蔵馬をルークの義理の兄にしたらこうなった 掌握・策謀・攻勢
「・・・これは誉められた事ではないが何か理由があれば『アッシュ』としての行動には目をつぶり、預言通りになどさせずファブレに戻ってもらうようにするつもりだった・・・だが今の体たらくを見た後ではそうすることは出来ん。今のこの者は『ルーク』ではなく、『アッシュ』なのだからな・・・」
「っ・・・父上・・・」
弱い声だが、確かにある責任に対しての覚悟を持つファブレ公爵としての顔・・・相反する物を見せる公爵の姿にアッシュはうちひしがれたよう、呆然と公爵を見ていた・・・預言など関係なく自分を見ていた父親を、自分自身が突き放してしまっていた事実に気付いたが為に。
「・・・シュザンヌ、お前はここで休んでいなさい。私はクラマと共に『アッシュ』を牢の方に引き渡してくる」
「はい、わかりました・・・」
「っ・・・母上・・・っ!」
そのままに公爵がシュザンヌを気遣うように声をかければ、悲しくも名残惜しそうな瞳でその手を離しアッシュから身を引いていく。その姿にアッシュも悲し気に声を上げる。
「・・・さぁ、行くぞ」
「・・・はい・・・」
だが最早アッシュをただ許す訳にはいかないと立つように悲壮な様子で公爵が手で促せば、諦めがついたのか自力でうなだれながら力なくも立ち上がり蔵馬が縄を持ち後ろにつき、公爵が前を歩く中でアッシュは何も言うことなく歩いてファブレ邸を後にしていった・・・
・・・そして何もアッシュは抵抗することもないまま城の牢の中に入れられ、公爵と蔵馬はそのまま城の中から出た。
だが二人は城から出たというのに目と鼻の先にあるファブレ邸には戻らず、噴水の前で立ち止まる。
「・・・お前の言った通りであったな、クラマ」
「はい」
そこには先程見せた悲壮な表情などどこにもなく、厳めしい表情で蔵馬を見る公爵がいた。
「お前が最悪の事態があってはとシュザンヌとルークには全てを明かしてはならんと言っていたが、お前の判断は間違ってはいなかった。ルーク、いや・・・あれはもう、キムラスカの為にはならない。あれだけ自分勝手な者をファブレに戻したとて、いずれ私達との軋轢を生みキムラスカに災いを為す存在になり得る。それをタルタロスより捕縛した後、先の再会で見極めると言うのは正解だった」
・・・そしてそこで明らかにしたのは先程のやり取りがあらかじめアッシュの見極めの機会として予定された物で、シュザンヌとルークにはその全てを明かしていないという物だった。
・・・蔵馬は初めてアッシュと接触しその心の内を知った時から分かっていた、アッシュは自分の思うような物以外は全てを見下し拒絶して、それをごり押しするしか出来ない存在なのだと。
それを知った上で蔵馬は既に結果が決まった賭けとも言えないような賭けをバチカルに戻ってきた時に公爵個人に向けて内密に案じた・・・それが要約すれば『六神将の地位にまで上り詰めたアッシュの姿がもし王族に相応しくないものであったなら、断腸の想いになるだろうがファブレに戻すようなことはしない方がいい』というものである。
その賭けに公爵は難色を示すかと思えば、案外すんなりとその賭けに乗ってきた。これはアッシュが六神将になってキムラスカに戻って来なかった事に加え、和平を壊す形でタルタロスを襲ったことが大きかったのだろう。
・・・だからこそ公爵はシュザンヌとルークに先程のやり取りがアッシュと決別するかどうかを決める場であると言わず、自分達の部屋にアッシュを呼んだのだ。あくまで今までの行動の真意を問うためであり、そんな残酷な選択をするためとは言わず・・・
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「っ・・・父上・・・」
弱い声だが、確かにある責任に対しての覚悟を持つファブレ公爵としての顔・・・相反する物を見せる公爵の姿にアッシュはうちひしがれたよう、呆然と公爵を見ていた・・・預言など関係なく自分を見ていた父親を、自分自身が突き放してしまっていた事実に気付いたが為に。
「・・・シュザンヌ、お前はここで休んでいなさい。私はクラマと共に『アッシュ』を牢の方に引き渡してくる」
「はい、わかりました・・・」
「っ・・・母上・・・っ!」
そのままに公爵がシュザンヌを気遣うように声をかければ、悲しくも名残惜しそうな瞳でその手を離しアッシュから身を引いていく。その姿にアッシュも悲し気に声を上げる。
「・・・さぁ、行くぞ」
「・・・はい・・・」
だが最早アッシュをただ許す訳にはいかないと立つように悲壮な様子で公爵が手で促せば、諦めがついたのか自力でうなだれながら力なくも立ち上がり蔵馬が縄を持ち後ろにつき、公爵が前を歩く中でアッシュは何も言うことなく歩いてファブレ邸を後にしていった・・・
・・・そして何もアッシュは抵抗することもないまま城の牢の中に入れられ、公爵と蔵馬はそのまま城の中から出た。
だが二人は城から出たというのに目と鼻の先にあるファブレ邸には戻らず、噴水の前で立ち止まる。
「・・・お前の言った通りであったな、クラマ」
「はい」
そこには先程見せた悲壮な表情などどこにもなく、厳めしい表情で蔵馬を見る公爵がいた。
「お前が最悪の事態があってはとシュザンヌとルークには全てを明かしてはならんと言っていたが、お前の判断は間違ってはいなかった。ルーク、いや・・・あれはもう、キムラスカの為にはならない。あれだけ自分勝手な者をファブレに戻したとて、いずれ私達との軋轢を生みキムラスカに災いを為す存在になり得る。それをタルタロスより捕縛した後、先の再会で見極めると言うのは正解だった」
・・・そしてそこで明らかにしたのは先程のやり取りがあらかじめアッシュの見極めの機会として予定された物で、シュザンヌとルークにはその全てを明かしていないという物だった。
・・・蔵馬は初めてアッシュと接触しその心の内を知った時から分かっていた、アッシュは自分の思うような物以外は全てを見下し拒絶して、それをごり押しするしか出来ない存在なのだと。
それを知った上で蔵馬は既に結果が決まった賭けとも言えないような賭けをバチカルに戻ってきた時に公爵個人に向けて内密に案じた・・・それが要約すれば『六神将の地位にまで上り詰めたアッシュの姿がもし王族に相応しくないものであったなら、断腸の想いになるだろうがファブレに戻すようなことはしない方がいい』というものである。
その賭けに公爵は難色を示すかと思えば、案外すんなりとその賭けに乗ってきた。これはアッシュが六神将になってキムラスカに戻って来なかった事に加え、和平を壊す形でタルタロスを襲ったことが大きかったのだろう。
・・・だからこそ公爵はシュザンヌとルークに先程のやり取りがアッシュと決別するかどうかを決める場であると言わず、自分達の部屋にアッシュを呼んだのだ。あくまで今までの行動の真意を問うためであり、そんな残酷な選択をするためとは言わず・・・
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