたと感じたナタリアが蔵馬を疎んじている様子を見せることからより顕著になっていった。
そこから段々とナタリアがファブレ邸に来る頻度もルークに構う頻度も増えていき、同様に蔵馬もナタリアをどうにかしなければいけないと考える回数が増えた。とは言ってもナタリアのよう害意を持つ訳でなく、あくまでナタリアにちゃんとした王女に見あった態度をしてもらおうという至ってまともな理由である。元々フェミニストの気がある蔵馬だから、女性を大事にするのは当然と考えた上でどうにかしようと考えたのだが・・・結局はナタリアは、そんな蔵馬の思いやりを諦めさせた。
・・・そんなすれ違いのままに蔵馬とナタリアの関係は進んでいたのだが、その関係はナタリアが唐突に爆発したことで急展開を迎えた。それはいつものよう公爵の仕事の手伝いをしていた蔵馬が記憶記憶とうるさいナタリアから逃げてきたルークを優しく迎えたのだが、そんな自分に全くなつかないルークとぽっと出の蔵馬にナタリアは検討違いの癇癪を引き起こして周りの事を気にせず怒鳴り出した。ルークには記憶があった時の貴方の方がよかったに、蔵馬にはルークを惰弱にしたのは王族として育てられてない貴方のせいだと。そして挙げ句の果てには貴方のようなものを引き取ったファブレ夫妻の判断を疑うとまで言った・・・その瞬間、蔵馬はナタリアに対する思いやりを一瞬にして捨て去った。
自分だけでなくルークに夫妻までもを侮辱した・・・その事を許せなかった蔵馬はすぐに近くにいた公爵に許可を取り、自分とナタリアを二人だけにしてくれるように願い出た。公爵は最初こそはどうしようものかと迷っていたが、蔵馬の真剣すぎる程の眼差しと声により荒事をナタリアに対してしないようにとの条件を耳打ちされ、それを了承したことで急いで公爵はルークを引き連れその部屋を出た。
・・・そして二人きりになった瞬間、蔵馬は催眠植物を使ってナタリアを一瞬で眠らせ・・・記憶の改竄及び人格矯正のため、暗示に加えて記憶忘却の効果を持つ植物を使い脳に直接アプローチしてアッシュとの美しい記憶を奪った。何故アッシュとの記憶を奪ったかと言えば、その記憶にすがる限りはルークを見ない可能性があると考えたからだ。
ただそれだけでは話にならないと蔵馬はそこから先の記憶とナタリアの取ってきた態度にある程度齟齬がない程度に他の記憶と共に性格も改竄させ、これからは文字通りキレイさっぱり思い直してもらって自分の思う高潔な王女として活動してもらおうとバッチリに仕上げた状態でナタリアを目覚めさせた。
・・・そしてその結果が自分本意で相手を見ずに真実相手を思いやれて、約束だ記憶だと押し付けることなく節度を守れるナタリア殿下の完成というわけである。
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