蔵馬をルークの義理の兄にしたらこうなった 掌握・策謀・攻勢
「・・・話には聞いていたが六神将がタルタロスごと投降して来るとは、お前の暗示の薬は相当だったのだな・・・」
「はい。とは言っても今は暗示の掛け方を誤ったと悔いています。私達が順調にバチカルに辿り着く頃になれば、いかなる妨害があってもバチカルに来るよう暗示が発動するように仕掛けたのですが・・・まさか導師を奪還するため、カイツールの港までもを襲撃するとは思ってもいませんでした・・・」
「・・・うむ、確かにその事は遺憾ではあった。だがそこまでしてなりふり構わず仕掛けてきたのは向こうの方だ。お前の気にするところではない」
「・・・ありがとうございます」
そこで公爵は話題転換として六神将の投降の事を感嘆混じりに口にするが、蔵馬はそこでカイツールの事件までは予期していなかったと目を伏せ自分の失策を嘆く。だが公爵はそんな姿に相手が悪いと励まし、蔵馬は頭を下げる。
・・・六神将によるタルタロス襲撃の瞬間、蔵馬はルークと共にタルタロスの中にいた。その時蔵馬は公然とタルタロスを脱出するいい機会だと、牢の中で書いていたこの場から出ていくとの置き手紙を置いてさっさとルークと共に立ち去ろうとした。だがそこで蔵馬はタルタロスを襲っているのが六神将であると知り、一計を案じた・・・それはこの機会に六神将及びアッシュをバチカルに来させるように差し向けるため、暗示にかけようというものだった。
その計を何故仕掛けようかと思ったかと言えば理由としてはアッシュをバチカルに連れてくること及び、キムラスカにマルクトとダアトにないアドバンテージを握らせる為にだ。
・・・アッシュはその姿を見ていた時よりいつかはどうにかしなければと考えていたが、他の六神将はアッシュ単体に暗示をかけたとてまず間違いなく力づくでも止めに入る。ならいっそ六神将を全て暗示にかけてバチカルに来させて捕らえれば、六神将に被害を与えられたマルクトにも所属する組織の責任者であるダアトにも大きな貸しが出来る・・・そう言った考えを瞬時にまとめた蔵馬の行動は早かった。
まずはルークの安全を確保しつつその暗示をかける場面を見せない為、蔵馬は害のない強力な催眠効果のある植物の胞子を牢の中にばらまきその場に滞留させてからルークをベッドに寝かせた後、タルタロスの中を探り六神将全てを見つけ隙をついて気絶させてから暗示をかける時に使う植物の胞子を吸い込ませ暗示をかけていった。『時が来れば何があろうとバチカルに来るように』と。尚その時の記憶はまた別の植物を使い今何事もなかったかのように記憶を操作し、変な差違が出ないようには調節していった。
そしてそこから蔵馬はルークの元に戻り催眠植物の胞子を辺りから消した後で、ルークを引き連れタルタロスから姿を消した。ルークは先程まで何かが起きていたのかを全く知らないまま。とは言え六神将がカイツールの港を襲ってまでイオンの身柄を欲しがると思っていなかった蔵馬からして見れば、そう言ったことの抑止に暗示を使わなかったことは悔やまれる事であった。
・・・尚これは余談であるが、そのタルタロスがバチカルに来た時中にいた神託の盾は全滅と言った状態で発見された。そう聞いた蔵馬はいかなる手段をもってしてもと命じていたから、いきなり変貌した六神将を止めようとした周りの神託の盾を六神将が残らず返り討ちにしたのだと公爵に説明した。
・・・更にもう1つ余談ではあるが、蔵馬はガイとペールに対しても刷り込み型の暗示をかけていた。それは『どんなに憎く殺したくても、けして最後にはファブレの人間は殺せない』と言った物だ。蔵馬はファブレの屋敷に来てからガイにペールにヴァンが良からぬ企みを持っていることを知った時の夜、すぐに二人が眠っている隙を狙いその暗示をかけた。結果何度か自身の所に来たガイが刃を手に持ちながらも逡巡して結局自分の部屋に帰っていく姿に、蔵馬はこれならファブレを追い出した後でも大丈夫だろうなと確信していた。いかに立場が変わり憎しみを燃やそうとも、絶対に最後の一線を踏み切れず中途半端なままで終わるだろうと。
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「はい。とは言っても今は暗示の掛け方を誤ったと悔いています。私達が順調にバチカルに辿り着く頃になれば、いかなる妨害があってもバチカルに来るよう暗示が発動するように仕掛けたのですが・・・まさか導師を奪還するため、カイツールの港までもを襲撃するとは思ってもいませんでした・・・」
「・・・うむ、確かにその事は遺憾ではあった。だがそこまでしてなりふり構わず仕掛けてきたのは向こうの方だ。お前の気にするところではない」
「・・・ありがとうございます」
そこで公爵は話題転換として六神将の投降の事を感嘆混じりに口にするが、蔵馬はそこでカイツールの事件までは予期していなかったと目を伏せ自分の失策を嘆く。だが公爵はそんな姿に相手が悪いと励まし、蔵馬は頭を下げる。
・・・六神将によるタルタロス襲撃の瞬間、蔵馬はルークと共にタルタロスの中にいた。その時蔵馬は公然とタルタロスを脱出するいい機会だと、牢の中で書いていたこの場から出ていくとの置き手紙を置いてさっさとルークと共に立ち去ろうとした。だがそこで蔵馬はタルタロスを襲っているのが六神将であると知り、一計を案じた・・・それはこの機会に六神将及びアッシュをバチカルに来させるように差し向けるため、暗示にかけようというものだった。
その計を何故仕掛けようかと思ったかと言えば理由としてはアッシュをバチカルに連れてくること及び、キムラスカにマルクトとダアトにないアドバンテージを握らせる為にだ。
・・・アッシュはその姿を見ていた時よりいつかはどうにかしなければと考えていたが、他の六神将はアッシュ単体に暗示をかけたとてまず間違いなく力づくでも止めに入る。ならいっそ六神将を全て暗示にかけてバチカルに来させて捕らえれば、六神将に被害を与えられたマルクトにも所属する組織の責任者であるダアトにも大きな貸しが出来る・・・そう言った考えを瞬時にまとめた蔵馬の行動は早かった。
まずはルークの安全を確保しつつその暗示をかける場面を見せない為、蔵馬は害のない強力な催眠効果のある植物の胞子を牢の中にばらまきその場に滞留させてからルークをベッドに寝かせた後、タルタロスの中を探り六神将全てを見つけ隙をついて気絶させてから暗示をかける時に使う植物の胞子を吸い込ませ暗示をかけていった。『時が来れば何があろうとバチカルに来るように』と。尚その時の記憶はまた別の植物を使い今何事もなかったかのように記憶を操作し、変な差違が出ないようには調節していった。
そしてそこから蔵馬はルークの元に戻り催眠植物の胞子を辺りから消した後で、ルークを引き連れタルタロスから姿を消した。ルークは先程まで何かが起きていたのかを全く知らないまま。とは言え六神将がカイツールの港を襲ってまでイオンの身柄を欲しがると思っていなかった蔵馬からして見れば、そう言ったことの抑止に暗示を使わなかったことは悔やまれる事であった。
・・・尚これは余談であるが、そのタルタロスがバチカルに来た時中にいた神託の盾は全滅と言った状態で発見された。そう聞いた蔵馬はいかなる手段をもってしてもと命じていたから、いきなり変貌した六神将を止めようとした周りの神託の盾を六神将が残らず返り討ちにしたのだと公爵に説明した。
・・・更にもう1つ余談ではあるが、蔵馬はガイとペールに対しても刷り込み型の暗示をかけていた。それは『どんなに憎く殺したくても、けして最後にはファブレの人間は殺せない』と言った物だ。蔵馬はファブレの屋敷に来てからガイにペールにヴァンが良からぬ企みを持っていることを知った時の夜、すぐに二人が眠っている隙を狙いその暗示をかけた。結果何度か自身の所に来たガイが刃を手に持ちながらも逡巡して結局自分の部屋に帰っていく姿に、蔵馬はこれならファブレを追い出した後でも大丈夫だろうなと確信していた。いかに立場が変わり憎しみを燃やそうとも、絶対に最後の一線を踏み切れず中途半端なままで終わるだろうと。
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